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No.02

やっと下り終えて周りを見渡すと、どこに続く通路が一本奥に続いていた。

通路の壁には周りを照らす様に特別なガラスで囲われた蝋燭が煌々と輝いていた。

ユーリ達は蝋燭をたどる様に走り出した

少し走ったところで曲がり角からユーリが誰かの声を聞きつけた。

他の人に静かにする様に合図を送ると、曲がり角の先で剣をスラリと腰の鞘から抜いて人が出てくるのを待った。


バタバタと駆けてくる音が近づいて来る。


相手が曲がって来る瞬間を見計らってユーリは剣を振るった。

が、その切っ先は何もかすることはなかった。


「相棒、サッサッとここを片付けてお館様のところへ行くぞ。」


そう言った男の手には短剣が握れており、片手でユーリの一撃を防いでいた。

ユーリの手にビリッと振動が伝わる。

咄嗟にユーリは距離をとった。


「リオン。気を付けて、こいつら強いよ。」

攻撃を塞がれた事と相手が自分より強いことに気がついての動揺で、つい素の口調で言ってしまったユーリを見てリオンは僅かに眉を寄せた。

ユーリの剣の腕はそれなりの強さである。

そこら辺の輩では相手にならないくらいの実力を持っている。

そんなユーリが強いと言うのだ。

只者ではない事は確かだろう。


「相棒……ここまで侵入されてるって事はお館様がかなりヤバイのわかってるよな?」


確認する様に男は背後にいる『相棒』とやらに声をかけた。

すると後ろから細身の男が顔を不機嫌そうに歪めながら短剣をまるでおもちゃの様に振り回しながら出てくる。


「……分かっている。」


男はそう返事をした後ユーリ達を親の仇の様に睨みつけた。


「クソが……お前らの所為で楽しみがなくなったんだ。存分に償ってもらうぞ。」


そう言った後男は何の前触れもなくユーリ達の方へ凄まじい速さで突っ込んで来た。

その速さに反応が追いつかなかったユーリをユーリの部下が腕を引っ張りギリギリのところでユーリを男の剣撃から守る。


「うら゛あ゛ぁあ!!!」


そんな男の後ろからもう一人の男が追撃する様にユーリに迫る。

ユーリは体制を整え男を迎え撃つ。


ギイィィィィイイイインンンン!!!


凄まじい音が地下に鳴り響く。

男をユーリから遠ざけようと部下が動こうにも。下手に動くと大惨事になる事は目に見えている。

しかしそんな風に手をこまねいている部下に、いつ間にか迫っていた細身の男が退屈はさせないよという様に剣撃を加える。

細身の男は撫でる様に部下達に傷をつけていく。

浅い傷のはずだが切られた者達は地に膝をついた。

どんどん顔色が悪くなっていく。


「くくくっ。どうだ?この即効性の毒が塗られている短剣の味は?なかなか美味だろう?数時間はその苦しみの中でもがく事になる。本当はあの魔族を処分するときに使ってじっくり苦しむ姿を見ようと思っていたというのに……。今まで処分してきた魔族どもはこの毒を使うようになってすごく良い苦しみっぷりを見せてくれていたというのに……あんな普通の短剣を刺しただけでは苦しむ姿をは殆ど見れなかった。今頃事切れているだろう。」


殆どの部下が倒れ伏し他の者達が及び腰になっているなっているのを見ると男はつまらなそうに鼻を鳴らした。

だが、細身の男が目線を滑らせると一角に明らかに他と違う雰囲気を放つ塊がいた。

そこに居たのは言わずもがなリオンと五人ほどの残ったリオンの部下達である。

特にリオンは、激しく怒り狂う感情を必死に理性で制御しようと歯を食いしばり両の手を白くなるまで握りしめていた。


そんな様子を見ていた細身の男はパアッと顔を輝かせた。


「お前ら魔族なのか!?あぁ!何て事だ!これは俺への神からのプレゼントらしい!!なんて良い日だ!こんなにも沢山の魔族を一度に処分出来るなんて!夢のようだ!」


新しい玩具をもらった子供が親に感謝を伝えるかの様子で男は体全体で表現した。

そんな男にリオンは夜の海を思わせる様な深い藍色の瞳に怒気を通り越して冷気だけを纏って細身の男を見た。


「一つだけ聞く。お前は何人の我が同胞達を手にかけた?」


リオンは底冷えする低い声であくまで静かに問いかけた。

だが男はそんなリオンの声に怯むどころか益々顔に喜色をにじませる。


「そうかそうか!!お前ら魔族は仲間意識が強いからな!!さて……何匹殺したかな?あー50匹は下らないな!」


リオンは男が言い終わった途端腰の剣を片手に持ち男の元へ飛び出した。

他の仲間はリオンに任せる様子だったがいつでも飛び出せるように身構えている。


ギィィィィンンン!!


剣と剣がぶつかり合い鉄が悲鳴をあげる。

リオンと男は鍔迫り合いになり男とリオンの顔が近づく。

男はリオンと向かい合う事ができて本当に嬉しそうに目を歪ませる。

そんな男の顔とは反対にリオンの顔は怒りに染まっていた。

そんなリオンの怒りに油を注ぐように男は口を開いた。


「そういえば、ガキがもう一人の残ってたなあ。お館様を一刻も早く助ける為にあの馬鹿が急がせた所為で最後の一匹殺す事ができなかったなぁ……」


男はリオンと力を拮抗させながらしみじみと呟いた。

そして何かに思い至ったのか顔を輝かせる。


「そうだ!今から殺しに行こうか!あの馬鹿にとってはお館様は大事な人かもしれないが俺にとってはそうじゃない。それに殺せば仲間思いのお前らは俺の元によってくるだろう?そうすれば万々歳だ!」


そう言った男は、鍔迫り合いになったいた体制を解きリオンと距離を十分にとった。

そのままリオンを見てニヤリと顔を歪ませると服を翻し奥へと続く道へと走り去った。


それを見て同時にリオンも追いかけようとした。

だがサッと後ろを振り向き残っている部下に手短に命を下した。


「治療の魔法が使えるものは直ぐに倒れているものにかけろ。かけられない者はユーリ殿に付け。隊長は俺と共にあいつを」


「はっ!」


そうして、リオンは素早く男の後を追いかけた。


皆さん今回もお読み頂き有難うございます!


さて今回はこのヒョロッコイ男が中々ゲスい事をやってくれていることが判明しました。

そのお陰で遠慮なくぶっ叩くことができます(笑)


そして次回やっと主役のエルが出てきます!

長い間だせなくてごめんよー

ではまた次回でお会いしましょう!

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