若さ…?
お久し振りです。
書きたいことがあるのに進みません。
~7月8日~
[7:40]
「やあ、おはよう。いらっしゃい…、僕の方は何時でも大丈夫だよ。すぐに始めるかい?」
「はい、よろしくお願いします」
朝食を食べた後、すぐにログインし、キースさんに【鍛冶】を教えてほしいと伝えた
キアラちゃんには昨日の剣の訓練前に、明日は一日用事が有るから、明後日の光の日に朝からいっぱい遊ぼう…、と言いに行った
闇の日には遊べないと言ったら少し落ち込んでしまったが、光の日に朝からいっぱいキアラちゃんのやりたいことをして遊ぶのに付き合うから…、と言ったら機嫌を直してくれた
「じゃあ僕が先ず簡単に手本を見せるから、よく見て覚えてくれ」
キースさんの工房に行くと、既に壁に備え付けられた炉に火が入れられていて、工房に入った瞬間熱気が溢れだし熱気が体を包み込んだ
「先ず炉の中に材料…今回は鉄を使う、を入れて赤くなるまで熱する。この時に熱し方が充分じゃないと、材料の質を下げる事になり、そのまま武器防具を造ると、質の悪い物になってしまう。また、質を戻そうとすると、時間をかけて精錬し直さなければ為らなくなる為、材料の熱の入り具合を見極め、ここだ…と思う所で材料を取り出し、材料が赤い内に金槌で叩き、材料を鍛えると共に形を整え、水に入れて冷やすと共に、表面の不純物を取りまた炉に戻すを繰り返していく」
材料となる鉄は、キースさんが予めに精錬した鉄を使うらしい。精錬した材料は決められた型のインゴット何かにして保存する
「実際に造りながらだから、説明は簡単にするから、よく見て覚えて」
「はい」
【見る・初】のスキルと【集中】のスキルを使って、炉や材料の状態を確認しながら耳を傾ける
「材料である鉄を炉に入れ、赤くなるまで熱する。今回は簡単にするからナイフを造る」
炉の中に金箸を使って鉄を入れる
「鉄を入れたら鞴で風を送り、温度を上げる」
暫くして、炉に入れた鉄が赤くなりだした
「赤くなるまで…とは言ったが、赤くなってすぐ取り出すのではなく、白っぽくなるまで熱する」
更に待っていると、赤色だったのが白…と言うか黄色に近い色になってきた
「このくらいまで熱したら取り出し、金床の上に置いて金槌で叩き、自分の想像に重なるように叩き。一度では無理だから、材料が冷める前…赤い内に炉に戻し、加熱、叩き出しを繰り返す」
厚さ一・五センチ、幅五センチ、長さ三十センチの長方形だった鉄の板が、徐々に片刃のナイフの形に変わっていく
「想像通りに叩き出したらもう一度加熱し、一気に水に浸ける」
工房内にある水桶ーー深さ六十センチ、幅一メートル、長さ二メートル程の長方形の型の桶ーーに真っ赤になったナイフ状の鉄を入れる
「粗方熱がとれたら…と言ってもまだ大分熱いが、粗仕上げをし形を整え、柄を付ける場所も整える」
ナイフの刃にあたる部分を粗く仕上げて、柄を付ける部分を仕上げて穴を数個開ける
「全体的に粗く仕上げたら、細かい目の研ぎ石で仕上げていく」
一度研ぐ毎に、尖った鉄片の様だったのが、ナイフとして確かな存在感を出し始めた
「仕上げ終わったら後は柄を付け、鞘を造れば完成だ」
柄は木材を加工した物で、柄を固定する部品に鉄が使われている。鞘にも同じ木材が使われ、固定する部品に同じく鉄が使われている
「これで完成だ」
キースさんから完成したナイフを受け取る
受け取ったナイフをスキルで確認する
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
name:ナイフ
made:〈キース〉
material:〈鉄〉
|weapon type:〈短剣〉
rank:【E】
rarity :【普及】
status
Atk:8
Def:12
Stam:100
skill
memo:何処にでも有るごく普通の鉄製のナイフ。
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
普通のナイフだな
「見て分かる通り、普通のナイフだ。簡単に造る方法が今の造り方だ、人にも依るが大体簡単な造り方は一緒だ」
まぁ簡単に造ろうとすれば大体同じにはなるよな
「それじゃあ次はクドー君が…と言いたい所だが…、先にお昼にしよう」
キースさんに言われて時間を確認すると、[12:23]と…昼になっていた
「クドー君、お昼は家で食べてくかい…?」
「いいんですか?」
「妻も喜ぶと思うよ、どうする…?」
「……それではお言葉に甘えさせていただきます」
「ははっ…そんな畏まらなくていいよ」
そうしてキースさん夫婦と昼食を食べた
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[13:30]
キースさん夫婦と昼食を食べた後、少し時間を貰い現実世界でも昼食を食べてきた
「あぁ、戻ってきたね」
工房に行くと、キースさんが粗方準備をしてくれていた
「はい、お待たせしてすいません」
「いいさ、適度な休憩は大事だよ」
「ありがとうございます」
「うん、じゃあ始めようか。僕は見てるだけで口出ししないから、君の好きなように打つといい。さっき僕がやった方法は、飽くまで簡単な造り方だからね。自分のできると思う方法でやればいいよ」
どうやら好きな様に打って良いようだ
「勿論ちゃんとした物を造らないと、【鍛冶】は覚えられないからね」
…そうですね、基本は大事ですね
「スゥー…、ハァー…、スゥー…、フゥー…スゥ…では…、やります」
スキルを発動し、やる気十分で鍛冶に取り掛かる
先ず炉の中に鉄を入れる
しばらく待って鉄が赤くなる
まだ駄目だ、もう少し…
更に少し待って観察する
炉の中の鉄が徐々に黄色に近い色になっていく…
ここだ!と思い素早く鉄を取り出し、金床に置き金槌で叩く
勿論、想像をしっかり持ち、想像通りになるまで加熱と叩くを繰り返す
想像通りに叩き出し、もう一度炉の中に入れて加熱する
十分熱が通ったと思ったら取り出し、素早く水に浸ける
ある程度熱が取れたら軽く仕上げ、柄を付ける部分に幾つか穴を開ける
本仕上げして、柄を付ける
柄に目印としてデフォルメした人形の絵柄を彫る
最後に全体を確認して完成
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
name:両刃のナイフ
made:〈クドー〉
material:〈鉄〉
|weapon type:〈短剣〉
rank:【C】
rarity :【普及】
status
Atk:10⇒10
Def:11⇒12
Stam:100⇒130
skill
memo:両刃のナイフ。柄には製作者が目印として人形の絵柄を彫った。
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
ポーン
ピコピコピコピコピコピコーン!
『称号≪銘柄保持者≫を得た』
『称号≪測り見る者≫を得た』
『アビリティ≪熱耐性≫を得た』
『アビリティ≪火耐性≫を得た』
『スキル、【見る・初】は【見る・次】に変化した』
『スキル、【鍛冶】を覚えた』
おっし!【鍛冶】を覚えれたな、後はスルーだ
「キースさん、【鍛冶】を覚えれました」
「みたいだね、おめでとう」
「ありがとうございます。キースさんのおかげです」
「いや、クドー君が真剣に覚えようとした結果だよ。間違いなく君の努力の結晶さ」
キースさんはどこか満足そうに見える、……無表情だけど…
「クドー君、もしよかったら…そのナイフ僕に譲ってくれないか?」
……?
「いいですけど…、見て分かる通り、普通のナイフですよ?」
「うんまぁ…、今まで鍛冶では人に教えることはなかったからね。鍛冶での教え子はクドー君が初めてなんだ、だから記念に欲しくてね」
なるほど……
「キースさんにはお世話になりましたし、このナイフで良ければお譲りしますよ」
「ありがとう。大事にさせてもらうよ」
キースさんに造ったナイフを渡す
「はい、俺もいつかキースさんが自慢出来る様に頑張りますよ」
「はははっ、その時を楽しみにしてるよ!」
この後、キースさんにご飯に誘われ、キースさんの家でご飯を食べることになった。
キースさんの奥さんの手料理を食べつつ、世間話をしながら楽しく過ごした
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~7月9日~
[7:22]
朝早く起き、朝食を食べ、準備をしてログインする
昨日あれからキースさんの家に泊めさせてもらった
「やぁ、おかえり、それとおはよう。朝食は食べたかい?まだなら用意させるよ」
泊めさせてもらった部屋を出ると、キースさんがいてそう言った
「おはようございます、ただいま戻りました」
とりあえず挨拶する
「ウーン…、まだ言葉遣いが硬いな。もっと普通に…、ただいまだけでいいよ」
相変わらずの無表情だな
「こればっかりはそう簡単に直りませんよ…」
苦笑で答える
「ンー……仕方ないか…、それはそうと、朝食はどうする?」
「余計な手間を増やして、奥さんに悪いですよ」
「なに…大丈夫さ、妻も君のことを気に入ってるみたいだしね、喜ぶと思うよ」
まぁ確かに、昨日喋った時に大分気に入られたみたいだけど…
「それではもしお邪魔じゃないなら、お言葉に甘えて…」
「あぁ、じゃあ行こうか」
こうしてキースさんの誘いで朝食を食べていくことになった
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[8:26]
厳密に朝何時に行くかは決めてないけど、自分としてはもう少し早く来るつもりだっただけに、ちょっと気まずい…
まぁだからってグズグズしてても仕方がないしな…、覚悟を決めて宿屋の中に入る
「すいませーん…、クドーですけど……」
宿に泊まっている人に不快にならない程度の、少し大きめの声で来訪を告げると、宿の奥から元気そうな足音が聞こえてきた
「……あっ、お兄ちゃん!おはよう!」
奥から走ってきたキアラちゃんは、俺を見ると元気に笑顔を見せてくれた
「うん、おはよう。ごめんね、もうちょっと早く来るつもりだったんだけど…」
とりあえず気持ちとして遅れたことを謝る
「ううん、大丈夫だよ……あのね…、私も…今日のことたのしみで、…昨日のよる…あんまり寝られなかったの、それで……その…今日少し…ねぼうしちゃったの……」
……キアラちゃん、俺に気を使って……ええ子や…
「キアラちゃん、朝食は食べたかい?」
「うん!もういつでも遊びにいけるよ!」
「それじゃあお母さんに、外に遊びに行くことを言っておいで」
「うん、わかった!」
そう言うと、アミラさんの元に走っていった
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キアラちゃんはお母さんに許可を貰った後自分の部屋に行き、斜め掛けの鞄と虫籠、虫取り網を持って出てきた
「キアラちゃん、北の森にはどんな虫がいるんだい?」
東区側から北区の門まで大通りを通って歩いて行く。ついでに途中の店で虫取り網(値段は30S)と虫籠(値段は50S)を買った
「ん~と…、いっぱいいるけど……ちょうちょやかぶと虫さん、あと…木のミツに色んな虫さんがあつまるの!」
顎に人差し指を当てながら考える仕草は、見ていて微笑ましい
「えっとね…、それでね、虫さんの中にはクスリになる虫さんもいるから、捕まえてクスリ屋さんに持ってくと、おこづかいがもらえるの」
……微笑ましい仕草で考えてたことは、結構逞しかった
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~北の森・手前~
北門を通り、徒歩三十分程で北の森に着いた
「さて…北の森に着いたけど、どんな虫を探すの?」
ここに来る間に簡単に虫について説明して貰った
「ん~と、しろいちょうちょとみどり色のちょうちょ」
虫の正式な名前は分からないみたいだけど、特徴なんかは教えてくれた
「緑色の蝶は確か…薬草の花の蜜を吸って、それで鱗粉に傷薬としての効果があって。白い蝶は…毒を消す薬草の花の蜜を吸って、鱗粉に同じ様に解毒、消毒薬としての効果があるんだっけ…」
聞いたことを思いだし確認する
「うん!だから花の咲いたやく草を探して回るの」
「了解、…そういえば薬草の名前って分かる?」
「え~っと…、キズを治す方はハレッシュっていう名前で、そんで…どくを治す方はポリッシュっていう名前なの」
「ハレッシュにポリッシュね。ん…覚えたよ、教えてくれてありがとね」
「どういたしまして!」
「よしっ、じゃあ行こうか!」
「しゅっぱ~つ!」
「お~!」
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[10:13]
森に入ってから三十分くらい経ったか…、なかなか花の咲いた薬草や毒消し草が見つからない
「見つからないねー…」
キアラちゃんも少し元気が無くなってる
「そうだね、花の咲いてない薬草や虫はとれたのにね」
普通の薬草なんかは簡単に見つかったけど、花の咲いた薬草が見つからない
因みに、ここまでの収穫はこんな感じ
〔ハレッシュの薬草〕×6
〔ホリッシュの毒草〕×5
〔ミイズの麻痺草〕×3
〔ロラの実〕×12
〔ルベリの実〕×8
〔ロックスの実〕×6
〔パラリワームの体液×4
〔グラスビートルの甲殻〕×3
〔???の蛹〕×2
森に入ってからまだ一回も魔物に遭遇してないから、全部採取するか、虫取り網で捕るかしたモノのだけだ
キアラちゃんは蝶を捕まえる為、他の虫は捕らないみたいだ
俺は一応何かの素材に成ればと思い、捕れた虫を籠に入れてったが、結構リアルなこのゲームの事を思い、籠には本命の蝶を入れることにし、他の虫は亜空間収納箱ーーこの世界【ティアブルーム】では、俺達の様な外の世界からの冒険者か、もしくはこの世界に有るギルドに冒険者として登録して教会又は神殿に行き、神様に神官を通して亜空間収納箱の使用許可(祝福や加護とも言う)を貰う。この世界の発展の為、又は犯罪に悪用されない為に、無制限に祝福や加護を与えない様にしているらしい。ーーに放り込んだ
生きていた筈の虫は、アイテムボックスに入れたら何故か素材アイテムになっていた
どうやら虫取り網や虫籠はちゃんと意味が有ったらしい。勿論、金は払ったんだから意味が有ってくれなきゃ困るけど
「う~ん…、もうちょっとおくの方さがしてみよ」
「…そうだね、もう少し奥に行ってみようか。でも奥に行くなら俺の隣に居てね、魔物やなんかがいるといけないからね」
「はーい、わかりました」
「んじゃ、しゅっぱーつ」
「お~!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[10:44]
「ん~~……あっ!あったよお兄ちゃん!」
キアラちゃんの指を指す方を見ると、確かに見覚えのある草(薬草)に花が咲いているのが見える
「おー本当だ、キアラちゃんやるなー!」
頭を撫でる
「えへへ」
頭を撫でながら褒めると、擽ったそうに笑った
「ところでキアラちゃん、お目当ての薬草(花付き)を見つけたのは良いけど、この後はどうするの、周りに蝶がいないか探す?」
薬草(花付き)に近づき、辺りを見回しながら聞く
「ん~ん、えっとね…近くの木や草むらにかくれて、ちょうちょが来るのをまつの」
「へ~…でも来るか分からないし、探した方が良いんじゃない?」
他の花が咲いてる薬草が無い訳じゃないだろうし
「え~とね、みどり色のちょうちょはね、三つか四つのやくそうを、三匹くらいでまわりながら飛んでるの。だからかくれてまってるの」
「でも蝶々がこの薬草に来るかは分からないでしょ?」
「お兄ちゃんは知らないことがおおいね」
「面目無い、良かったら教えて下さい」
おどけた調子で真面目な顔で頭を下げる
「あはははは!ん…!せんせいがおしえてあげます!」
楽しそうに笑った後に、腰に手を当てて、偉そうに見える様に胸を張るキアラちゃん
「先生、よろしくお願いします」
もう一度少し頭を下げる
「はい!せんせいにまかせなさい!」
胸を張ったまま大きく頷くキアラちゃん
「では先生、さっきの質問の答えを教えて下さい」
とりあえず暫くこのままで行こう
「いいでしょう。えっと…花の咲いたやくそうの近くには、ほかのやくそうにも花が咲いていることがおおいんです。だから少しまってれば、ちょうちょがいたら飛んできます」
真面目な口調で説明するキアラちゃん
「先生、どのくらい待つものなんですか?」
挙手をしてキアラ先生に聞く
「え~…、二十分くらいかな」
「結構待ちますね」
「がまんです!」
そう言うと、近くの草木が密集している場所に行き、隠れながら薬草(花付き)を監視する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[11:08]
草木に隠れてから二十分経つか経たないかといった頃に、薬草(花付き)の周りに緑色をした蝶が四匹飛んできた
「お!来たな」
「まってください、まだうごいちゃダメです。ちょうちょが花にぜんぶ止まるまでまってください」
おっと危ない、折角ここまで待ったのに、気持ちが早ってミスするとこだった
「ああ…ゴメン、ちょっと嬉しくってね」
「虫さんをつかまえて、虫かごに入れるまでが虫取りなの」
キアラ先生にありがたいお言葉をいただき、集中し直す
暫く待つと、薬草(花付き)の周りを飛んでいた蝶が薬草の花にとまりだした
一匹
…二匹
……三匹
………四匹…
「お兄ちゃん…そーっと、ゆっくり近づくの。早く動くとちょうちょが飛んでっちゃうの、つかまえる時だけ早く動くの」
「了解。そーっと…ゆっくりね…」
周りの草木を音をたてない様に移動する。念の為に【見る・次】と【集中】を使う
目標(蝶)まで五メートル…
「……」
四メートル…
「………」
三メートル…
「…………」
二メートル…
「……………」
一メート……
「………っ!はっ…!」
ヒュゥッ!
羽根を閉じ、花の蜜を吸っていた蝶が、俺が一メートルまで近づいた瞬間、閉じていた羽根を大きく広げたのを見て、虫取り網を蝶目掛けて振り降ろした
「……ふぅ~…、危なかった~…」
「やったねお兄ちゃん!」
網で蝶を捕まえたのを見てキアラちゃんが草木の向こうから出てきた
「ちょうちょがにげない内にかごに入れないと」
「そうだな」
網の下から手を入れ、一匹ずつ虫籠に入れていく
「よし!」
一匹も逃がすことなく籠に入れれたぞ
「おめでとお兄ちゃん、これでそのちょうちょはぜんぶお兄ちゃんのだよ」
「え…?いやそんな…、キアラちゃんと一緒に捕まえたんだし…、半分の二匹はキアラちゃんのだよ」
今回は俺が虫取りに慣れる為に捕まえたのであって、俺一人が見つけて捕った訳じゃない。道中の虫達は動きが鈍いのばかりだったから無造作に捕まえれたし
「ん~ん、虫さんはつかまえた人のモノなの。だからそれはお兄ちゃんのだよ」
…ぬぅ、それはあれか、ドロップアイテムはドロップした人の物的なやつか…
「……いいの?」
もう一度確認してする
「ん!いいの!」
元気な笑顔で返事をするキアラちゃん
「そっか…、分かった。じゃあキアラちゃんの分も頑張って探さないとね」
「ん!いっぱいさがして、いっぱいとるの!」
「よーし!目指せ一人十匹!」
「とってとってとりまくるの!」
「「お~!」」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[16:23]
あれから近くでキアラちゃんが六匹捕まえ、少し移動した所で俺が四匹捕まえ、キアラちゃんとお互いに交互に捕まえていき、今現在籠の中にはキアラちゃんが十八匹、俺が十九匹だ。
キアラちゃんに聞いたところ、半日森に入って、十匹見つかればまぁまぁの成果らしい。
つまり二人で三十七匹の今回は大成功ということだ
「キアラちゃん、もうそろそろ街に戻ろうか、これだけ捕れれば良いでしょ?」
「そうだね、帰ろっか、お兄ちゃん」
「んじゃ帰りますか」
結構森の中に入ってるし、何か有る前に帰るに限る
「それじゃあお家に向かってしゅっぱーつ!」
「お~!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[18:14]
北の森から魔物に遭遇することなく無事街に戻ることが出来た
帰る道中は念の為にカルラを出しておいた
その御蔭かは分からないが、森から帰る道中遠巻きに此方を窺っている気配は有るものの、此方にちょっかいを掛けてくるモノはいなかった
「キアラちゃんはこの後直ぐにお家に帰るのかい?」
北門を通り街を歩きつつこの後の予定を聞く
「この後はね、クスリ屋さんにちょうちょをもってってお金にしてもらうの」
どうやらキアラちゃんはこの後、換金しに行くようだ
「そっか…ねぇキアラちゃん、一緒に行って良いかい?」
キアラちゃんと目を合わせる
「うん、良いよ!」
相変わらず笑顔が眩しいぜ
「ありがとう。俺はその薬屋さんが何処に在るか分からないから、キアラちゃんが連れてってくれるかい?」
「分かった!こっちだよ!」
手をとって走り出すキアラちゃん
まだまだ元気一杯の様だ
若いな
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[18:46]
「お兄ちゃん着いたよ!ここがいつも来てるクスリ屋さんだよ!」
はぁっ……、はぁっ……、はぁっ…!キアラちゃん……マジ若いな…、はぁっ…、俺っ…、運動不足…かな…?…いやいや、ここゲームだし…、あれかっ…、スタミナ的な…、何かかっ……、空腹…システムらしきモノもっ…、あるしな……
「…?お兄ちゃん大丈夫?」
「あ…あぁ、大丈夫だよ…。久し振りに一杯走ったから、ちょっと疲れただけだから…」
……ふぅ…、呼吸が落ち着いてきた。しかし…、ゲームでここまでリアルにする必要が有るのか?回復は早い様だけど…
「うん、もう大丈夫。心配してくれてありがとう」
「ホントに?」
「本当に」
とりあえず感謝を込めて頭を撫でる
「ん~…!」
頭を摺り寄せる様にするキアラちゃん
何か子犬を撫でている様な……、いいなこれ…
「とりあえず薬屋さんの中に入ろうか?店の前に立ってると邪魔になるといけないし…」
なんとなく名残惜しいが我慢だ
「ん~…、うん、そうだね…」
キアラちゃんがどこか残念そうなのは気のせいだ、気のせい
「んじゃ失礼して…、すいませーん…」
薬屋の扉を開けて中に入る
店の中に入る時に見て気付いた
店の扉に書かれた名前が
☆アナタの心と体に活気のある生活を誓う☆
〔大人の薬屋・SM〕
おい!?
頭の中に書きたいモノが在るのに文章に出てこないφ(..)・・・
毎日投稿の方や、毎週投稿の方は凄いですね。
この小説をお読み戴いてる方達には感謝感謝です。
お読み戴き有り難う御座います。