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プロローグ3

長きに渡るプロローグ


修正しました。

 作業台の近くに置いてある椅子に座り、リアの淹れたお茶を飲みつつ、対面に座ったリノアによる人形師の説明が始まる


 「それじゃあクドー、人形師について簡単に説明してやる、まず第一に人形師は弱い。コレは理解しろ、第二に器用貧乏、コレは後で説明してやる。第三に大器晩成型、長い間底辺を進む根気と覚悟が要る。それらを踏まえた上で才能が要る。人形を操る才能と、人形を、物を造る才能、そして最後に…金儲けの才能。これら全てを持ち合わせて初めて、人形師としてまともに行動することができる」


 前提条件がやたらと多い上に才能が無きゃ駄目とか…、人形師厳しすぎじゃね?


 「あー、質問いいか?」


 「ん、何だ?」


  「それ全部条件満たしてないと駄目なのか?」


 「別に幾つかは足りなくても良いが…、人形師としては二流三流だぞ?」


 「マジで厳しいな…、あぁ話続けてくれ」


 「いばらの道ではあるな。まず一つ…人形師は戦闘職なのに戦闘系スキルの技をほとんど覚えない、態々(わざわざ)戦闘系スキルを別に取らないといけない。言い方に少し語弊があるが、例えば戦士の職業を持った奴は【片手剣】のスキルを持っていれば最初の時点で〈スラッシュ〉と〈ガード〉の二種類の技が使える。コレは戦士とゆう職業が剣や槍、斧や鎚、拳や弓で戦う職だからだ、まぁ後半のは別だが。故に適応するスキルを持てば、最初の時点でスキルの技を使える事になる。だが人形師は戦闘職ではあるが生産職の色が強い為に、最初にどんな戦闘系スキルを取ってもスキルレベルを上げない限り、戦闘系スキルの技を使う事ができない。適性の無い戦闘系スキルで技が使える様に為るには、最初の技でスキルレベルを5ずつ上げていかないといけない。コレは戦闘をする上で大きなハンデだ、技が使えるのと使えないのとでは戦闘に掛かる時間に差ができる。故に人形師は焦らず自分のペースで行動し、力を付けなければ為らない」


 あー…、確かに技を使えないのは痛いな


 「んで二つ目に器用貧乏と言ったことだが、人形師が使う人形を造るのに金が掛かる。店売りの物を買う余裕は無い、故に自分で作って、造って、創るしかない。回復薬も衣服のたぐいも装飾品も、武器防具類も全部自分でまかなわなければ為らない」


 ………え…、戦闘職なのに生産職を極めたり(コンプリート)しないといけないの?


 「そんで三つ目、周りの連中に欲張り過ぎだと笑われても、時間を無駄にしていると嘲笑されても、非効率的だと言われても、それでも尚…その道を歩み続ける覚悟が無ければ為らない!」


 …………………………………………………………………マジでか…………、いや…リノアの雰囲気…ってゆうか、気迫からして本気なんだろう……


  「さてクドー、お前にこの荒野こうや風吹(かぜふ)荒ぶ(すさ)茨の道をいつか夢見る理想郷に向かって歩き続ける覚悟が在るか?」


 …………………、ふぅー……、元々トッププレイヤーとかになる気は無かったんだ、特にこうじゃなきゃ嫌だなんて考えても無いし、それに何か造りたいなーって考えだっただけでスキル取ったし、どうせ造るなら本格的に人形師として一流を目指して頑張るのもありか


 「…これでもマイペースなのは得意なんですよ。本当はあんまりやること決まって無かったんですが、人形師を選んだのも何かの縁です。こうなったらとことんやってやりますよ」


 覚悟を決めてリノアの眼を見ながら言う


 「本当に良いんだな?」


 「はい」


 眼は逸らさない


 「………、よしわかった。やる気と覚悟が在るなら後はこの茨の道を進むだけだ、基礎と基本的な事は教えてやる。それから後は自力で頑張れ、お前の道だお前が決めて進まなければ為らない」


 「はい」


 「……ふっ、んじゃ早速人形造りから始めるか!」


 「よろしくお願いします」


 「はははっ、だから堅苦しいのは無しで良いって言ってんだろ!そのやる気は全部人形造りにまわしな!」


 「ああわかった」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 「材料はこっちで用意してある。因みにこの材料費は大神殿から出てるからお前は気にしなくていいぞ」


 作業台の上には大、中、小の大きさと長さに切られた木材?×4種、粉の入った袋?各種、キレイな硝子玉?小×2大×1、何かの動物の長毛?、何かの皮?にそして作業に必要な道具類が乗っている


 「そんじゃまず、4種類ある木材の中から好きなやつをを選べ」


 ……見た目殆ど同じ木材が4種類


 「すまん…、見た目殆ど同じ何だがナニか違うのか?」


 さっぱり分からん


 「んぁ…?あぁ【鑑定】のスキル取ってねーのな、そういえばクドーはスキル何取ったんだ?、此方来た時五つ取っただろ」


 「あ~…と、確か【採取】【採掘】【細工】【錬金術】【見る】…だな」


 「一応人形師は戦闘職なのに、何でスキルが生産寄り何だ?悪いとは言わんが戦闘系スキルを1個も

取ってないとは、それにまさか…【見る】を取るとは…」


 何か呆れられてる?


 「まあスキルの事は後にして、木材の説明するぞ。左からノールの木、色々な物に使われる癖の無い汎用性の高い木だ、木材の基準は大体この木を+-0の目安に評価される、魔力の通りは普通。次がリントの木、柔軟性の高い木だが硬度が少々低い為柔らかく扱いがやや難しい、魔力の通りが少し良い。次がコールの木、硬度が高く逆に柔軟性が無い木で堅く、家の柱何なんかに多用される、それと魔力の通りが悪い。最後にスピルの木、硬度も柔軟性も普通だが魔力の通りが良い木で消耗が少し早い、魔術や魔法の道具などを造るのに用いられる。説明は以上だ、後は自分で決めろ」


 うーん…、ノールの木が普通の木材、リントの木が柔らかくて魔力の通りは少し良い、コールの木は堅く曲がらずだけど魔力の通りが悪い、スピルの木は魔力の通りは良いが消耗具合が気になる


 「ぅーん……、(人形にするには何れが良いか…)」


 「まぁどんだけ見ても変わらんが、よく見て考えて決めるこった」


 はっはっはっ、と笑って後ろでお茶を飲むリノア


 「ん…?そういえば…(【見る】の効果ってどうなんだ?)駄目元で試すか」


 頭の中でスキルを使うよう念じる


 「おっ…!……ん~……ん?ん~…(じ~~~っ…)」


 【見る】




 〔ノールの木材〕 [普通]


 〔リントの木材〕 [やや悪い]


 〔コールの木材〕 [なかなか良い]


 〔スピルの木材〕 [普通]




 ん~…、これってあれか……、木材の簡単な状態みたいなもんか…、もしスキルを信じるなら………、…えぇい!考えても分からん!


 「決めた。コールの木材を使う」


 「そうか、そんじゃ次はいよいよ人形の製作に入るぞ、まずコールの木材は何個ある?」


 「えぇと…10個ある」


 「よし、ん~じゃあその頭よりちょっと大きい木材を持って…あぁそれだ、人形創造ドール・クリエイトって言ってみな」


 「……人形創造ドール・クリエイト


 ≪人形製作方法≫


 ・マニュアル [全ての行程を手作業で行う、製作工程の順番は評価の対象にならない。完成時の総合評価で製作した物の性能が変わる]


 ・オート [材料が揃っていれば自動的に製作される代わりに、評価が材料の因って一定の評価になり、性能は一定の基準になる。極稀ごくまれに失敗する]


 ・カスタマイズ [自分で製作した人形又は入手した人形を、改良・改造する。カスタマイズは全て手作業マニュアルで行う。評価はカスタマイズ完了時に再評価される]


 目の前に半透明な表示枠ウィンドウが出てきた、製作方法を選べるようだ


 「製作方法が出てきただろ、お前の人形だお前が決めろ。因みに手作業と自動の違いは評価だけじゃなく、手作業は自由に造れ、自動は型のある量産品で、製作完了時の経験値も変わるからな」


 手作業は評価に応じて上下し、自動は全て一定になってるらしい


 「それじゃあ手作業でいこうと思う」


 「なら手作業マニュアルを選びな、そしたら手に持ってる材料に合った製作部位が幾つか見えるから。部位を選択したら簡単な手順が見えるから、その手順と同じ様に造れば良い。それと全ての行程を同じにしなきゃイケない訳じゃないからな、飽くまで見本的基本としての手順だから、お前の造りたい様に造れば良い」


 「あぁ、わかった」


 マニュアル


 1、部位パーツ部分毎ごと想像イメージした輪郭を少し大きめに取る


 2、部位毎に想像イメージした輪郭と合わせて、削り出して一度仕上げる。


 3、全ての部位を削り出し、人形の下地が出来たら仮組をし、全体のバランスを見て気になる箇所を修正する


 4、仮組を外し、再度部位毎に必要な加工を加えていく


 5、本組をして最後に加工、最終調整をし完成


 6、製作が完了したら、創造完了オーダー・エンドの言葉で人形創造ドール・クリエイトは終了する

 マニュアルは大体こんな感じの流れで製作するらしい、リノアも俺のやり方で造れば良いって言ってたし、飽くまで参考にするくらいでいいな


 「クドー、アドバイスその1…想像イメージはしっかり鮮明に、迷うと製作に響くぞ」


 「あぁ」


 想像イメージ…想像………イメージ…………………………


 製作部位を頭部を選択して想像に集中し、想像が固まったところで木材に輪郭が浮かび上がってきた


 道具を持ち輪郭を少し大きめに取る様に削り出していく。コールの木材は堅く、彫刻刀をしっかり持って集中して慎重に削る。この時【見る】と【細工】のスキルを一緒に使う、スキルのレベル上げと少しでも製作成功率を上げる為に


 削り出したコールの木材は、何処と無く人の頭部に見えるところまで削れ、ここから更に慎重に想像した輪郭に合わせて削り出していく



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 「………………ふーーっ……、一先ず(ひとま)こんなところか…」


 全ての部位パーツ想像イメージ通りに削り出し、表面を軽く仕上げて一息吐く()


 「あ゛ぁぁぁ~………、体が固まった…目がシパシパする……!」


 ん~~っ……!と伸びをしているとリノアが声を掛けてきた


 「おい、クドー…この丸いたまは何だ?幾つも造って大きさも色々在るが」


 そう言って、頭部・胸部・腹部・臀部・腕部・脚部等、その他の人形の部位だと分かる物以外で、丸い球は何に使うか分からないらしい


 「あぁ、それは関節に使うんだよ」


 「ん~?どうやってこの丸い球どうやって固定するんだ?」


 「ん~~…、俺も実は良くは分からんのだが、こうゆう球体関節人形ってのが在るらしいんだ。だからそれを真似て造ろうかと思ってな」


 「良く分からんのに造ろうとしてんのか…、まぁ失敗も良い経験に為るだろ」


 「ああ…、あっ!そうだ…リノア何か頑丈な紐ってゆうか糸みたいなもの無いか?できるだけ長いのが良いんだが…」


 「糸…ねぇ……、ん~…あぁ在るぞ、確か……ここら辺に………おっ…、在った在った…ほれこれ、アイアンスパイダーの糸だ。糸なのに鉄並みに硬い上に糸本来の柔軟性を全く損なってない糸だ。大体10メード(メートル)ぐらい有る、これで良いか?」


 「全然問題ないが…、何か高そうだがそっちこそ大丈夫なのか?」


 「勿論タダとは言わん、1000(シム)で良いぞ。本来は3000Sもするんだが条件付きで1000Sにしてやる」


 シムはこの世界の通貨の呼び名だ。詳しいことはまた今度で


 「条件ですか?」


 「ああ…」


 ニヤッ…と、悪戯イタズラを思い付いた子供の様な笑顔をするリノア


 「なに…、そう難しいことじゃない、今造っている人形の評価でランク【C】以上取ること…、それが条件だ」


 「……わかった、それで良い」


 「ほらよ…、因みに駄目だったら3000S払ってもらうぞ、払えん分は貸しで身体(働いて)で払って貰うからな♪」


 評価でランク【C】以上か、そう難しくないって言ったが初めての俺にはかなりの無茶振りだろう


 「さて…、続きをやるか」


 今は評価のことは置いといて作業に集中だ


 「関節になる球体に稼働域をつけて…と…」


 最初と同じ様に【細工】のスキルを使い、しっかり思い描いた想像イメージに【見る】のスキル併用し、集中して慎重に削っていく



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 「………………………、……よし…っと…」


 は~っ…、何とか全部の部位に必要な加工が出来た。まぁ暫くの間は難しい製作関係はやらん、嘗て無い程の脳味噌の全力フル稼働で物凄い疲れた


 関節部の溝切りから糸を通す為のあなを各部位に開け糸を調節する仕組みを作る、その作業をスキルを使い集中を切らずに延々と繰り返し…、漸く仮組が出来る様になった


 「ふ~…、少し休憩、…しかしこんなに集中したの何時いつぶりだ?」


 気に入った電子漫画を休みの日にイッキ読みした以来か?


 「クドー様、宜しかったらお茶をどうぞ」


 そう言ってお茶を差し出してくるリア


 「あぁ、ありがとうございます」


 お茶を受け取りそのお茶を飲んで一息吐く


 「クドー様、私にその様な敬語は無用です。御主人様マスターに話しているのと同じ様に御願いします」


 「了解、わかったよ」


 「有り難う御座います」


 そう言って一礼してリノアの傍に戻っていった


 「………よしっ!後は一気に最後までやるか!」


 お茶のカップを邪魔になら無い場所に置いて作業を再開する



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 「…お……おぉ………、終わったあぁぁぁぁ~~~~…………っ!ようやっと終わったぞ!」


 長かった、アレからが思った以上に長かった。仮組するのに糸を通して、全体を想像イメージ通りか【見る】を使って確認して、おかしな箇所があれば修正するを繰り返し、それが終わったら仮組を外して部位パーツの表面処理をして、各種粉の入った袋から器に粉を出し混ぜ合わせる、この粉がまたいっぱい在ってしかも全部効果が違うと来たもんだ、表面が硬くなる、魔力の通りが良くなる、炎熱耐性がある、寒冷耐性がある、絶縁効果がある、耐水性がある、腐食耐性がある等様々な粉が在り、更にこの粉を自分で混ぜ合わせなきゃならない


 この粉を合成するのが大変だった、効果を出すには少なくても駄目、かといって多くても他の粉の効果を消すことになる。もし粉の効果の分量が解る紙が無かったら、一種類のみでいったな


 んで、粉を合成し終わったら各部位に水でいたそれを満遍なく均等に塗り、乾かしたら表面を薄く仕上げ又塗るを三回程繰り返しむらが無い様にする


 ついでにアイアンスパイダーの糸を魔力の通りが良くなる粉を溶いた水に漬ける。何もしないよりはましだろう


 それが終わったら遂に本組。慎重且つ丁寧に組み付けていき、ここでキレイな硝子玉(大、薄い赤)ーーマナストーンと呼ばれる物らしく、硝子近い物で案外安く手に入るらしい。似ているが全く別物のマナクリスタルって物も在るらしいーーを胸部の中に取り付け、何かの皮?ーーラバースライムと呼ばれる身体の黒い魔物の外皮(中身が黒いだけで皮は色の無い透明)、薄皮らしいーーを全体にコーティングする。液体に近いらしく暫くの間置いておけば勝手に馴染むそうだ


 最後にキレイな硝子玉マナストーン(小、薄い赤)二個を目の部分に入れ、何かの動物の長毛?ーーロックビッグシープと呼ばれる魔物の長毛で、比較的おとなしい性格なんで家畜化してるらしいーーを頭部に植毛していく。因みに髪の色はワインレッドで染めた、髪型は基本ショートカットのオールバックで、肩甲骨までの後ろ髪を一纏めにした


 因みに造った人形は女性タイプだ、見た目男装の麗人だな。胸は控えめにした、戦闘には邪魔そうだし


 「クドー、終わったら創造完了オーダー・エンドと言って製作完了だ」


 今まで見守っていたリノアが人形造りが終わったのを見て声を掛けてきた


 「ああ、そうだったな。創造完了オーダー・エンド


 リノアの言葉で思い出した俺は製作完了を告げる



 ピコーン!



 そんな軽快な音と共に目の前に表示枠ウィンドウが出てきた



 『アイテム名を設定してください※アイテム名がそのまま人形の名前になります』


 人形の名前な…、休憩中に考えといたぜ、人形こいつの名は…


 「カルラだ!」


 『アイテム名を〝カルラ〟に設定しました』


 人形の名前が決まると表示枠の画面が変わった



 ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


 name:カルラ

 made(製作者):〈クドー〉

 unit typeユニット・タイプ:〈女性〉

 doll typeドール・タイプ:〈マリオネット〉

 rank(ランク):【S】

 rarity ( レアリティ)【固有】(ユニーク)

 statusステータス

 Str(): ※

 Vit(守り):※

 Agi(敏捷):※

 Dex(器用):※

 Min(精神):※

 Int(賢さ):※

 Atk(攻撃力):25⇒32=30%up

 Def(防御力):40⇒52=30%up

 Stam(耐久力):300⇒750=150%up

 skillスキル

 【?】【?】【?】

 memo:人形師クドーの造り上げた最初の一体。材料にコールの木材を使っている為、防御力と耐久力が高くなっている。球体を関節に使うことに因って、動きが滑らかになった。染めたアイアンスパイダーの糸を繋ぎに使い、コールの木の特性を上手く消している。

 ※マリオネットタイプの為、一部ステータスが表示不可となっております。


 ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲



 ………………………、何か今…おかしなも…


 ポポポポポポポポポーンッ!


 「うおっ…!なん…?!」


 ピコピコピコピコピコピコピコピコピコピコーン!


 またか?!今度は何だ!


 『称号≪師弟関係≫を得た』


 『称号≪才在る者≫を得た』


 『称号≪見定める者≫を得た』


 『称号≪発明家≫を得た』


 『称号≪マエストロ≫を得た』


 『称号≪芸術家≫を得た』


 『スキル、【鑑定】を得た』


 『スキル、【魔力糸】を得た』


 『スキル、【見る】が【見る・初】に変化した』


 『スキル、【集中】を得た』


 ……は?………………え…、なに……これ…?


 「おい!どうしたクドー、口開けて間の抜けた顔して、何があったか説明しろ!」


 「はっ…?!あ…あぁ、わかった…」


 色々有り過ぎて意識が飛んでいたらしい、リノアの声で我に返ると、今あったことを説明した


 「へ~、やるじゃねえか!【S】が付くなんてよ!師匠として鼻が高いぜ!」


 我が事の様に喜んでくれるリノア、喜んでくれるのは良いが…、背中をバシバシ叩かないでほしい。ステータス差で地味に痛い、街や店の中だとダメージは受けないけど…


 「そっ、それより何でこんなに称号やスキルが増えたんだ。と言うか…、こんな早くスキルや称号が手に入るのか?」


 ゲーム開始地点でスキルと称号を大量入手とか、どんだけ何だ、ゲームとして大丈夫なのか?


 「それなら問題ねぇよ。スキルを得るには幾つか方法がある、一つ、今みたいに特定の人物に教わりに行く、二つ、自ら特定の行動をする、三つ、特定の魔物モンスターを倒す…これは一部の固有魔物ユニーク・モンスターや〝名前持ち〟等だ、四つ、特定のクエストをクリアする、五つ、特定の称号を得る。大体こんなんだ、称号もそう変わらんしな」


 「そう言われれば分からなくはないけど、人形のランク【S】とか【固有】とか、こんな始めに出るもんなのか?」


 「まぁ…そうある事じゃないな、だが無い訳じゃない。聞いた話だが…クドーが来る三ヶ月位前に〝外来者〟ーーつまりクドーの前に来た、クドーの居る世界の連中ーーが居たが、その中で数名だがランク【S】を取ったらしい。生産職だけじゃなく、そん中に戦闘職が二人程居たって話だ、詳しくは知らんが。あと【固有】は生産職で【S】を取れば使い捨ての消耗品以外は大抵の物に付くから気にすんな」


 「そうなのか…、結構簡単に出るモノなのか…」


 「簡単じゃねぇよ、【S】なんてそうそう出るもんじゃねぇ。だからそれをやったお前が凄いんだ」


 「いや…、俺はそんな凄くはない…」


 「あほ、凄いんだよ、話が進まんからそれで納得しとけ」


 少々呆れられながらそう言われた


 「…わかった」


 「それで最初の音だか、多分レベルアップの音だな。頭の中で≪ステータス≫って思い浮かべてどこでも良いから指を二回叩く様にしてみな」


 (あ~っと、ステータス…)



 ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲



 statusステータス


 name(名前):クドー sex(性別):男

 level(レベル):10

 job(主職業):人形師level5


 HP:210⇒220=5%up

 MP:330⇒346=5%up

 Str():14⇒15=5%up

 Vit(守り):10⇒10=5%up

 Agi(敏捷):15⇒16=5%up

 Dex(器用):26⇒32=25%up

 Min(精神):22⇒26=20%up

 Int(賢さ):24⇒29=20%up

 ※⇒右の数字は%分up済み (端数は五捨六入)

 skill(スキル)

 【採取】level1【採掘】level1【細工】level6【錬金術】level2【見る・初】level8【鑑定】level1【魔力糸】level1【集中】level1

 ability(能力)

 

 title(称号)

 ≪師弟関係≫≪才在る者≫≪見定める者≫≪発明家≫≪芸術家≫≪マエストロ


 ¥1500シム



 ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲



 ……何かレベルがモノッそい上がってる…


 「レベルいくつになった」


 「10に上がってる…、どうなってんだ?」


 「おっ、結構上がったな!高評価だったんだな、良かったじゃねぇか!」


 「いやおかしいだろ、人形師は戦闘職だろ?生産職と同じ様に生産したからって、経験値が同じ様に貰える筈ないだろ?」


 戦闘職は戦闘で経験値が多く入り生産では少なく入る、生産職は生産で経験値が多く入り戦闘では少なく入る。これがこのゲームのシステムの一つなんだから


 「まぁ人形師の職業は特殊な職業だからな。戦闘でも生産でも同じ様に経験値が入る。大きな欠点ばかりの職業に、これくらいの旨味が無いとやってられんさ」


 「特殊なのは分かってたんだがな…、…なあ、人形師の大きな欠点って何だ?」


 戦闘系スキルで技が使えないのは確かに痛いが、少し我慢すればレベルが上がって使える様になるし、戦闘でも生産でも同じ様に経験値が入るなら言う程でも無いと思うんだが?


 「そうだな、人形も造って人形師としての一歩を踏み出したクドーに、人形師としての基礎・基本の最終回として教えてやろう……、人形師の欠点その1、戦闘中自分と人形の二人分の行動を常に考えなければいけない、攻撃・防御・回避…スキルの使用等、一人で二つの体を動かす様な物だ。その2、人形の耐久値を回復するのに手作業で修復しなければならない。その3、魔力切れになると人形を動かせなくなる、魔力で動いてるから当然だな。その4、耐久値が0になると人形が壊れ修復不可能になり、新しい人形が必要になる。その5、人形が使えるスキルは所有者マスターの所持スキルのみ、稀に人形自体がスキルを持ってる事がある。その6、装備品は基本的に人と同じ物を装備させる、つまり金が掛かる。以上が人形師の基礎・基本の全てだ、後は自分で確かめな」


 何かとんでも設定だな…


 「クドーの前に来た連中は陰で人形師の事を、ナンバーワンの不遇職でオンリーワンの地雷職と言ってたな」


 ナンバーワン(不遇)でオンリーワン(地雷)か


 「早速後悔しそうだ……」


 「まっがんばれ、餞別に人形の衣服一式とアイアンスパイダーの糸の代金はタダでやるから」


 嬉しい申し出だかそうもいかんだろう


 「いや金は払う、有り金全部でも足らんだろうが、足しにはなるだろ…」


 「あーあー、うっせい!つべこべ言わんと受け取りゃ良いんだよ」


 「いやでも…」


 「それ以上何か言うようなら人形カルラ置いてけ!」


 「んな無茶な…」


 「分かったら受け取ってさっさとと出てけ…、リア…クドーが帰るよ。店の外まで見送りだ」


 「え…いや、ちょっと……」


 「ハイハイでたでた、次ウチの店に顔出す時は新しい人形を造ってから来な。いいね」


 いつの間にかカルラに衣服一式着せられた状態で店の扉前に連れてこられた


 「あれ?何でカルラに衣服一式装備されてんの?」


 所有者しか装備は弄れないんじゃ?


 「師匠特権だ!」


 そんなんあんの?!


 「弟子の門出だ!バーンといこうか、バーンと!」


 バーーーンッ!!


 開けた扉の外に思いっきり背中を叩かれて、バーンと放り…もとい送り出された…、背中が痛い…


次話から話が進みます。

因みに作者は未来になっても人の生活はあまり変わらないと思い、そんな世界観に成っております。

長いプロローグにお付き合いいただき有り難う御座います。

ステータス修正

誤、HP120MP150⇒正、HP210MP330

HPMPレベルアップ分上げ忘れました。

二度目

カルラの攻撃力

誤、25⇒35

正、25⇒32

ステータス

四捨五入⇒五捨六入


二度目の修正は、ご指摘があったので修正しました。

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