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ヒトメボレ〜君はどこにいるの?  作者: 秋葉隆介
第1章 君を探して
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第6話〜「好き」ということ。

 「で? リュウスケはどうなんだ?」

 聞いて来たのは意外にも藤川。興味津々な顔だ。

「お前はハルミをどう思ってんの?」

 どうって言われても、心の準備が……

「やめやめっ。この話終わりっ!」

 割って入るハルミ。

「いきなりだったからね。リュウスケだって困ってるでしょ? ごめんね」

 少し笑いながら、拝むように僕に頭を下げるハルミ。


 さみしそうな笑顔だなぁ。


 またハルミに庇ってもらったな。

 「気になる」って気持ちを僕にくれた彼女に、僕は何も「答え」をあげられなかった。

 後悔と申し訳なさで、心が苦しくなる。


 ごめん、ハルミ。


 「でさ、あの子のこと誰か知らねぇの?」

 トシクニが場を見渡す。こういう空気を変えるのが本当に上手いんだな、こいつは。

「知ってるよ。」

 と言うのはアヤ。

「あの子M中でテニスやっててさ、私もテニス部だったから知ってるんだ」

 M中だったんだ。それで?

「総体とかで一緒になるから少し話したこともあるけど、何か静かなおとなしい子だよ」

 ふんふん、それから?

「モデルみたいに綺麗な子がいるって、男子達が騒いでたみたいだけど」

 そんな情報はいらないからさ。

「女の私から見ても綺麗だもんねぇ、あの子。あんた達知らなかったの?」

「知らねぇから聞いてんの! でさ……」

 そうそう!知らないから聞いてるんだって。

「ほら、名前何つったっけ?」

 ナイスだ! トシクニ。

「名前? イケウチサヨ。確か小さい夜ってかいて『小夜』だったと思うけど」


 池内 小夜……

 

 僕の心に『彼女』の名前が刻みこまれた瞬間。

 あの日「ヒトメボレ」した女の子の名前を初めて知った。

 嬉しくって、嬉しくってさ。少し近づけたような気がして、心が温かくなる。

 これが「好き」ってことなんだよね?


 そう。僕は君が「好き」。





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