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ヒトメボレ〜君はどこにいるの?  作者: 秋葉隆介
第5章 蜜月、そして
49/54

第48話〜『記念日』ある土曜日の昼下がりに。

お待たせしました。


R15です。

年齢の満たない方はここでページを閉じましょう。

苦手な方は、ご遠慮くださいね。

 その日は朝から雨が降っていた。

 

 すべてを包み込むような優しい雨が、


 街を濡らす……




 リュウスケは、彼の家族が訝しむ程朝から落ち着きがなかった。

 それもそのはず、今日はそう、


 『約束の日』


なのだから。

 サヨと約束を交わしてから、友人達にその話をすると、彼らはとても喜んでくれて、有難迷惑な程いろいろなアドバイスをくれたので、随分不安もなくなったような気がしていた。しかし、いざ当日を迎えてみると、彼女の気持ちに上手く応えられるかどうか自信がなくて、気後れする自分を感じてしまうのだった。

 好きな女の子と触れ合うことの何がいけない、と自身を鼓舞してみたり、嫌われたらどうしよう、と落ち込んでみたり、一人百面相を繰り広げていれば、家族は不思議に思わざるを得ないだろう。


 サヨが昼食を振る舞ってくれるとのことなので、彼女が住む街の駅で正午前に会う約束をしていた。

 時計を見やればそろそろ出かける時間となり、

「行ってきます」

 と声をかけて、玄関に向かい靴を履く。

「行ってらっしゃい」

 とかかった声の声音が、いつものトーンでないことに気づき振り返れば、そこには意味深な笑顔を浮かべた母の顔があった。

 何となく不快な思いに囚われ、それ以上言葉を発すること無く、リュウスケは駅に向かった。




 サヨは待っていた。

 愛しい彼が到着するのを。

 プラットホームにただ一人で、屋根の庇からホームに落ちる雨だれを見つめながら。


 早く会いたい……! 気持ちは逸る。

 それもそのはず、今日はそう、


 『約束の日』


なのだから。


 そんなサヨの目の前に、電車が滑り込んできて止まる。顔を上げれば、ドアの窓越しに愛しい人の笑顔があった。

 ドアが開き、手を取り合う二人。電車が走り去っても見つめ合ったままの二人だったが、ふと我に返ると、今日初めての挨拶を交わす。

「おはよう、リュウスケ君」

「うん、おはよう、サヨちゃん」

 照れたように頬を染め、微笑みを交わす二人。そして、彼の左手と彼女の右手は『恋人繋ぎ』でしっかりと繋ぎ直され、彼女の自宅への道を並んで歩き始めた。




 「おいしかった!」

 それはリュウスケの正直な感想だった。意外な程と言っては失礼だが、サヨは料理が上手らしく、夏野菜のペペロンチーノはことのほか美味で、添えられたサラダとともに、味はもとより彩りまで計算し尽くされたものだったからだ。

「良かった、喜んでもらえて」

 そう言ってはにかむサヨ。

「実はちょっとがんばったの。こんなものでもリュウスケ君に喜んでもらいたかったから」

 綺麗な笑顔でそんなことを言われたものだから、リュウスケはいたたまれない気持ちになる。

 ソファーに隣り合って座る距離の近さに、ただでさえドキドキの止まらないリュウスケは、心が鷲掴みされるようなサヨの健気な一言に、思わず彼女の手を取って、熱く顔を見つめてしまう。

 灼けるようなリュウスケの視線に、サヨはドギマギしていたが、一度彼の目線を外し繋がれた手に力を込める。

 そして彼の方に向き直り心持ち顔を上げると、瞼を閉じた。

 キスを強請るサヨのその仕草に、リュウスケの心拍数がさらに上がる。だが視線はその可憐な唇に吸い寄せられる。

 そしてリュウスケの顔がサヨの顔に近づき、震える唇がそっと触れて離れた。


 サヨは目を閉じたまま、リュウスケに訊いた。

「リュウスケ君…… 私が欲しい?」

「…!」

 大胆過ぎるサヨの言葉に、リュウスケは返事が出来ない。その言葉が何を意味するのか、十分過ぎるくらい理解出来た。しかしいざとなれば躊躇いが顔を覗かせる。


 「私を抱いて? 私をリュウスケ君のモノにして。お願い……!」

 懇願するようなサヨを、リュウスケはきつく抱き締める。もう躊躇うことは何もない。

「わかった」

 そう言ってリュウスケは、サヨと視線を合わせた。その瞳に情欲の炎が揺らめくのを見たサヨは、思わず身震いをして目を伏せてしまう。

 その顔を、顎に指を当てて上を向かせると、リュウスケはサヨの唇に自分の唇を押し当てた。

 大人のキスは、サヨはまだ苦手だ。それでも激しく求めて来るリュウスケに、一生懸命に応えていると、何とも言えない快感に襲われ始めて、甘い声が漏れてくるのだった。

 激しいキスを交わし、名残惜しげに二人の唇が離れると、サヨはふわふわした感じの自分の体を励まして、立ち上がるとリュウスケの手を取った。そのまま彼の手を引き立ち上がらせると、そのまま手を引いて彼女の寝室にいざなう。

 リュウスケは黙って手を引かれたままサヨに従う。開かれたドアの先に見えるのは、綺麗に整えられた彼女のベッドだった。

 

 ベッドに並んで腰掛けた二人は、視線を合わすことが出来ずにいる。それでも自身の手をおずおずとサヨの手に重ねて行くリュウスケ。

「サヨちゃん……」

 サヨの顔を見つめる。

「抱くよ? いい?」

 ピクリと震えた彼女の小さな手を強く握り締め、ハッキリと告げた。

 コクリ、と小さく頷くサヨを確認して、リュウスケは彼女の背に手を添え、優しくベッドに横たえた。




 気がつけば、サヨの白い裸身が目の前にあった。

 どうしてそうなったのかは全く覚えていないのだが、今二人は一糸纏わぬ姿で抱き合っている。

 リュウスケは夢中になってサヨの肌に触れる。たわわな胸に指を這わせ、桜色の先端に口をつける。リュウスケが触れるたびに漏れるサヨの甘い吐息が、リュウスケの情欲の炎をさらに燃え上がらせる。


 リュウスケの愛撫は優しい、サヨはそう感じていた。性急に彼女の体を暴いていくことはしない、優しい指の動き。くすぐったがったり、体を固くしたりしたような場所は、二度と触ろうとしなかった。

 そんな彼が、時折自分の体に落としていく甘い痛み。そのあとには、彼女の白い裸身に小さな花びらが散っていく。自分のものだよ、と彼が主張してくれているようで、彼女は深い幸せを感じていた。




 そして、その瞬間ときはやってきた。

「いくよ?」

 苦労して準備を施したリュウスケがサヨに訊いた。

 サヨが頷けば、リュウスケが体を重ねてくる。

 次の瞬間、サヨの下腹部に鋭い痛みが走る。しかしその痛みはすぐに甘美なものに変わった。愛する人に身体を満たされた充足感に、サヨは酔いしれる。

 その充足感は、リュウスケも同時に感じていた。愛する人と繋がり抱き合えることが、こんなにも幸せなことだったなんて!

「やっと、一つになれたね……」

 思わず漏れたリュウスケの言葉が、サヨの幸せをさらに満たす。その思いが、涙となってサヨの頬を濡らす。


 そして二人は……


きつく抱き合ったまま、未知なる快感と幸福感に身体も心も委ねていった。


いやぁー、やっとここまできました、って感じですねwww


R15難しいっす。上手く書けたか全く自信がありませんです、ハイ。

何せ頭の中はR18全開で書き進めたものですから、ひょっとすると不適切な表現があったりするかもしれません。もしありましたら、ご指摘頂ければ幸いです。


リュウスケの母ちゃん、初登場です。

彼女には今後重要な役割をしてもらおうと、漠然と考えております。どういうシチュかはまだ全然わかりませんけれども、人生の岐路に立ったリュウスケの背中を、そっと押してくれるような役回りをしてもらおうと思ってます。


あ〜、肩の荷が下りた。

次の展開をしっかりと考えたいと思います。

また更新が遅くなるかも、ですけど……


おそるおそる更新させていただきますが、感想なんぞも頂けましたら励みになりますです。

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