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ヒトメボレ〜君はどこにいるの?  作者: 秋葉隆介
第5章 蜜月、そして
47/54

第46話〜恋人達の距離。

ごめんなさい。1ヶ月ぶりの更新です。

意味深なタイトルですが、中身は高校生のエロトークです。

 修学旅行も最終日。


 気の合う仲間同士で集まりおしゃべりに興じる生徒達。本来ならば違う班の部屋に入り込んでいるのは御法度なのだが、最終日の夜くらいは大目に見ようという空気もあって、そんな無粋なことを言う先生もいない。

 興味津々な年頃の彼らの話題は、当然の如く恋バナ。旅先のおおらかさも手伝って、普段の会話では訊けないことだって訊けちゃうのだ。

 男の子、女の子、それぞれの部屋で何が話されているのだろうか。




 ○男子部屋にて 


「やっぱ、アキラには気の毒だったなぁ」

 演技なのか素なのか、心底気の毒そうな顔でそう言うリュウスケをアキラは見やる。正直周りに見せつけられっぱなしで不愉快ではあったのだが、リュウスケや仲間達の気遣いのおかげで、それなりに楽しく過ごすことが出来たことに、彼は少なからず感謝していたのだった。

「そんなことないって。きっちり楽しめたからさ、心配いらねーよ。それよりさ……」

 と言葉を切って、アキラはあのイタズラっぽい笑みを浮かべる。

「お前らさー、仲良くし過ぎなんじゃねぇか?」

 激しく頷く藤川とトシクニ。二人の顔にもニヤニヤがはり付けられている。

「そ、そんなことないって…!」

 激しく狼狽するリュウスケ。確かに言われても仕方がないかも。ずっと隣にいたし、ずっと手を繋いで歩いてたし。昨日のことは……見られてないよね? 思わず赤面してしまう。

「お前、ホントわっかりやすーい!」

 からかうようなトシクニの声。

「でさ、」

 と言ったトシクニがニヤリと笑う。

「もうヤッちゃったワケ?」


 …!


「何を!」

 思わず大きくなった声を仲間達に見咎められ、リュウスケは慌てて周りを見回し口を噤む。

「何を、って知らないはずがないでしょう? このムッツリスケベが」

 何を言わせたいのかはわかってる。でも事実は事実としてちゃんと言っておこうとリュウスケは考えた。見栄張っても仕方がないし。


 「まだ」

 素っ気なく言うリュウスケの声に、一斉に仲間達から驚きの声が。

「「「えーっ!」」」

 そんなに驚くようなことかよ。

「アレ見せられてまだ、って言われても説得力ない」

 だから何見たってんだ。

「してないものはしてないとしか言いようがないよ」

「ホントか? 何もしてない?」

「手は繋いだ」

「それは見てりゃわかる。ホントにそれだけか?」

「キスは、した」

 三人が途端に満足そうな顔になるのがおかしかった。

「キスだけで女の子があんなに綺麗になるもんかねぇ?」

 オブラートに包んだような物言いだが、要はサヨちゃんが色っぽくなったと、藤川は思っているようだ。友人が自分の彼女をそんな風に見ていることが不快だったが、普通を装ってリュウスケは答える。

「キス以上のことは本当にしてないんだ。お前達の期待に添えなくて悪いけど」

 ウィンクを交えて茶目っ気たっぷりに言えば、不承不承ながら三人は納得したようだった。


 リュウスケは身を乗り出し問いかける。

「で、お前達はどうなの?」

 そう、それはぜひとも訊いておきたいことだった。今後の自分の行動の布石にするためにも。

「どう、ってお前……」

 トシクニが珍しく口籠っている。藤川を見れば、いかにも話したそうな視線とぶつかる。

「俺はもう付き合いが長いからなー」

 少し遠い目をした藤川だったが、

「何回もヤッたぜ、エリカとは」

 表情の割にはあられもない表現だったような。

「でもな… 何回ヤッても、女のカラダはサイコー!」

 そう言いながらも珍しく照れたような顔をしているのが可愛らしくもある。


 「トシクニは?」

 そう問えば、彼は言いにくそうな様子だ。暫く考えていたが意を決したように話し始めた。

「俺さー、この間初めてハルミを抱いたんだ。アイツの部屋でさ」

 一度は自分に思いを寄せた女の子が、他の男に抱かれるという生々しい話も、ショックが少ないのが意外だった。それよりも、トシクニがリュウスケに見せる気遣いの方が辛かった。気にするな、と目顔で促せば、ポツポツと話し始める。

「その時アイツに泣かれちゃってさ」

 黙って次の言葉を待つ。

「痛かったのかって訊いたら、そうじゃないって。大丈夫だから気にしないで、って言われて。アイツそんなとこあるから」

 それはリュウスケも良く知ることだった。自己完結しないと納得出来ないのが、ハルミの悪い癖だ。また自分の感情を後回しにしちゃったのか? ハルミ。

「まあ、アイツのカラダもココロも俺のものにするには、まだまだ時間がかかりそうだ。じっくりいかせてもらうよ」

 最後にはそう言って不敵に笑うトシクニ。その顔を見てリュウスケは確信する。


 ハルミはきっと大丈夫。


意外な程しっかりとハルミのことを見ているトシクニに、少し眩しいような思いをリュウスケは抱いた。


 微妙な空気になったのを切り裂いたのはアキラだった。

「俺の話も聞いてくれよ」

 実は毎日のようにアキラの惚気話を聞かされているリュウスケは、正直言ってうんざりなのだが、仕方なく間の手を入れる。

「はい、どーぞ」

「俺はねー、毎日がバラ色!」

 とろけ切った顔でアキラが言えば、藤川がツッコミを入れて来る。

「お前、毎日ヤッてんの?」

「それはご想像にお任せします?」

 どこぞの乙女のように顔を染めるアキラは、気持ち悪いの一言だ。

「ユウコさんさー、柔らかくって、いいニオイがして、甘くって… ホント気持ちいいんだよね」

「言ってろ!」

 呆れたリュウスケがツッコむが、アキラは惚気るのをやめない。

 対抗心を燃やした藤川とトシクニとの惚気合戦が始まってしまい、話を振るんじゃなかったと、盛大に後悔するハメになってしまうリュウスケだった。




○女子部屋にて


華やかに繰り広げられるガールズトーク。

 グルメやオシャレの話も尽きないが、やはり話題の中心は男の子のこと。

 ましてや今夜は、格好の話題を提供してくれる人が目の前にいるのだ。

「ねぇねぇ、リュウスケ君とはどうなのよ?」

 最近年上の彼氏が出来たと噂のアヤが訊いて来る。

「ど、どうって?」

 戸惑うサヨの顔を、アヤが覗き込む。

「リュウスケ君とどこまでしたの?」

 随分とあけすけなアヤの言葉に、サヨの顔が赤く染まる。

「何もしてないよ?」

 やっとのことで答えて顔を上げれば、興味津々なハルミとエリカの顔もあった。

「言っちゃいなよ。最近あなたがさらに可愛くなったって評判なんだから。きっとあれは何かあったんだって」

「キスは、したかな?」

 サヨの告白に、その場が色めき立つ。意外にやるじゃない、とか、アイツにしては頑張ったとか、勝手な論評が繰り広げられていて、サヨはこの場にいない彼が少しかわいそうになった。

「で、その先は?」

 アヤの問いに意味が分からないという顔をしたサヨだったが、その意味を理解すれば、またまた顔が火照って来る。

「それは、まだ……」

 消え入るように言葉を発したサヨに、ハルミが声をかける。

「リュウスケ君は優しいんだけど、とってもヘタレだからさ、こっちがアクション起こさないと先に進まないかもよ?」

 

 そうなのかな?


二人がちゃんとそういう気持ちになるまで待ってようとわたしは思ってるけど違うの? リュウスケ君は私を大事にするっていうのはそういうことだよね? その言葉も昨日のことも、全部信じていいんだよね? リュウスケ君。サヨの思いが言葉になって溢れ出す。

「リュウスケ君は『愛してる』って言ってくれたし、わたしのこと、欲しいって言ってくれたからきっと大丈夫だよ」

冷静に言ったつもりだったが、目の前の三人は固まっている。


 あれ? わたしってば地雷踏んだ?


そう、言葉の内容が衝撃的過ぎたのだ。サヨが天然ぶりを発揮した瞬間だった。


 その後、サヨに惚気られたと勘違いした女の子達が、我も我もとここでは紹介出来ないような色恋話を、延々と繰り広げたのは言うまでもない。


カメ足更新で、大変申し訳ありません。書く気はマンマン!なのですが……ゴニョゴニョ…


修学旅行の夜の定番、恋バナをやってみました。男子のしてた話の内容はほぼノンフィクションなのですが、高校生時代の僕らがこんなにませてたワケもなく、こういう話を初めて友達と繰り広げたのが大学2年生の時だったという、情けないエピソードも付け加えておきます。


女子部屋の方は、完全に妄想(汗)。こんな時に女の子がどんな話をしてるかなんて見当がつかないし、女の子を交えてこんな話をしたこともないヘタレのでご容赦くださいね。


この話が、二人にとって次への布石になったようです。次回辺り、R−15かなー。


うまく書けるかどうか、全く自信がありませんが。。。

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