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ヒトメボレ〜君はどこにいるの?  作者: 秋葉隆介
第5章 蜜月、そして
45/54

第44話〜楽しみだね。

前話の続きになります。

 帰り道の電車の中……


二人は寄り添うように座り、彼の左手と彼女の右手はいつものようにしっかりと繋がれている。そして柔らかな微笑みを交わし合いながら、楽しそうにお喋りをしている。

 その微笑ましい光景は、行き帰りの電車の中にすっかりとけ込んでいて、やっかみの視線などを送る者も少なくなっていた。

 二人の話題は明日からの修学旅行のことばかりのようだ。

「楽しみだねっ!」

 彼女がそう言って微笑みかければ、

「うん、本当に楽しみ」

 と、彼も笑顔を返す。あまりのラブラブっぷりに、これではあらぬ噂を立てられるのも仕方がないと、苦笑いを浮かべる学生達もいた。

 そうこうするうちに、電車は彼女の家の最寄り駅に到着し、ゆっくりとホームに滑り込んだ。

「じゃあまた明日ね、サヨちゃん」

「うん、また明日、リュウスケ君」

 挨拶を交わして名残惜しそうに見つめ合う二人。最後に彼女は、彼の手をキュッと握って席を立つ。そして大きく手を振りながら電車を降りていった。

 出発していく電車の窓の外には、少し寂しそうな笑顔を浮かべた彼女の顔。その姿をずっと見守っている彼。二人の間に少しの切なさを残して電車は走り去り、ホームには見えなくなるまで電車を見送る彼女がいた。


 その夜の二人の心情を、それぞれの角度から見てみよう。




 ○サヨside


 最近リュウスケ君と別れるのが辛いなぁ。


 今日もずっと電車を見送っちゃったし。別れるのが切なくて仕方がないよ。でも明日からは……


 ずっと一緒にいられるんだ。


修学旅行の間だけなんだけどね。班も一緒にしてもらったし、バスだって電車だってずっと隣に座っちゃうんだから。


 嬉しいな。


リュウスケ君と初めての旅行。何だかドキドキしちゃう。いっぱい思い出作らなきゃ。


 どんな思い出を作るの?


一緒のものを見て、一緒に感動したい。たくさん一緒に遊んで、たくさん笑い合いたいな。そうだ、写真もいっぱい撮らなくっちゃね。


 それだけ?


それだけ? って… ううん、わかってるの。ずっと一緒にいられるんだから。それにリュウスケ君も言ってくれたじゃない。「もっと感じたい」って。私もそう思ってるの。


 リュウスケ君、私をいっぱい感じて?

 私にもあなたを感じさせて?


ずっと手を繋いでて欲しい。腕組んで歩いちゃおうかしら。それはリュウスケ君が困っちゃうかな? 何だか私、少し大胆になってきてるかも。でも… もっと大胆になってもいいかな?


 いっぱい抱き締めて。

 いっぱいキスして。


そんな二人の思い出をいっぱい作りたいな。いいでしょ? リュウスケ君。

 あーあ、早く明日にならないかなぁ。


 逢いたいよ、リュウスケ君……




○リュウスケside


 最近理性の歯止めが利かない気がする。みんなの前で凄いこと言ったような気がするし、「サヨちゃんを感じたい」なんて、ホントそのままじゃんか。キスまでしちゃったしさ。

 何だかサヨちゃん大胆になってきたし、ますます可愛くなってきてるもんなー。どこまで我慢出来るか自信がないよ。

 まあ明日からの修学旅行では、ずっと一緒にいられるんだから、ずっと君に触れてることが出来るんだね。


 嬉しいな。


ずっと君を感じてたいし、君のぬくもりを僕の中に閉じ込めたいと思ってる。


 サヨちゃんは僕のもの


一緒に行く初めての旅行で、それを確かめたいと思ってるんだ。まあ修学旅行だし、他の人もいっぱいいるから難しいかもしれないけど。

 それに、アキラにあんなこと言っちゃったからさ、修学旅行なりの楽しみ方をしなきゃね。一緒のもの見て、一緒に笑って、一緒に感動してさ、いっぱい楽しもうね。


 ホントにそれだけ?


それだけ? って… わかってるさ。二人っきりの思い出作り、しっかりさせてもらうさ。サヨちゃんも望んでくれてるみたいだしね。


 ずっと一緒にいられるんだから。


君とずっと触れ合ってたいよ。繋いだ手を離してあげない。肩を抱いちゃうかもよ。おおっ! 俺って大胆。ちょっと前なら考えられないよ。でもね……


 強く抱き締めたい。

 いっぱいキスしたい。


そんな二人の思い出を、たくさん作れるようにがんばるからね。


 本当に、楽しみだよ。

 早く逢いたいね、サヨちゃん。


二日連続の更新です。本当にムラっ気でごめんなさい。


何だか二人とも気持ちが大胆になってきてますねー。修学旅行の高揚感があるとはいえ、もうこのまま最後まで突っ走りそうな勢いですね。電車の中でのバカップルぷりといい、書いてて楽しいです。自分に経験が少ないもので、あまり上手に表現出来てないかもしれないですが。


さあ、次回から修学旅行に出かけます。が、しかしっ!どこに行かそうか全然決めてないのですorz この辺が泥縄作家の本領発揮です(←威張るな)。

まあ僕は42都道府県を制覇(通過も含む)していますし、地理は得意なのでどこでも描写することは出来ると思いますが、あまりリアリティーのないのも僕の主義に反しますので、定番の行き先になるのではないかと思われます。多分関東方面かな。


それではまた、次回の話でお会いしましょう。

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