↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒトメボレ〜君はどこにいるの?  作者: 秋葉隆介
第4章 ふたりで
39/54

第38話〜どうしても。

R15の表現があります。

年齢に満たない方は、まわれ右をお願いします。

苦手な方は、スルーしてくださいませ。

 ワタシには、手に入れたい男がいる

 簡単には靡かないあの男

 プライドはもうズタズタだわ

 もう恋愛ごっこの茶番劇はおしまい

 『アキバリュウスケ』

 ワタシの虜にしてみせる



 ボクには、手に入れたい女がいる

 思い通りにならない初めての女

 どうしてわからないかな?

 オマエはボクの隣にいるべきなんだ

 『イケウチサヨ』

 ボクに服従するんだ




 どうしても…… !


 


 ふたつの『狂愛』が動き始める。




 リュウスケは保健室への廊下を急ぐ。「池内さんが倒れた」と聞かされ、いても立ってもいられない。得体の知れない不安を感じながら、リュウスケは廊下を全速力で駆ける。


 それと同じ頃、美月は保健室のベッドの上でほくそ笑んでいた。準備は万端、あとは騙された愚かな男が来るのを待つだけだわ。楽しみね。


 廊下を駆ける足音が近づいて来る。そして保健室の引き戸が、勢い良く開かれた。




 リュウスケは目を疑った。中には愛しい人の姿はない。替わりに、ベッドの上には別の女生徒が横座りしている。しかもあられもない姿で。

 そこにいたのは美月。セクシーな下着姿でシナをつくっている。申し訳程度に体の表面を覆う布地の面積は小さく、リュウスケは正視できずに思わず顔を背ける。


 「秋葉君……」

 そっぽを向いたまま、リュウスケは返事をしない。いや出来ないのだ。あまりに理解不能なこの状況に、頭が混乱してしまっている。

「こっち向いて、秋葉君」

「……」

「こっち向いてってば!」

 執拗な美月の言葉に、リュウスケはイライラも感じ始めるが、まずは状況の把握に努めるべきだと思い直し、顔を背けたまま美月に訊ねる。

「なぜ君がここにいるんだ?」

「あら、わたしじゃご不満?」

 見当違いな美月の答えに、リュウスケは彼女を見やると、搦めとられそうな視線とぶつかる。

「そ、そうじゃなくって!」

 明らかに慌てた様子のリュウスケに、美月は不敵な微笑みを浮かべている。

「サヨちゃん… 池内さんがここにいるはずなんだけど?」

「もう… そんなことはどうだっていいじゃない」

 苛立ちを顔に浮かべて、美月は指を弾いた……


 誰かに強く背中を押された。美月に覆いかぶさる形で、ベッドに倒れ込んだリュウスケ。思わず振り返るが、そこには誰もおらず、廊下を走り去る足音だけが聞こえる。

「もう誰もいないわよ、ワタシ達以外には」

「何だって?」

「だから、楽しみましょ? ね?」

 美月に耳元で囁かれ、思わず背中に悪寒が走る。

 さらに悪いことに、リュウスケの服装は部活仕様のTシャツ短パンという軽装で、美月の手は容易にリュウスケのシャツの中に入り込み、彼の背中を這い回る。

「やめてくれないか」

「どうして?」

「いいから、やめてくれ!」

 強い口調で言って、美月から離れようとすると、彼女はいきなりリュウスケの股間に手をやり、ニヤリと口角を上げる。

「でも、コッチは嫌がってないみたいだけど?」

 そこが固くなっているのは自覚していた。美月から離れようともがいている間に、彼女の小さな下着はすっかり肌蹴てしまい、ふくよかな胸とその頂の部分が見えてしまっている。そうでなくても、女性特有の柔らかな感触や、蠱惑的なニオイを感じ続けていれば、男の生理として仕方のないことだとはいえる。

「秋葉君、素直になって」

 美月は勝ち誇った笑顔をリュウスケに向ける。

「ワタシを好きにしていいから、ね? ワタシを抱いて?」

 そう言ってリュウスケの手を取り、自分の胸の膨らみへと導いていく。リュウスケは驚いて美月の手を振りほどく。

「だから… 君とはそんなことする気はないんだ!」


 美月はふぅ、と一息つき、呆れたような顔をしてリュウスケをみつめる。

「いいのかなぁ、そんなこと言ってさ」

 怪訝な顔をするリュウスケに、美月はとんでもないことを言い放つ。

「ここでワタシが大声出したら、どうなっちゃうのかなぁ?」

「な… !」

「きっと大変なことになっちゃうわねぇ、フフフ……」

 美月は愉快でたまらない、といった笑顔をしていたが、すぐに表情を変え睨みつけるような視線をリュウスケに向ける。

「もう逃げられないのよ、秋葉クン。」

 自信に満ちた美月の表情に、リュウスケは気圧されそうになるが、気を取り直して彼女の視線を捉え、疑問をぶつける。

「どうしてそうなるんだ?」

 それに返ってきた、またしても意外な答え。

「このことは、全てワタシの手の内なの」

「……」

「池内さんが倒れたっていうのも、あなたをおびき寄せるための嘘。ここには暫くだれも来ないように手配してあるし、ほら、二人のことはずっと録画されてるのよ」

 そう言って棚の中のビデオカメラを指し示し、美月は小さく微笑む。

「だから、もうあなたは言い逃れできないわ。全てワタシのシナリオ通りなの」

 絶句するリュウスケ。美月は嘲笑を浮かべて言い放つ。

「ワタシのモノになりなさい! 『アキバリュウスケ』」


 その顔に浮かぶのは、堕天使の微笑みか。黒いオーラが美月の背後に見えて、リュウスケは思わず後ずさった。

「そうそう、そういえば……」

 まだ何かあるのか?

「あのコも今頃は……」


 …!




 その頃サヨは……


見知らぬ部屋の、見知らぬベッドに横たわっていた……

 


暫く美月との絡みが続いています。

「狂愛の女」書いてると非常に面白くなってしまいまして、高校生にはこんな考え方が出来るだろうかと少々不安におもいながらも、美月をどんどん悪女にしてしまっております。

我ながら、とんでもない展開になってしまったなぁ、と思いますが、この絡みはもちろんメイン二人の絆を深めるきっかけになる(はず)ものとして描いております。もうしばらく、もうしばらくお付き合いくださいませ。


次回、「狂愛の男」登場です。サヨちゃん、どうなってしまうのでしょう!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。