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ヒトメボレ〜君はどこにいるの?  作者: 秋葉隆介
第3章 好きだから
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第22話〜間違った恋心。

 「間違ってる、間違ってるよ……」

 仲良く並んで校門を出て行く二組の男女を見据えながら、そう呟く男がいる。

「僕の隣にいることが正しいんだよ……」

『その男』は意味ありげに口角を上げた。

「……なぁ? 池内小夜クン?」




 ……?


リュウスケは誰かの強い視線を感じて立ち止まり、思わず周りを見渡した。

「どうしたの?」

 不思議そうにサヨが覗き込んで来る。

「気のせいかな……」

 見渡した辺りには、こちらを見ている人はいない。

「リュウスケぇ、また自意識過剰?」

 呆れた口調でアキラが声をかける。

 リュウスケが人前が苦手で人の視線に人一倍敏感なことを、アキラは百も承知なのだが、その反応が過剰だったと彼は感じたのだ。

「そんなんじゃないって。そんなんじゃないけどさ……」

 何となく『悪意』を向けられた感じがして、リュウスケは少し寒気まで覚えたのだ。

「何かちょっとイヤな感じだったからさ」


 「大丈夫だよ」

 そう言って微笑むサヨ。

「きっと気のせいだから。それとも……」

 サヨは人差し指を立てて、リュウスケの顔の前に差し出しながら言った。

「何か恨まれることでもしてるのかなっ? リュウスケ君?」

 彼女の可愛らしい仕草に、リュウスケの心は一気に和む。

「わかりましたー 自意識過剰で申し訳ないですねぇ」

 リュウスケがそう言って険しい表情を崩せば、二人はフフっと小さく声を出しながら笑い合った。

 もう見ていられない、とばかりにアキラがユウコの手を取って歩き出せば、リュウスケとサヨも微笑み合ったまま並んで歩き始めた。


 そんな微笑ましい光景に『その男』は憎悪のこもった視線を送り続けていた。その言葉を呪文のように繰り返しながら……


 「間違ってる、絶対間違ってるんだ…… !」


 その男の名前は、高島秀一。


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