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ヒトメボレ〜君はどこにいるの?  作者: 秋葉隆介
第2章 好きなのに
18/54

第17話〜繋がる。

 プルルル、プルルル……

サヨの心の中にも響き渡るコール音。

 プルルル、プルルル……

 

 お願い、電話に出て……!


想いを乗せて、サヨの携帯は『彼』の携帯を呼び続ける。

 プルルル… プツッ。

「もしもし」

 とても聞きたかった落ち着いた声。サヨの表情が輝いた。


 携帯のバイブが着信を知らせる。モニターには見知らぬ番号が表示されている。

 リュウスケは普段、知らない番号は無視をする主義なのだが、この番号にはある確信があった。

 

 『彼女』だ!


リュウスケは迷うことなく通話ボタンを押して相手に語りかける。

「もしもし」


 低く落ち着いて素敵な『彼』の声。サヨは鼓動の高まりを感じている。

「秋葉君、ですか?」

 わかり切ったことへの確認作業が、サヨの心を急かせる。

「はい、そうです」

 と答える『彼』。安堵の思いがサヨの心を満たす。

「池内さん、でしょ? 待ってた」

『彼』は思いがけない言葉をくれた。

 私だとわかってくれてた。

 私を待ってくれてた。


 嬉しい


 あまりの幸福感に言葉が出ない。

 でもちゃんと返事をしなきゃ。

 やっと想いを繋げられるところまできたんだから。


 「どうしたの?」

 無言の『彼女』にリュウスケは不安になる。

「池内さん、ですよね?」

 確認せずにはいられなかった。『彼女』の返事が聞きたかった。

 やっと想いを繋げられるところまできたんだから。


 「はい、池内です。こんにちは」

 スピーカー越しに聞こえるかわいい声。リュウスケの胸が高まる。

「電話くれてありがとう。本当は僕からしなきゃ、なんだけど、番号知らなかったから」

「いいの。気にしないで」

 お互いを確認出来てホッとしたのか、だんだん会話が弾んでくる。だた、一番「伝えたい」ことは、まだ口に出来ていない。


 伝えなきゃ。


リュウスケもサヨもそれをずっと考えている。二人の想いが繋がるために。

 リュウスケは意を決した。

「あの、池内さん……」

 サヨは期待を込めて返事を返した。

「はい」


 二人の『想い』が繋がる瞬間。


「僕はあなたに逢いたい。」

「わたしもあなたに逢いたい。」

 やっと紡がれた「逢いたい」の言葉。


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