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ヒトメボレ〜君はどこにいるの?  作者: 秋葉隆介
第1章 君を探して
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第9話〜諦め切れない。


 『彼女』には好きな人がいるんだ……

  

 今ここで突きつけられた現実に、リュウスケは大きな衝撃を受けた。

 気になる男の子。僕じゃない他の「男」。ショックのあまり、リュウスケは呆然としてしまった。


 諦めないといけないのかな。

 

 僕が「好き」でも、『彼女』の「好き」は別の方向を向いている。

 僕を「好き」になってもらえる自信はない。

 今諦めれば、傷は浅くて済むんだろう。

 今諦めれば、これ以上つらい思いをすることはないんだろう。


 でも……


 こんなに好きなのに。

 こんなに『君』が好きなのに。

 諦め切れない。


 ユウコはまだ、リュウスケを見つめている。

 なぜか落胆し、悄然としているリュウスケを見て、あることに気が付く。


 このコ、自分のことだとわかってないんだ……

 

 私は「好き」になりかけている自分の気持ちを抑えて、『彼女』の気持ちを伝えたつもり。

 キューピッドになるつもりだったの。

 でも…

 『彼』の笑顔が私に向いて欲しいっていう小さな願望が、彼を誤解させる言い方になってしまったみたい。

 もしここでちゃんと伝えなかったら……


 ユウコの心が揺れる。

 

 あなたは私に「笑顔」をくれる?

 あなたは私を見つめてくれる?

 あなたは私を「好き」になってくれる?


 何をちゃんと伝えるの?


 『私』の想い?

 『彼女』の想い?


ここで私が諦めたら、あなたの想いは『彼女』のものになってしまう。


 でも諦めなきゃ。『彼女』のためにあきらめなきゃ。


良心と願望がユウコの中でせめぎあう。


 諦め切れない。この気持ちが消せない。でも絶対後悔するから……


 「あのね、リュウスケ君……」

 ちゃんと伝えないといけない、『彼女』の想いを。


 「『彼女』はリュウスケ君が好きなんだよ?」


 諦め切れない『私』の、小さな決心。





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