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いわくつきのコンビニ『溜めて吐くの禁止』

単発であげてる、いわくつきのコンビニ『煙草客』の続編っぽいものです。

このエピソードだけでも読める……ようにしたつもりです;@@

 コンビニの夜勤バイトで働いてるんですけどね。

 時給は千百円で、夜勤は二人体制。

 けっこう忙しい店でして、終電までは準夜バイトが四、五人いたりして賑やかな職場ですよ。店長もおおらかな性格の人だし、人間関係もギスギスしてないし。

 これはいいバイト先見つけたなって、喜んでたんですけど、ちょっと気になることもあって。


 夜勤者には全員お守り渡されてるんですよ。

 なんつーか……いわくつきのコンビニでしてね。

 

 夜勤やり始めて一年ぐらい経つけど、それまで全然幽霊とか信じなかった俺もかなり、たくさん変なモノみたり、経験したりしましたよ。


 最初は怖かったですよ。

 でも、今はもう慣れちゃいましたね……。

 なんぞ実害があるわけじゃないし、なんつーか喉元過ぎれば熱さを忘れるっつーか(笑)

 基本、二人夜勤だし。相方の先輩が店長とも親しい人で、その人が怪現象に、まったく動じない人だから頼もしいですし。


 ただひとつだけ、実害が出るケースがあるっす。

 こんときは先輩達にスゲー迷惑かけちゃって今でも反省してるんですけど――。


 ある日、いつも通り夜に出勤したんです。

 まだ終電前。夜勤以外にも準夜のスタッフが忙しく接客や納品された商品の品出しに追われてる時で、俺もその仕事を手伝ってたんですけど……。


 途中から頭痛がし始めましてね。

 あれー? って思ってるうちにどんどん頭がズキズキしだして、寒気まで感じちゃったんですよ。その時、先輩や店長から、いつもことあるごとに言われていることを思い出しましてね。


「体調管理にはくれぐれも気を付けるように」


 と、言われてたんですよ。


 まあ、夜勤だし、ドタキャンで当日休んだりすると、最悪の場合店長が出張らなきゃいけないこともあるわけで、これだけなら「なるほどな」と思うだけで、気にはならないんですけど、その後に続く言葉がですね……とにかく、しつこいぐらいに、「体調が悪かったら、無理せずすぐに早退しなさい」って言うんですね。で、さらに――。


「ただし何も言わず、ただ、『すみません、早退します』とだけ言ってくれ。体調が悪いだのなんだのといった理由は言わなくていいから。うちは店内でそういう弱音吐くの禁止だからね」


 なんて言われてたんですよ。


 おかしいなぁとは思ってたけど、お守り渡されるようなお店だし、なんか理由があるんだろうとは思ってたんですけど。

 

 こっちは貧乏フリーターですからね。

 休めばそれだけ手取りが減っちゃうわけだから、そのまま頭痛と悪寒を我慢しながら仕事してたんですね。

 でも、その時は運悪く帰宅ラッシュ時のレジにはりつけられちゃって……。


 普段、夜勤者はラッシュ時のレジはあんまりやらないんですけど、その時はなぜかレジ接客をずーっとやるはめになって……。


 あれですよ。頭痛が酷い時とかに、自分のペースで出来ない仕事をするって、拷問に近いものがありますよ。マジでしんどい。

 俺、それまであんまり風邪とかひいても頭痛とかの経験無かったんで、頭痛ってのを甘く見てましたね。

 次から次へと来るお客さんをさばきながら、しまいにゃ吐き気まで催してきましてね……。

 

 それでもなんとか頑張りぬいて、準夜スタッフが退勤する時刻になった頃っす。


 俺、もう店長や先輩に忠告されてたことをすっかり忘れてて、隣のレジにいた準夜の女の子にこう話しかけたんですよ。


「いやー……○○さん。俺さっきから頭痛がヤバイわ。吐き気もするし」

「えー、夜勤なのに大丈夫ー?」


 そんな話してると、雑誌コーナーで新刊雑誌やコミックの品出ししてた先輩が、ヒョコッと顔を上げてこっちに顔向けたんですよ。


 その先輩の顔が、もうあからさまに俺を非難してるっつーか、すっげえ険しい顔でしてね。


 で、そこで「あっ」と、店長や先輩から言われてたことを思い出したんですけど……ふと気がついたらですね……頭痛が消えてるんですよ。嘘みたいに。


 悪寒もしなくて、むしろすこぶる調子がいいんですね。

 溜めに溜めてたものが、スッと消えてなくなったみたいな。


 あーよかった……って内心喜んだんですけど、その日はずっと先輩は不機嫌で口を利いてくれませんでした。



 で、次の日ですよ。

 出勤してみると、いつもはいないはずの店長がいるんですね。


 で、なんと昨日準夜のシフトに入ってた子が全員病欠してるっていうんですよ。

 しかも、先輩は高熱出して寝込んじゃって、一週間ぐらい休む見込みだって。


 店長には厳重注意を受けましたよ。


『――体調不良で、しんどい時は我慢せずに早退するようにね。特に! 絶対に弱音は吐かないように』ってね。


 そんなわけで、それ以来、店内では勤務中、絶対に弱音を吐かないように気をつけてます。

 あー、でもさすがに体調不良になっても、すぐには早退せずにこっそり粘っちゃいますね(笑)時給で働いてるもんですから。

 代わりといっちゃなんですが、頭痛薬、風邪薬、胃腸薬など、医薬品を常に用意するようになりました。


 え? 深夜に来たお客さんが体調不良とか愚痴ってたらその時はどうなるかって?


 さぁ? もしかしたら、あの頭痛とかって店員だけを襲うんじゃないですかね?

 店長も事務所に薬を用意してくれてるんですけど、すぐに無くなっちゃいますからねぇ。

あとで、改稿するかも……です。


いわくつきのコンビニの話は単体で別個にアップしています。

興味がある方は作者作品一覧からどうぞ~。

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