電車のんびり読書旅
電車で出掛けるのが好きだ。
以前は地元の私鉄で会社に通勤していた。
地方都市在住のためか、通勤ラッシュ時でもギュウギュウ詰めの満員列車とは無縁。
行きに座れる確率は五分五分くらい。
帰りは確実に座ることができた。
電車に乗っている時間は、片道20分弱。
乗っている間は、座れても座れなくても本を読む。
なんとなく、家で読むよりも集中できる気がする。
それに移動プラス読書で、時間を有効に使えている感が良い。
そんな訳で、電車での通勤は楽しかった。
でもコロナ化以降、テレワークの在宅勤務に変わった。
自宅で仕事をできるのは色々と楽。
とはいえ家にこもって本を読んでいると、「もっと有意義な時間の使い方があるのでは?」などと余計なことを考えてしまう。
だからなのか、電車に乗っているときの読書が一番楽しい。
という訳で──。
休日は電車で遠征することが結構ある。
もちろん、バッグに何冊も本を入れて。
万年積読状態で、読みたい本はいくらでもある。
ただ、重くなり過ぎないように、ハードカバーなどは1、2冊だけ選ぶ。
あとは文庫か新書サイズの本を3、4冊をピックアップ。
早起きもせず、正午前位にのんびりと家を出る。
自転車で普段の私鉄ではなく、在来線の駅へと向かう。
在来線の駅に行くと路線図を眺める。
目的地が決まればその駅の、そうでなければ一番安い切符を買う。
行先を決めかねている場合、まず上りと下りどちらにするかを選ぶ。
料時刻表を見て考える。
20分くらい待つとなると、さすがに出鼻をくじかれた感がある。
そういうときは早く来る方に乗ることにする。
それなら、大体10分以内に電車はやってくる。
さあ、電車がきた。
混んでいて座れないこともあるけれど、その間はスマホで観光名所やイベント情報などをチェック。
よし。目的地はこの駅にしよう。三十分から三時間くらいの間で行ける駅をピックアップ。
そうしているうちに二、三駅くらい進んでいて、大抵の場合は席が空く。
座ることが出来たら本格的な読書の始まりだ。
バッグの中の本を見て、どれにしようかなと選ぶ。
簡単に読めるやつを何冊か読破しようかな。
それとも長編をこの機会に読もうかな。
とりあえず一冊を選ぶ。
そして読書を楽しむ。
目的地に着くまでただただ本を読む。
気負うことはない。
別に読み切らなくても、途中で他の本に切り替えてもいい。
ときに窓から流れる景色を見て、目を休めたりもする。
電車に乗りながらの読書。
至福のひととき。
終わってしまうのが惜しいような気さえしてくる。
それでも、いつかは目的地の駅に到着する。
そうしたらしばらくは散策。
街を歩いたり。
神社を訪れたり。
美術館の展示を見たり。
都会の駅なら、駅ビルやショッピングモールを巡ったり。
お腹が空いてきたら、適当な飲食店に入ればいい。
カフェでも、定食屋でも、ラーメン屋でも。
普段は訪れない土地での食事は当たりはずれはあるけれど、それもまた一興。
腹ごしらえが済んだら、また散策。
そして、読書と並ぶ旅の醍醐味とも言うべき場所へと向かう。
それは本屋。
本屋は楽しい。
地元の店では置いていないような本があったりする。
古本屋だと、品揃えのランダム性はより高くなる。
街の片隅の古本屋や、駅から割と近い新古書店を見て回る。
昔見かけて気になっていたけれど、手に入らなかった本を購入できることもある。
するとお宝をゲットした気分になったりする。
さて。日も暮れてきた。そろそろ帰ろう。
駅に戻って電車に乗ったらまた読書。
読むのは持ってきた本でも、新しく購入した本でもいい。
それから、やっぱり時々窓の外を眺める。
行きに見た景色は夜景に変わってたりする。
この時間になるとちょっと疲れていることもある。
そんなときは仮眠を取って、頭がすっきりしたら読書を再開。
そうこうしているうちに、地元の駅に帰り着く。
ローカル線を乗り継いで自宅へ。
さてさて。
今日の旅は終わりだ。
電車に乗ってたくさん本を読んで、たくさん本を買った休日。
家にこもっているのとは違った日。
多分、有意義な一日だったと思う。
ただ──。
旅先で買った本で、積読はむしろ増えている。




