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脇役令嬢 ベリー編3


「あなたなんかが、ルドヴェール様の隣に立っていいとでも思っているの?」


ゆっくりとこちらに攻められ頬を叩かれそうになる。


ああ、面倒臭いなあ。

……叩かれたら痛いだろうな。

こんなことになるなら婚約受けない方が良かったのかも……。 


「本当、めざわりなのよ!」


痛いのを覚悟して、目を閉じた。


ーーその時。


「ねえ、何やってるの?」


美しい、でも冷たい声がした。


目を開けるとルドヴェール様が私を叩こうとしていた令嬢の手を掴んでいた。

令嬢はルドヴェール様を見て震えている。


「ル、ルドヴェール様っ。違うのです……これは……っ」

「誰が喋っていいと言った?」


ルドヴェール様は震えながら言った令嬢に冷たい視線を向ける。

そのあと、私を見て微笑み、座っている私を抱きしめた。


「ごめんね。怖い思いさせちゃったね」

「ルドヴェール様……!」


私はほっとする。

その瞬間、涙が溢れてきた。


ああ、私怖かったんだな。

ルドヴェール様が来てくれて良かった。


「……っ!こんな、こんなはずじゃなかったのに……っ!」

「なんでルドヴェール様が……っ」

「私たちは、ルドヴェール様を想って……っ!」


泣きながら令嬢がそう言う。

そんな令嬢たちに向かってルドヴェール様はまた冷たい声で言った。


「君たちの処分は……分かっているよね?」


顔は見えなかったが余程怖い顔をしていたのだろう。

顔を真っ青にして令嬢たちは座り込んだ。


「さ、ベリー。行こう」


私の手をひいて教室から出る。


「令嬢たちは置いて行っていいのですか?」


歩く気力もないように令嬢達が座り込んでいたため、心配になりそう聞くと、ルドヴェール様はまた私に微笑んで言った。


「ああ。後で俺の部下が処分のために来るからいいよ」

「処分……ですか?」

「うん。学園追放の手続きをしないとね」


学園……追放っ!?


この学園から追放されるということは、平民以下と見なされたも同然。

そんなことされたらあの令嬢はこれからどうすればいいのだろう。


処分にしては、ちょっとやりすぎではないか?


「ル、ルドヴェール様っ!それはやめていただけないでしょうか」

「ベリー?」


私がそう言うと驚いたようにルドヴェール様は目を見開いた。


「ベリーを叩こうとしたんだよ?俺のベリーに。下手したら一生傷になっていたかもしれないし」


確かにルドヴェール様が守ってくれたから無事なだけで、一生傷になっていたかも知れない。

でも。


「ルドヴェール様が助けてくれたので、私は無傷ですし、学園追放だけはやめてあげれませんか?」


私がルドヴェール様を真剣に見つめてそう言うと、ルドヴェール様は負けたかのように少し笑ってうなづいた。


「ベリーがそう言うなら学園追放はやめてあげようかな」

「本当ですか!」

「ベリーがいいならね」

「ありがとうございます!!」


私達が話していると、令嬢達は涙をためて私に言った。


「ベリー様、ごめんなさい。私、酷いことを……っ」

「私も……ごめんなさい」

「ありがとうございます……っ!」


謝られ、私は笑った。


良かった。根から悪い人達じゃないみたい。

きっと本当にルドヴェール様が好きだっただけなんだわ。


「これからはもうこんな事、やめてね」


そう私が笑って言うと令嬢達はコクコクと頷いた。


「もうしませんっ!」


良かった。


「じゃ、行こう。ベリー」

「はい」


ルドヴェール様は微笑んでいる私を見て微笑んだ。




♡♡♡



「⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎様、言われた通りにしましたわ」


ベリーとルドヴェール、そして他の令嬢が去った後、一人の令嬢は通信機のような宝石を取り出して話し出した。


「よくやった。どうなりましたか?」


宝石からは男性の声がする。


「ええ、やはり噂は本当のようで、ルドヴェール様はベリー嬢の事を守りにきましたわ。危うく退学させられるところでした」


ため息をつきながら令嬢がそう言うと、宝石からは驚いたような声がした。


「そうでしたか。……なるほどそれなら……」

「で、あなたの調べ物はこれでいいかしら。私、ルイ王子様を手に入れたいのだけれど」


ぶつぶつ話している男性の声に令嬢は呆れたように言うと、男性は静かに言った。


「そう言われると水晶が予言しましたので、その方法も神に聞きましたよ」

「本当に!?」

「ええ」


令嬢は嬉しそうに顔を輝かせた。


「はい、あなたは十分活躍してくれましたからね、お教えしますよ。ーーリリア嬢」


その言葉にリリアはニンマリと口の端を持ち上げた。





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