脇役令嬢 ベリー編2
美甘です(^^)
「あなたが好きです。婚約してほしい」
「えっ……!?」
ど、どういう事ー!?
今、初めて会いましたよね?
しかも、ルミナ公爵家のルドヴェール様って、私が通っているミルムーン学園の首席だよね!?
レイツェルト侯爵家よりもはるかに上の爵位だし。
なんでそんな人が私に婚約を求めているの!?
「えっと、ルドヴェール様、はじめまして。失礼ですが、なぜ私なんかに婚約を求めておられるのですか?」
そう聞くとルドヴェール様はまた、ふわりと笑った。
「ベリー嬢、あなたが好きだからです」
うっ、美しい。
美しいという言葉はまさにこの人のために作られたのかもしれない。
って、それよりも。
「わ、私が好きと言われましたが、いつからでしょうか?はじめましてですし」
そう言うと、ルドヴェール様は微笑みを崩さず言った。
「そうですね。話すのは初めてですが、同じミルムーン学園の生徒ですし。時々見かけまして。かわいい方だなと思って見ていたら、気づいたら目で追ってしまっていて……。好きなんだと自覚してこの状況です」
気づいたら、ルドヴェール様は私の髪にキスをしていて、私は真っ赤になる。
「あなたを大事にします。……ですから、婚約していただけないでしょうか?」
ほ、本当に言ってる?
見かけて好きになることってあるの?
私は少し動揺したが、ルドヴェール様の瞳は真剣で、私との婚約を本気で考えてくれているのだと伝わってきた。
正直あんまり恋とか分からないけれど、ルドヴェール様は公爵家だし、学園の首席で優秀だし、私のこと好きだって言ってくれるし、婚約者にピッタリの人じゃない?
普通ならみんな喜んで婚約受けるだろうし、断るのも失礼だし。
何より……うん。この人、逃しちゃいけない気がする。
「ル、ルドヴェール様」
「はい」
ルドヴェールは私に優しく微笑む。
「正直、恋とかあまり分からないのですが、婚約受けさせてもらっても良いですか?」
そう言うとルドヴェール様は嬉しそうにうなづいた。
「ありがとうございます」
本当に嬉しそうに。
私は幸せな気分だった。
こんなに良い人が婚約者になるなんて思っても見なかったから。
「ああ、かわいいベリー。俺がいないと生きていけないようにしてあげるからね?」
彼がそんな事を呟いていた事も知らずに。
「陛下やご家族に報告しに行きましょうか」
「はい」
彼が私を愛しすぎていることも知らずに……。
♡♡
次の日、ミルムーン学園では私とルドヴェール様の話で持ちきりだった。
「ルドヴェール様とベリー嬢がご婚約!?」
「本当なの?」
「あの麗しいルドヴェール様がついに……」
驚いたような声がほとんどだったが……
「わたくし達のルドヴェール様がご婚約ですって?」
「レイツェルト侯爵家のベリー嬢らしいわよ」
「悲しいわ」
ルドヴェール様を狙っていたご令嬢からしたら、面白くない話らしい。
……そりゃあ、こうなるよね。
今、私は人気の少ない教室で、複数人のご令嬢に囲まれている。
しかも睨まれながら。
「ねえ、ルドヴェール様と婚約だなんて、いったいどういうおつもり?」
ボス格である一人のご令嬢に話しかけられる。
「あなたなんかが、ルドヴェール様の隣に立っていいとでも思っているの?」
ゆっくりとこちらに攻められ頬を叩かれそうになる。
ああ、面倒臭いなあ。
……叩かれたら痛いだろうな。
こんなことになるなら婚約受けない方が良かったのかも……。
「本当、めざわりなのよ!」
痛いのを覚悟して、目を閉じた。
ーーこの状況が、後でルドヴェール様を氷にすることを私は、令嬢たちは、まだ知らないのだ。




