リリアの困惑
なんで?なんで上手くいかなかったの!?
やっぱり占い師の言葉なんか信じるんじゃなかったのよっ。
私・リリアは、ルイ王子様にばっさりと振られて困惑していた。
「ルイ王子様!!私、あなたの事を愛しているんです!」
「そうなの?」
愛している、婚約者にしてくれと王子に言い続ければ、私は結ばれて幸せになれると“ある人”に言われた。
「ですから、」
「だから?」
でも、私が婚約者にしてほしいと続けて言おうとした時、ルイ様は聞き返してきた。
私に微笑んでいるが目は全く笑っていなく、まるで見極めているかのようだった。
「ですからですね……っ」
ちょっとだけ怯んでしまったけれど、この人はすぐに私に夢中になるのだと思うと、気持ちがスッキリして、堂々と言った。
「今までルイ様を見てて、好きでもないローズ様と婚約者だったので、助けたかったんですっ!私なら絶対幸せにするのにって思って……」
……何を、言っているんだろう。
でも、私も少し自分が言った事に批判な気持ちを持ってしまった。
それはローズ様も同じようだったのか私を見て呆れたようにため息を吐く。
その光景を貴族達が山のように見ている。
そんな中、ルイ王子様はローズ様をチラッと見た後、言った。
「君、誰に対してそんな口調なの?王族とその婚約者に無礼だと思わない?」
冷たい声に周りが固まったように動けなくなる。
それは私も同じ。
でも、大丈夫。“あの人”に聞いて私は知っているから。
「でも、まあそう言うところもいいね。ローズとは反対で気にいった」
そう、ルイ王子様は言うはずだから。
私は可憐な令嬢のお面をつけ続ける。
ここにいる誰もが黙ってルイ様の声に耳を傾けた。
ルイ様はその中を一人歩き、ローズ様のの肩を抱いて口を開いた。
きっと、大丈夫。
そう安心していたのに。
「僕のかわいいかわいいローズを悪く言うなんて、酷い子だね」
「……えっ」
あの人が言っていた言葉と違う……?
なんで!?言われた通りにしたのにっ。
思ってもいなかった反応で私は目を見開いた。
対してローズ様はやってしまったというような表情で彼を見ていた。
♡♡♡
どうして!?
なんでなの!?
私は広間を去ったルイ王子様とローズ様を見て、呆然とする。
状況を見ていた他の貴族がコソコソと私を見て話していた。
でも、そんな事は今はどうでもいい。
……どうして、こうなってしまったのか。
私は何事もなかったようにスッと表情を戻し広間を出て、待っていた馬車に乗った。
「すべて、あの占い師に聞けばわかる事だしね?」
私はまだ明るい城を窓から見ながら、そう呟いた。
♡♡♡
「僕のかわいいかわいいローズを悪く言うなんて、酷い子だね」
「へえ、面白い」
貴族たちがルイ王子、ローズ嬢、リリア嬢のやりとりを囲んで見ている中、広間の隅で男は口角を上げる。
「占い通りにならないとは……この世界は“創り変えられる″んですね……?」
ざわついている広間の中で彼だけが別空間にいるようだった。
「これは帰って研究しなければ……あの子を手に入れるためにも」
その声がした後、彼の姿は消えていた。




