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Cycle of life ~ 生命を紡ぐ円環の惑星 ~  作者: 彩灯 哲
第2章 旅立ち

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第15話 勇者の旅立ち



 俺達が訓練し始めてから半年が過ぎた。


 ヒロ兄の腕は3ヶ月で元通りになり、再生治療としては終了となった。手はしっかり動きはするけど、無くなる前程の器用さや力はないのでリハビリはまだ続けていた。それも再生から3カ月が経ち、ようやく元の水準まで動かせるようになり完治となった。初めは元に戻らないかもって思ったけど、元通りになって本当に良かった。


 俺達は座学、個別、連携訓練を重ねて、訓練開始から3ヶ月位には施設外への外出許可が出た。ある程度この世界の知識を得たこと、戦闘スキルも一定のレベルに達したこと、俺達専用のチョーカー型魔導機が完成して多言語の相互翻訳機能や通話、メールのような連絡機能、映像や音声の記録等が出来るようになり、ある程度の安全も確保できる事から許可が下りたそうだ。


 他には街の外での実戦訓練も始まった。森や山での採集訓練や、モンスター相手の実戦訓練もやった。国からの依頼としてハンターがやるような任務にも同行して、実戦も少しずつ積んできた。

 その成果が認められ、本来は試験を合格して初めて貰えるハンター資格を特別に授与された。モンストル、ブラックリスト、トレジャーの資格でランクはそれぞれDランクが与えられた。これは中級クラスのハンターレベルで、本来はGランクからスタートらしいのでこれも特別待遇なんだろう。


 ハンター登録がされた事で、これから俺達は更なる成長の為に、ミーレス帝国の王都を拠点としてハンターの様々な任務をこなしていく事になった。ただ、ヒロ兄は治療してたから訓練が追いついていなくて、アゴイスに残って訓練を続ける事になった。寂しいけど、まだ腕の感覚も本調子じゃないし仕方ない。訓練を続けて許可が出ればこっちに合流できるから、ヒロ兄を信じて俺達は先へ進むことを決めた。


 約半年過ごしたアゴイスの街ともしばらくお別れだ。メイド長のエキナさんはヒロ兄がまだ残る関係で一緒には行けないけど、執事のヘリオ君とメイドのマーシュちゃんは俺達についてきてもらえるから、ご飯やらなんやらを気にしなくていいのは本当に助かる。


 出発の朝はワノイエのロビーに講師の先生やメイド長などお世話になった人達が見送りに来てくれていた。


「なんだかあっという間だったわね。見込みはあると思ってたけど、まさかこんなに早く卒業になるなんて思わなかったわ。カコミィはユーシ君担当だったけど師匠になってみてどうだった?」


「そうですね〜、弟子と呼んでいいのかは分からないですけど、初めてここまで付きっきりで人に教えたので色々大変でした。私自身も結構悩みましたけど色んな発見があって、教えている私も成長できた気がします。ユーシ君は特に実戦訓練に出始めてからはどんどん成長して、今では上級ハンター位の力はありますよ。間違いなく逸材で、ミーレス陛下も驚いていました。私も近い内に背中を預けて戦う日が来るんじゃないかと思っています。ルビアス先生は全体も見てましたけど、今の勇者パーティーはどう思いますか?」


「まだまだ課題はあるけど、良いパーティーになってきたと思うわ。攻守のバランス、対応力なんかは特にユーシ君を中心としてしっかりしてる。それにユーシ君は人を惹きつける力があるわよね。関わった依頼主やら街の人ともすぐ仲良くなって、みんな力を貸してくれるのよね〜。勇者とはまだ公表してないんだけど不思議よね〜」


「褒められると少し照れますね。でもここまで強くなれたのも先生達のお陰です。本当にありがとうございました」


 俺達は出発時間まで、それぞれの講師や仲良くなった人達と話をしていた。

 少しすると、フィアゴさんがお弟子さんを数名連れてやって来た。なんかでかい箱が4つ並んでる。


「勇者御一行にアゴイステン工房から餞別として装備をお作りしましたのでどうぞお納めください」


 その箱にはそれぞれの武器と防具が入っていた。


「コトミさんには機動力を損なわないようにアダマニウム製の胸当てと手甲、バイザー型の額当てをご用意しました。胸当ては硬質化の魔導石もつけているので単純なアダマニウム製のものよりも硬度は高くなっています。また、胸当てのリボンは戦闘時と非戦闘時で覆う部分が変形するのと、胸当て以外の部分は布に見えますが実際はほぼミスリルで編んであるのでデザイン性も高くなっています。どうぞ簡易試着室も用意したので着替えてみてください」


「はーい!野郎共覗くなよ!」


「流石に皆のいる前で覗くのはムリだわ〜」

「今更見ねーわ」


 いやムラトモ、皆のいる前じゃなきゃ覗くのかお前は。


「思ってたより結構可愛い!スカートも全然自然な感じ!これもミスリル製って凄いですね!」


「実はトモヒラ君がミスリルを糸状に生成したんですよ。強度を落とさずに糸状にするのは不可能と言われていたので、これは歴史的大発見かつ、唯一無二の技術になります。特殊な編み方で伸縮性を持たせた布状に仕立てたので、本物の布のような滑らかさや柔軟性、金属のような衝撃、斬撃耐性と冷熱耐性もあり、我々もついテンションが上がって色々試させてもらいました」


「ムラトモいつの間にそんな事できてたの?」


「へっへっへ〜!驚いたか!今日まで秘密にしてるの辛かったわ〜。自慢したくてしょうがなかったよ!」


 俺も全然気づかなかった。確かに昔から器用で美術の成績も良かったけど、そんな凄い技術を身に着けるなんて思わなかった。


「こだわったのは、胸はコトミのチャームポイントだから普段は覆われてない方が絶対にいいから変形して出せるようにしたのと、ミニスカートの方が絶対領域が出せて魅力的だと思ったからスカートは短くして、色はコトミの好きな青系統にした。戦闘時はベルトのバックルにある魔導石を起動すれば普段は収納してる布地を展開してスカートの丈が伸びる仕組みになってるんだぜ!装備の名前はヴァッサーブルーメ。ドイツ語で水の花だ」


「あ、ありがとう、なんか少しゾワッとするものがあるけど、可愛いには可愛いから大事に使うね」


「そんな変な機能はつけてないから安心しろよ〜」


 なんか怪しい笑いをしてるけど、アゴイステン工房の皆さんが一緒に作ってるならそこまで変な事は出来ないはずだから信じよう。


「補足を話しても大丈夫ですか?」


「あ、すみません師匠!お願いします!」


「手甲はヴァイゼアームと言って、両手とも魔導機になっています。魔導石を埋め込める穴がそれぞれ10個あります。現在付けているのは暫定的なもので、特定の魔導を詠唱なしで放てたり、大魔法の魔力サポートとして魔力タンクとして使ったり自由にカスタマイズ出来るので、お好みのものや状況などで付け替えるといいかと思います」


「すっごーい!もしかしてルビアス先生とお揃いですか?」


「材質は違いますがルビアスさんのを参考に作ったので、基本は同じ形式になりますね」


「あたしも先生みたいに大魔法色々撃てそうな気がしてきた!ありがとうございます!」


「次はユアさんのですね。ユアさんも防具は基本的にコトミさんと似たタイプで、胸板から胴回りはアダマニウムをメインにミスリルを編んで合わせたものになります」


「ユアちゃんのはロリータ服をイメージしつつ動き易さを重視してて、膝丈のスカートに見えるけど実はパンツスタイルになってるんだよ。もちろん全部ミスリル製。あまり重さのある防具だと動きにくいし、疲れちゃうからできる限り軽くなるよう頑張った。ブーツは編み方を変えて柔軟性を落として強度を上げたタイプのを使ってる。あと、医療道具なんかを持ち運ぶポーチやカバンもミスリルで作ったから使ってね」


 え、ムラトモなんで女子の服にそんな詳しいの?


「ムラトモくんありがと!前に服の事色々聞いてたのはこれの為だったんだね!早速着てみるね!」


 すぐに簡易更衣室に入って着替えて出てきた。胴回りのアダマニウムの部分を除けばほとんどミスリルの布だから、外見はほとんど普通の服と見分けがつかない。


「ユーシくんどう?」


「ムラトモが作ったとは思えないくらい可愛い!まぁ素材が良いからかな」


「ハイ惚気とかいらないんでー」

「ユアちゃんだけじゃなくてあたしの時もちゃんと褒めなさいよ!」


「俺は事実を言っただけなのになぜ責められないといけないのだ」


「コト姉も可愛いよ〜!防具ってもっとカクカクしたものかと思ったけどこんなに可愛いのもあるんだね!」


「トモヒラ君が『女性なら戦う時でも可愛く美しくあるべきです!』って熱弁してて、利便性や低コスト、高性能なんかを追求してきた私達にはそういった考えがなかったので、初めて聞いた時にはとても衝撃を受けました」


「ムラトモにしては良い事言うじゃん!少しゾワッとするけど」


 なんだかんだ言って、俺達のこと考えて頑張って作ってくれたんだな。


「さて次はトモヒラ君のです。トモヒラ君のミスリルマスターのスキルは『自身の術式で発動する魔導は物の作製・変化以外は発動せず、金属生成は全てミスリル製に変わり、ミスリルの形状を自由自在に変化させる事ができる能力』というのが検証して分かりました。武具に関しては本人中心に作製したので、本人から情報共有の意味で説明してもらいましょう」


「便利だけど不便な能力なんだよな〜。ま、それじゃあ俺の武具を披露しましょう!」


 そう言ってムラトモは工房のお弟子さんが持っていたマネキンに武具を着せ始めた。


「お待たせしました!それじゃあ説明しましょう!まず、防具のテーマは防御力と機動力の両立。これは俺の立ち回りが皆の壁になるタンクと、攻め手を増やすときのアタッカーとしての役割から来てる。だから、皆を守れる防御力と瞬時に役割を変えて動ける機動力が特に大事なわけだ」


 俺はメインアタッカー、コトミは撹乱と中・遠距離アタッカー、ユアは回復とサポート、ムラトモはタンクと近・中距離アタッカーというパーティーだ。ムラトモのタンクは特に重要で敵の注意を引き付けたり、狙われた仲間を守ったりと防御の要だ。


「そこで、メインウェポンを思い切って盾にしてみた。ゲームでも盾で戦うキャラいたし、何より工房にいるSランクハンターがまさに俺の立ち回りにドンピシャの人で、こんな戦い方があるのかってすげー参考になったんだ」


 そう言いながら、中央から十字の模様がある直径1メートル程でダイヤ型の大きな盾を出してきた。


「盾の名前はラウテカーロ。アダマニウムをベースに周りをミスリルで覆ってる。盾の裏面に魔導石があって、防御力を高める場合はそれぞれの角が展開してサイズアップする。更にミスリルで前面を補強する仕組みになってるから中々の強度になってる。他にも武器が仕込んであって、強度の高いアダマニウム製の剣、斬れ味の良さと刀身の長さを変えられるミスリル製の剣、ミスリルの弾丸を生成して撃てる魔導銃、ミスリル製のワイヤーアンカーの4つ。ミスリル製の武器2つは自分の魔導で長さを変えれるから色々な状況に対応できると思う。魔導銃はミスリルを生成して火の魔導で撃ち出す仕組みで、火の魔導も魔導石に術式を書いた物なら発動できた」


 そうか!ムラトモは自分の術式で魔導を使うと発動しないけど、魔導機の魔導なら普通に発動するのか!


「あと盾裏には盾強化の魔導石以外にも3つの魔導石がセットできて、なんと大魔導の術式を入れてもらったから使って大魔導が撃てるんだなコレが!」


「マジで!?あたしの特権じゃないの!?」


「術式を刻んだ魔導石さえあれば魔力が足りるなら撃てるんだなぁ〜。ルビアス先生にお願いして3種類入れてもらったんだ〜」


「先生の裏切り者〜!」


「だって面白そうだったんだも〜ん!それにパーティーの攻め手は多い方がいいし。でも安心なさい。あなたには攻撃魔導だけでも数十種類も使えるし、その他にも状況に応じて適切な魔導を使えるよう沢山覚えたでしょ?ムラちゃんが出来るのはあくまで手持ちの魔導石にある物だけ。対応力の高さはあなたの最大の武器。大魔導師見習いは伊達じゃないわよ」


 確かに。俺は全属性の魔導使えるけど攻撃魔導と防御魔導だけ。その他の補助魔導系はあまり覚えてない。


「そうですよね!大魔導師たるものこのくらいでヒヨっちゃダメですね!」


「それじゃあ次行くぞー。次は防具の方なんだけど、防具はタンクを担う為の防御力と瞬時に仲間の元へ駆けつけて守る為の機動力が必要なんだけど中々両立が難しかったんだよ。でもユーシの戦い方を見て走って駆けつける必要はないって気づいたんだ。魔導で急加速して行けばいいって考えたらプランが定まった」


 ムラトモは鎧の背中側を見せた。


「だからミスリルより硬度の高いアダマニウムをメインの材質にしたフルプレートメイルにして、背面と両ふくらはぎに魔導石をつけて火の魔導で加速や減速をして移動する形にした。そしたら見事に高速移動が可能になったわけだ。インナーや関節の部分はミスリルを使ってるけど、細かな動きよりガッチリ守る事を重点にして最小限にしてるんだぜ」


「なんかアニメに出てくるロボットっぽくてカッコいいね!」


「流石ヒロ兄お目が高い!最終的なイメージはリアルロボット系のイメージなんだよ!装備の名前はロバストシュタークで頑強で力強いって意味なんだ〜!ヘルムもフルフェイスにしてアンテナもつけてるんだぜ!今後も随時性能はアップデートしていくつもりだから期待しててくれよな!」


 確かに宇宙を舞台にした某ロボットアニメみたいでカッコいい。そのうちビームライフルとか無線型の武装とかも作り出しそうだな。俺の装備もそんな感じになるのかな?


「ムラトモくんの自信作なんだね!俺が合流する時には俺にも何か頼むね!」


「任しといてよ!ヒロ兄の合流楽しみにして待ってるからな!」


「最後は勇者殿ですね。勇者殿の戦闘スタイルが格闘戦がメインとの事だったので、防御力の高さを維持しつつ、機動力や手足の動かし易さを意識したデザインにしています」


 俺の防具は鎧というよりもバトルスーツみたいな感じ。色合いはベースは白銀で挿し色でメタリックな赤と青が使われていた。腰布もついててなんかカッコいい。


「ユーシの防具イメージはバイクや車だったり、ときには電車に乗って戦ったりもする某ライダーだ。手脚と胴体、各関節前面にはアダマニウムを使って、それ以外の部分はミスリルを特殊な編み方で編んで耐久性と運動性を高めてる。額当ては魔導石があるから魔力で変形してフルフェイス仕様にもできて、通気性を確保しつつ防塵性のあるマスクになってるぜ。腰布も魔導石で布の出し入れできるし、襟の魔導石でミスリルのマントも出るから防御に使ってくれ」


 俺も早速着てみた。確かに某ライダー感ある。流石にバイクは用意出来なかったか。でも思ったより大分動き易いし、なによりカッコいい。


「勇者殿の武器なんですが、実はワイバーン戦の時に勇者殿の元に現れた砕けた聖剣シェラキーの再加工を試みまして、なんとか形にする事が出来ました」


 渡されたのは右手の手甲だった。白銀に碧のラインが入っていて、魔導石も綺麗な碧色だった。


「今うちの工房にある全てのオリハルコンを一族秘伝の製法でアゴイステン合金という現在存在する金属の中で最も優れた金属と呼ばれている特殊合金に生成しまして、この合金で剣の破片を繋ぎ合わせて造っています。どうぞつけてみてください」


 剣だったって言ってたけど、見た目は金属の刃というより生物の鱗っぽい。でも嫌な感じはしない。折れているのに破片っぽさはなく白銀でとても美しい。

 腕につけてみると驚くほどしっくりきて、なんとなく生命の力強さを感じる。


「お前…生きてるのか?」


 そう話しかけると魔導石が少し光った気がする。


「これからよろしくな。相棒。名前は…聖拳シェラキーかな。お前も元の名前がいいだろ?」


「元々の剣の材質は金属ではない様なのですが、生物にしても何の生物かが分からなかったんです。ただ、前の持ち主…先代の勇者殿が言うには、この剣は言い伝えの聖龍シュユールの体だって話していました」


 聖龍シュユールは最初の厄災魔獣と戦った伝説の龍で、言い伝えでは相討ちになり、その体は大地となって世界は豊かになったそうだ。


「よくわからないですけど…多分合ってると思います。こいつからはなんとなく生命の強さを感じます」


「そうですか…。私達の作る武器には魂を宿す物があります。だから私もこの武器に魂が宿っていると思いますよ」


 これから一緒に戦う相棒だ。大切にしよう。


「せっかくだから記念写真でも撮りましょうか!勇者の旅立ちの日として」


 ルビアス先生の提案で皆で並んで写真を撮った。


「中々サマになってるわよ〜!ハイ、チーズ!」


「先生、後で送ってね〜!」


「ハイハイ、わかってるわよ」


「あと、もう1つお伝えしておくことがあります。皆さんの武具メンテナンスの為に私の息子を同行させます。腕は歴代の中でもトップクラスだと思うのですが、まだまだ世界を知らないので、皆さんと一緒行って色々な世界を見せてもらえたら幸いです」


「フィファーゴ・アゴイステンです。よろしく!」


「フィファ!お前ついてくるなんて言ってなかったじゃん!コノヤロー!」


 どうやらムラトモは知り合いのようで、嬉しそうにコブラツイストをかけている。


「いててて、痛ぇよバカ!」


「歳上にバカとは生意気な〜!」


「ムラトモは知り合いなんだな。仲良さそうじゃん」


「あぁ、工房で訓練してる時に一緒に教えてくれたり、戦い方を2人で教わったりして仲良くなってさ。コイツ戦闘の訓練は今までしてこなかったから、自分も戦い方を学んで武具作りの参考にしたいって言って一緒に戦闘訓練受けたんだよ」


「ぅるっせーな!ペラペラ話すんじゃねぇよ!」

「なんだとこのヤロー!」


 とりあえず、俺達の仲間がまた1人増えた。ヘリオ君とマーシュちゃんもいるからなんだか楽しそうだ。


「それじゃあそろそろ出発しましょう。昨日お伝えした通り、私は陛下にご挨拶するまでご一緒します。その後は現地で新たに担当となる者に引き継ぎますので、そちらの指示に従ってください」


 師匠とも王都でお別れかぁ…。一緒に来てくれたら良かったのにな。


「皆さんありがとうございました。それじゃあ行ってきます!」


 こうして俺達はミーレス帝国最北端の街アゴイスを旅立った。



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