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歓声


「まずはトイレ作りからだね」


 最初に着手するのは、カーリャが切望していたトイレである。

 今までは決めた場所に穴を掘り、上から土をかけるだけのあまりに簡易的なものだったので、もっとしっかりしたものを作ろうと思う。


 場所は、とりあえず一番右側にある小屋を更に少し進んでいった場所にする。

 生活する場所に近すぎると異臭の問題があるかもしれないので、少し距離を取っておこう。

「まずはしっかりとした覆いを作ってっと」

 

 マックスに周りから見えないような覆いを作ってもらう。

 そしてシェフに作ってもらった角材を使って、入り口にあたる部分に開き戸を設置。

 打っている部品もシェフお手製の木製だけど、強度的にも問題はなさそうだ。


 そしたら穴を作って、都市部で見られる感じのトイレっぽい感じで見栄えを整えていく。

 このままだと出したものがただ溜まっていくだけになってしまうけど、その問題も既に解決済みだ。


「シェフ、お願い」


「……(ぷるぷるぷるっ)」


 いつもより多めにぷるぷるしたかと思うと、シェフがトイレの底の部分にぽとっとあるものを落とす。

 そこにいるのは――シェフをミニチュアサイズにしたような小さなスライムだ。


 これはスライムという魔物が元から持っている力で、その名を分裂という。

 簡単に言うと、自分の分身体を生み出す力だ。


 分身体はシェフの力の一部分しか使うことができないしその能力も落ちるけれど、その分だけ自律した行動をすることができる。


 ちなみにこのミニスライム、既にとある用途に使っているので使えることは実証済みだ。

 何かというと……ゴミ処理である。

 生活の際に出る諸々のゴミを処理してもらっているので、これがトイレにも使えることは既に確認済み。


「よし、それじゃあ次は水路だね」



 僕はマックスと暇そうにしていたジルと一緒に川へ向かっていく。

 そしてマックスに土魔法で土をへこませてから固める形で、水路を作っていく。

 とりあえずまずは仮で作ってみて、後でレンガや木材を使って補強していく形でやっていこうと思う。


 休憩を挟みながら水路をなんとか畑まで引いた時には、既に時刻は夕暮れになっていた。


 せっかく引いた水を畑にだけ使うというのももったいないので、そのまま家にも引けるように道は広めに取ってある。


 三つ目の希望である家を建てたら、それぞれの家に水を引けるように調節できたらと思う。




 次の日。

 僕はマーナルムの皆の力を借りて、マックスが作りに作って溜め込んでいてくれたレンガを使い家を建てていくことにした。


 マックスが全ての家を建てるとなると彼にかなり負担をかかっちゃうからね。

 家を建てる時には、皆のマンパワーを使った方がいい。


 前日の夕食の時に、住む家をどのような間取りにするかは決めている。


 まずは今ある小屋を僕の住んでるところを除いて一度バラす。

 そして建てた時と同じようにレンガを積み上げてからそれを土魔法で固定してもらう形で、サクサクと大きめの家を建て、仕切りをしっかりと用意しながら個室を用意できるように間取り通りに家を建てていく。


「わふっ!」


「わあ、ありがとうバスティ!」


 一度やったことがあるのと、今回はシルバーファングも家づくりに参加してくれたというのが重なり、作業は以前よりはるかに早く終わった。


 狩りをお休みにして丸一日皆で力を合わせると、無事に家が完成した。


「ありがとうございます、アレスさん!」


「マックス、ありがとう!」


「うおおおおおお、家だああああっっ!! ビバ個室!」


 あっちこっちから歓声が上がる。

 レンガを握りながらあちこち歩き回っていたので手も足もクタクタだけど、こうしてできあがった家を眺めると頑張って良かったな、と思う。


 今回は最初からしっかり家として設計しているので、それぞれがしっかりと屋敷のような感じになっている。


 家に畑に土塀……徐々に抱けど、しっかりと文明的な暮らしになりつつある。

 僕ら皆の生活向上のために、まだまだ頑張らないとね!


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