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私……

「ふぁー、おはよ。お前相変わらず早いよな」

少しフワフワした頭で席に着く

「紫雨音こそ前世は寝起き悪かったのに今回はしっかり起きれてるようで」

「前世を出すなー。まぁなと言うか学んだけど寝ないツケが来るからな」

「そうですね?」

「あぁ、そうだ。だいたい小学校から夜更かしすると高校生の初めくらいからどっとくるな」

「そんな、娯楽の少ない時代に何をしてたら夜更かしなんて」

女神が朝飯を運び出す

「夜に友達と遊んだり?」

「はぁ~」

「なんだよ。別におかしくはねぇだろ、んで他校のヤツらと喧嘩して警察呼ばれたりしたぞ」

「でもそうですね、時代背景からすると当たり前なのでしょうね」

「そんなもんだよ。俺らの世代はしっかり勉強してた奴らは中級層より上で安定した生活、遊んでたヤツらはトップに立つか下に立つかと」

料理が揃ったから手を合わせる

「いただきます」

「いただきます」

「では貴方は負け組ですね」

「あぁん?勝ち組だよ、働かずとも暮らしてけたんだぜ」

「そもそも同世代の方と同じ土俵に立ててない時点で負け組です!」

ガーンと表示が真っ青になる

「で、でもよ?」

「言い訳は無しです。それと紫雨音ちゃんとして生きるのですから就職は必須ですよ」

「ふぁっ?!え?死ぬまでやんのこれ?」

「当たり前ですよ?逆に何時までやるつもりでしたか?」

「小学校卒業くらいまで」

「アホですか?仮にも貴方はその身体に生を受けたんですよ?」

「まぁ普通なら記憶持ちの子供になるけどさ、紫雨音としての実感が感じられないせいか未だ前世の俺なんだよ」

「では、今日一日は女の子らしく生きてもらいましょうか」

「らしくってなんだよ」

「では、やりますね」

魔法陣を頭の上で弾かれる

「これで良いです。さて、食べ終えたら身支度をしてください。学校に遅れますよ?」

「はーい(おう)」

なんだとっ?!

「この!く─────」

わっつ?センシティブっっ

「センシティブですよ?」

「ホントにやったんですね!(やりやがったな!)」

今日これで過ごすのか……あぁ、パパ、ママ。無理させてごめんね、これが天罰なんだね

「そんな死にかけの顔をしないで下さい」

「するわよ!!(するわ!)」

「でも意外とありですね、小さい子が─────」

「いや!お母さんもなのね!!(お前もかい!!)」

「センシティブ要素はありませんのに……」

「はぁ……とりあえず行ってきます(行ってくるわ)」

ぱぱっと身支度を終え集合場所に着く

「あ、紫雨音ちゃん来たよー。よーし行くか」

相変わらず早いなこの4人は

「みんなさすが!早いね!(お前らそんな早く来て、暇じゃね?)」

G●●gl●翻訳でももっとマシな解釈するぞ?え??

「枝尾君の所は家と仕事場が同じだから早めに出されるのよ、それで私はその時に会うように家を出てるわ」

その時に会うように出るってストーカー紛いだろ……

「今変なこと思ったでしょ!違うわよ。私が居ないと喧嘩するからよ」

「そんなことねぇけどよぉ」

なんだ、惚気だったか

「とりあえずさ、行こ?歩きながらでも話せるし」

四宮は相変わらずクールに決めてるな

「そういえばさ紫雨音ちゃんのお母さん?ってすっっごい綺麗だよね」

「そうですか?うるみ先輩(そうなのか?)」

「そうですかって自分の親だろ……まぁたしかに僕も見かけた事あるけどこの親にしてこの子ありって感じだな」

「褒め過ぎでしょ~(褒め過ぎだろ)」

「我の兄も親子丼をなんたらとか言ってたぞ」

「ちょっと静かにしようか、しゅりちゃん(いっぺん黙った方がいいぞ……)」

とんでもねぇこと言うなぁ?センシティブどこいったよ

「紫雨音ちゃんの所ってお父さんいる?さぞかっこいいんでしょうね」

「ん?お父さんはね、見た事ないよ(そういやオヤジ居なくね??)」

「あ、ごめんね……」

うるみ先輩が少ししょんぼりとする

「いや、気にしないで!多分ろくでもない人だったと思うから(いや、気にすんな。どーせパチ──────)」

すごい、センシティブでとめられても意図を察して喋れるんね。

勝手に喋る口に感嘆していた

「そうか、我と逆だな。我は父と兄3人しか居ないぞよ」

「しゅりちゃんの所大変よねー、男ばっかで」

「そうなのか?あまり気にならないが」

「しゅりちゃん大変だね(なんか色々やばくね?)」

なんとも疲れるような疲れないような微妙な感覚で学校まで話していた。

んじゃ、とみんなそれぞれの下駄箱へ向かってった。

「だーれだ?」

「姫ちゃん?(ひめか)」

「正解!紫雨音ちゃん一緒に教室行こ!」

「えぇ、行きましょ!(あぁ、行くか)」

「今日の紫雨音ちゃんなんか変?」

「そーなのかな?(ゴミ女神のせいで制限を掛けられて朝から散々な目にあってるんだよ)」

わーすごい。そのまま言ってたら死んでたけど普通に変換されるんだね

「うん、なんというか可愛さが増した!」

姫が抱き着いてくる

「こら、姫ちゃん離れてよ!あついよ~(わっ?!おら、離れた離れた。落ち着けな?)」

「へへ」

「姫ちゃんも可愛いから!(姫、お前の方が可愛ええぞ……)」

「そんなぁ~絶対!100万倍紫雨音ちゃんだよ」

「えへへ、そうかなー(100万倍って……なわけあるかよ)」

会話は成立するがなんとも言えない違和感と言うかなんというか……

「あ、わかった!いっつも王子様って面影だったのがお姫様に変わったんだ!」

「え、ちょっと恥ずかしいよ(あぁ?どんなだよおい)」

「ほらほらー、髪の毛借りるよー」

「あ、ちょ」

ポニーテールにされた。

「ぷふふ」

「お、ちょっと」

トイレに連れてかれ鏡を見た。

ぞくにいうところの「だんしーそうじてさぼらないでよ」系委員長のような。

「うん!大人っぽさもました!いつも通りのかっこかわいい」

「私の立ち位置ってどこなのよ(俺は普段どんなんだよっ!)」

「それそれ!教室へGO!」

朝から数段ギアを上げてる姫に押され教室のドアをくぐる

「おっはよー!みんな元気?」

姫が叫ぶ。将来主人公の事を気遣う系幼なじみギャルになりそうだなコイツ。

「おはよー姫」

「あれ、紫雨音ちゃん髪切った?」

「めちゃくちゃ可愛い」

ワラワラとみんなが集まってくる。転校生ブームが続くというより紫雨音ブームに変わってんな

「どう!姫が監督しました!」

「「「おおぉ!」」」

「ど、どうも」

「で、紫雨音さん!改変されたお気持は?」

1人がふざけて筆箱をマイクのように突き出す

「えっと、自分でも見惚れました(まぁいんじゃね?って思ったけど)」

「こちらをデザインしたアーテストの姫さんにもお話を伺います」

「ふふふ、そうね。美しさよ!可愛いは可愛い。けど美しさはカッコ良さも入るのよ!」

わーきゃーと。

「おいこらー、お前ら扉前で騒ぐな教室の中入れ」

押し寄せる波で気付いたら廊下にいたようだ。

担任に怒られた

「はーい」

ぞろぞろとみんな教室に入り話に戻る

「お、万年髪型変えたのか。くぅー、クールだな。クールだ。まるで私は勉強に忙しいからとか言って主人公をほっぽく癖に主人公に誰か絡み出すと私のモノアピールしてくる系な~~」

殆どの人に伝わらないネタを延々と語る先生

「あ、はい。ありがとうございます(そりゃどうも)」

「紫雨音ちゃん真似たい!私も」

「えぇーミホナちゃんだけズルい私も!」

姫にみんな殺到する

「わかったわかった!順番ね!」

姫が宥めて列を作り髪を整え始める

「~で、私、貴方のこと好きなのって言ってキャー」

まだ語り続ける先生

「紫雨音ちゃん!姫のカバンからヘアゴム出して」

髪整えるからと、ランドセルを受け取ったままだったことに気付きカバンを開けヘアゴムを渡す。

その時カバンに見てはいけないようなものを見てしまったが言えなかった。

「~で最後はハッピーエンドって万年聞いてるのか?」

「あ、はい聞いていましたよ?(聞いてたが?なんだ)」

「って、それお前」

姫のランドセルみて驚愕を顔に浮べる先生

「姫のですよ」

「ここだけの話だぞ、姫の親はヤバめの宗教に手を出してるんだ」

「それは……」

「まぁ万年、また私に?って思うかもしれないが。姫は宗教を拒んでるせいか親から虐待を受けたりして今はおばぁちゃんの家から来ているがアレを持ってないと今でも親が学校やおばぁちゃんの家にくるそうだ」

「そんなの分かるんですか?(んな事わかんのかよ)」

「曰くGPS入りらしい」

「子供のプライバシーはどうなっているんですか……(個人情報保護法は!!)」

「まぁこればっかはな、それでって訳じゃないんだが姫はあんな感じでな」

明るそうにワイワイしている姫の方を見ながら先生が呟く。

「どこがおかしいのですか?(なんも変わらんぞ)」

「姫がよく王子様とかお姫様とか言うだろ?」

「ええ、ですが小学生の頃の心理状態では当たり前の言動だと取れますが?(んなもんガキだろ言わせておけよ)」

「たぁー、万年お前。いいか、あいつは今お前をヒーローと勘違いしてる。あの親から救ってくれるのでは?と」

「すいません、話が見えないのですが」

「先生は相談を受けたが、家庭内に干渉はできないと断ってしまった。おっとそんな目するな。上のお堅い人の考えだよ。それで万年お前だ。転校してきたばかりでクラスを取り巻き、無駄に賢いからそれとなくだが色々察して行動したりしていた」

「今後相談される可能性があるのと解決策を考えるだけの知恵があるからってことですか?(つまり職務放棄して俺に丸投げかよ……)」

「姫はそんなせいか大人への悪い印象が強くてな」

「それで大人と子供の両方を兼ね備える私になにか接触を起こすのでは?と(んで、俺って訳か)」

「そーそ!先生語彙力皆無だからさ、ぶっちゃけよくわかったねってくらい」

キャピっとふざける先生。俺の顔が死にかけてるのを見てしまったとか思ったのか?んなんだから解雇寸前なんだよ

「分かりましたよ、では今後何かありましたら先生の方へ相談しつつって形でいいですか?(じゃ、進展あったら話すから打破するのは頼むぞ)」

「先生生徒会で忙しいなぁ」

「あなたは悪魔ですか!(お前はゴミか!!)」

「まぁまぁ、今度酒でも奢るぞって飲めないか」

この先生ほんと大丈夫か?教職やめろ?

「最初からこのクラスの問題全てを私に任せる気ならほかの問題も教えてくださいよ(どーせまた浮き彫りになるだろ?火種でも消したいから教えろよ)」

「それはダメかな」

「なんでですか?」

「面白くないから」

その時だけ先生がとてつもない悪いヤツに見えた。言うなら悪魔?いやもっとそれより───

「あっ!マッチングしてる!じゃっ万年頼んだぞー」

スマホを見ながら走り出す先生。

「このっ!ア────────」

ワッツセンシティブ!!


その日1日姫を見ていたが特に気付く点はなかった。

ただ、それとなくでも聞き出そうとみんなで話してる時に親の話題を出したら「私のお父さんは紫雨音ちゃんで!お母さんは美乃!」と1人だけ場違いな返答をしてママーと美乃に抱きついていた。

ただ、あのペンダントのマーク見覚えがあるんだよな。

前世か?どこかで──

「紫雨音!雨が降ってるなら先生に連絡してもらうよにと言ったでしょ!」

そうこうしているうちに家に着いたようだ。女神に言われて自分がびしょ濡れなことに気付く。

「あ、雨降ってたのね(雨か)」

「ほら、早く拭きなさい!」

「はい、お母さん(あぁ)」

「一体何を悩んでいたのですか?」

「いや、クラスメイトの件でね」

「またあの人ですか?」

「いや、違うのよ。友達の親が変な宗教に手を出してるらしくねぇー」

「それはまぁ……大変です事」

「だからね、なんか頼まれたらよろしくって先生に言われて」

「そうなんですか」

「それでさ、そん時ペンダントを見かけたんだけどね?そのマークに見覚えがあって」

「どんなマークか覚えていますか?」

「たしか上長の逆十字架で左が長めだったような、パッと見だったから模様とかはあんま、え?」

女神がすごい険しい顔をしていた。

「どうしたの?」

「ちょっと待ってください。思い出してます」

「うん……」

その間にと、濡れた1式を脱いで横に置いてあったタオルでとりあえず拭いていた。

未だに玄関……はよ風呂にと思ったが、今まで見た事のない程に真剣な女神に何も言えなかった。

「まだ記憶から出てきませんがかなり危ない物です。関わるなら絶対に私を混ぜてください。いいですね?」

「え、えぇ。あ!ちなみに姫は悪くないからね(言っとくが姫は悪くねぇーぞ)」

「姫さん?そのお友達ですか。出来ることなら外すように言って貰えますか?先程も言いましたがかなり危険です」

「それがね、GPSが入ってるらしくて」

「じーぴーえす?」

「あ、そうだったね……GPSは簡単に言うと居場所が分かる機械よ」

「そんなものが埋め込まれてるんですか?!!」

「そうよ」

「となると困りますね」

「明日あたり家に誘ってみる?」

「そうしていただけると助かります」

「ん、わかったよ」

「では、早めにお風呂に入ってきてください。私はご飯を作りますので」

「んー、だけどその前にこれ解いてくれるかな」

「え?そっちの方が可愛いかと」

「いいからいいから」

「はい、解きましたよ」

「よーし、よくやってくれたなお前。風呂終わったらぜってぇー─────」

「センシティブですよ?」

「だァァァァァァ」


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