我が家、家電無くね?
朝、ニュース通知を見て驚いた。
大手企業倒産の危機?
株価大暴落。関係者らは全員口を紡ぎ沈黙を続ける記者会見!!
おい待てよ、世界的規模になってんじゃねぇか?!あいつアホか??
「おい!!!お前何した!!」
「スキャンダルを流して各投資家達から株が離れるようにしましたけど?」
「あのなぁ……俺も昨日あんま考えてなかったが、海外とも繋がりのある企業を陥れると世界的規模で株価大暴落が起きるぞ!!」
「心配ありませんよ?そもそも何故あなたは知ってるのですか?」
「ネットにあったんだよ!」
「は、はぁネットでしたらお風呂場の近くにありますよ?」
「ちげぇーよ!インターネット!」
「いんたーねっと?なんでそんな高額な物を!もしかして勝手に私のカードを」
「馬鹿かお前……スマホにあるだろ」
「スマホ?あ、あの携帯ですか」
「あぁ、それだよ」
「結局買ってから殆ど使ってませんね」
「調べるなりなんなりして慣れろ!」
「分かりました、では今日は図書館に行って来ます。次いでに欲しい書物があれば」
「ある訳ないだろ!!スマホで調べろ!」
「電話とメールしかないのにですか?」
「お前さ……一応聞くけど風呂とかコンロとか扱えてるじゃん?なんでそこら辺の知識あるのにこれは出来ないんだ??」
「こんろ?」
「へ?」
「お風呂は水を生成して温度を変えるだけですよ?」
「お湯貼りって機能があるんだよ!それにコンロってのは料理する時の火を出すやつでね??」
「あれって火が出るんですか?てっきりあそこに火を置いて鍋を煮るのだと思ってました」
「少し違う!」
「はて……」
「だあぁぁあ!!良かったよ今日が土曜で!お前に教えてやるよ!現代機器の良さを!」
「よろしくお願いします?」
「します?じゃないよホント……」
「でもまずは朝ごはんを食べましょ?」
「あぁだな。まじで訳分からん」
飯を終え片付けが終わると女神がこっちにやってきた。
「終わりました」
「じゃぁ先ずはコンロから、ここのでっぱりあるだろ?」
「はい、ありますね」
「これ少し長押しして、チッチって音が鳴るから。そしたら離す」
ボッ!と炎が上がる
「おぉ!!凄いですね!」
「そんで上のバーで火力を変えれるわけ」
「わっ、凄いです!!」
ボッ!と着けて遊ぶ女神、消し方は何となく察したようだ。
「あとお風呂!風呂場の栓を閉めたらここの水張りと湯沸かしを押す!そうするとたけるから」
「なんでしょ、最近共働きが多いと聞きますがその理由が分かる気がします。家事の負担を減らせるんですね!こうやって」
「食器も食洗機があるけど……まぁあれはいっか。他には電子レンジでも温めできるし」
「電子レンジ?!!あんな高額な物家に置けませんよ」
「今ならこの携帯の半額で買えるわ!」
「そんなものなんですかね?」
「あぁそだよ!待てよ、そういえば冷蔵庫無くねぇか?」
「ありませんが?」
「買えよ!」
「なんでですか?床下で十分ですよ」
「お前アイスとかどうすんだ!」
「アイスは買い置きするものじゃありませんよ?何言ってるんですか」
「え?何俺が間違ってんの??」
「そうですよ?」
「いいか?冷蔵庫は偉大だ」
「氷買うの面倒じゃないですか」
「だから冷蔵庫なんだよ!冷凍庫もある製氷機もある!分かるか?」
「え?氷が必要なのに氷を作れるのですか?」
「だァァァ!アホかおめぇは電気で冷やせるんだよ!」
「なんと画期的な!」
「大丈夫かよほんとに……あぁわかったよ。今日は家電量販店行きだ!どーせやる事ないしな」
「では、ついでに箒とかも買いましょう。掃除に力を使っていては」
「ならゴッキー君でも買うか」
「なんですか?」
「床を這う混沌ことゴキブリからヒントを得た掃除機でな、特に髪の毛とかをブラシに絡まることなく取り除ける事から掃除機のメンテナンスすら必要が無いという便利品なのだよ」
「素晴らしいです!ぜひ見てみたいものです!」
「よーし行こう!」
電車で2駅進んだ所にある大型家電量販店。
「うぉぉ!!」
「そこは私が感動する所では?」
「小さくなってから見る景色はまた違うんだよ!」
「さて、買う物はなんでしたっけ?」
「冷蔵庫、テレビ、ゴッキー、電子レンジ、あとPCかな」
「ではメモに書いて店員に聞きましょうか」
「あぁ」
「いらっしゃいませ」
「あの、すいません。こちらの物ってありますか?」
「はい、では近場のテレビからご案内させていただきますね」
沢山並んだテレビから映像が流れている。
「凄いですね、色まで着いて、しかも薄いですよ!」
「お客様こちらは8Kと言いまして値段に対しての機能が満載ですよ」
「なぁ、店員さん。これハードとかとセットで安くできるか?」
「えぇ、それに今回沢山買われる予定ですよね?でしたら納得の行く御値段でご提供出来ますよ」
「ふむ、ありがとな」
「テレビ沢山ありますね、どーせなら高いやつにします?」
「そうだな、金はあるんだろ?だったら無駄遣いしても。ってさお前さっきまで値段ではしゃいでたのにいいのか?」
「えぇ、この相場なら。合計でも億はいかないでしょ?」
「いってたまるか。ってか無限に近い程あるのに何を危惧してるんだ」
「このお金は無から湧いているので使い過ぎるとインフレが起きますよ?」
「リアルな話すんな。まぁ事情はわかった」
「では店員さん、テレビは1番高いやつをお願いします」
「え?!あ、はい。では商品の方に御案内します」
「8Kでサイズデカくて260か……まぁよくわからんがアリだな。あとは必要品だが、あんた頼めるか?必要無いものなら要らないって言うからとりあえず1式頼む」
店員に必要なコード等を店内走らせて取りに行かせた。
「しかし施工とかするとなると家に業者とか来るが大丈夫か?」
「そうなんですか?」
「あぁ、次いでにネットケーブルとかも家に引きたいからな」
「まぁ大丈夫ですよ」
「よーし、とりあえずテレビ買ったから次はゴッキーかな」
店員が戻ってきた。
「ふーむ、うんうん。よし、アンタすげぇな。余分なモン入れてない」
「ありがとうございます」
「次は掃除機のゴッキー君あるかな?」
掃除機コーナーに着いた。
「はい、マーク3までありますがどれにしますか?」
「マーク3ってなんか変わったのか?」
「壁の隙間とかタンスの裏まで清掃出来るようになりました!さらに遠隔も可能なので奥に落としてしまった物を取ることもできます」
「まさに1家に1台なもんだな」
「えぇ、その分お値段ははるんですがね」
「たしか2までが10万ちょいだったよな」
「3は32万円ですね、ですが5年完全無料修理補償というものが付いておりますので」
ベラベラと俺に喋る店員。
普通は財布持ちに聞くもんだろ……
「だってよ、どうするんだ?」
「そうですね、思ってたより安いですね。ではまーくすりーとやらにしましょう」
今日の店員はボーナスが出るだろうな……上客を取り持ったと。
「次はPCだな。まぁネトサ出来りゃいいから20程度の季節落ちでいいかな」
「はい、ではこちらなどがオススメですね」
店員に連れられてPCコーナーに着く
「メモリ8の内蔵3T、8コアのほぅほぅ。まぁ良くも悪くもって所だな。いいか?」
「はい、私はよく分からないのでご自由に」
「んじゃこれ頼むわ、バスター系は無しでいいよ。既存あるでしょ?」
「はいありますよ」
「よーしあと電子レンジと冷蔵庫か」
「電子レンジは特に値段変わらないからアレだったらお前の好きな色とかで選びゃ」
電子レンジ自体5種類くらいしかなかったので適当に選ばせる事にした
「でしたら黒ですかね。フォルム的にこれで」
「はい、かしこまりました」
「こういうのって買う時すごい時間かかると思ってましたがあんがい早いのですね」
「いいか?金があれば即一目惚れした商品が買えるわけだ。だから早い」
「よくわかりませんがそうなんですね?」
「ただ、次は難関だ。冷蔵庫ってのは巡り合わせが悪いと損失がでかいからな」
「冷蔵庫、あの細長い箱の列ですか?まるで棺桶のような」
「あぁ、あれがあればアイスを家で食べれる」
「それはあまり期待してませんが」
「とりあえずあんた、配送と施工の手続きできる範囲でやっといてくれ、その間に選んでくる」
「かしこまりました」
「さーて、これが難関なんだよ」
「何故ですか?」
「どれくらいの食材を常にストックしたいか、またどうやって部屋に収めるかとかもあるな」
「そうですね、基本的に毎日買いに行くのでそこまでのサイズはいらないですね」
「そうだなー、ならこれくらいか」
「色々あるんですね、大変そうです。設定とか」
「そうか?俺適当にやってたけど弊害なかったから」
「なら大丈夫そうですね」
「あとさ、あとさ!俺の部屋にも専用の欲しい!」
「えぇいいですよ?」
「いいのか?!!よっしゃ!」
「ワイン用のもあるのですね?」
「あるぞ。なんだ、お前好きなのか?」
「え、えぇ。ワインは嗜みですよ?」
「まぁ確かに様になるな」
「でしょ?まぁココ最近は飲んでおりませんが」
「まぁだったら買えば?」
「さ、さすがに私が嬉しみを得るのは」
「なんの責務か知らんがいいと思うぞ」
「では買いますか」
全部配送にしてもらいそのままお昼ご飯を食べに向かった。
「丸が、丸があぁぁ」
少し頭が混乱していた。なんせ分かっていたけど丸が半端ないほどあったからだ。
「気にしては行けませんよ?必要経費ですので」
「さて、飯食うか」
「何を食べるのですか?フードコーナーでしたっけ?沢山ありますが」
「最近和食が多いから洋食でも食うか」
「日本なのに和食以外あるんですか?!」
「は、はぁ……オムライスにするか」
「いいですね、確か卵に炒めたご飯を包んだ物でしたよね?」
「あぁ、あそこの店半端なく美味いからな」
入口の地図に前世行きつけだったオムライス屋さんがあるのを知ってたから、昼はココで食おうと決めていた。女神にとめられても意地でも行ってやるくらいに美味いんだよな
「私も覚えたら作れますかね?」
「ん?作れるよ。店レベルは時間がかかるだろうけど、なんせ俺でも作れるんだぞ?」
「なら今日食べて覚えます!」
「おーそれはいいことだ。家でも食えるゴクリ」
「別に言ってくれれば洋食も作れますよ?」
「いや、なんかな和食メインの方が体が軽くて動きやすい気がするからさ」
「えぇ、栄養豊富でサッパリしてますもの」
「さて、並んでるねぇ……」
「行列は2種類あるそうですが、興味か真実か」
「真実だよ」
「余計に覚えたくなりますね」
「だろー!俺も前世ではロ────」
「センシティブですよ?」
「だぁぁぁぁ!!!別にそんなやばくねぇよォ!!!」