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俺、宿題多めに出される

校長先生に見られたらクビ飛ぶぞって勢いで追いかけて来る先生。

「ひゃっはー!おらおら!逃げろ逃げろ!」

「おい、アイツほんとに先生かよ」

「紫雨音ちゃん!ほらこっち」

走る、走る、走る。元陸上部最強の実力を、嘘だけど

「うぉぉぉ!!」

「目標発見!!」

ギュィィン!!とボールじゃない音をたてながら高速カーブ回転するボール。柔らかい素材のせいか三日月型に、アニメだけじゃないのかと謎に感心する紫雨音

「へっ、しゃーねぇな!神々に与えられしこの力を今解禁する!」

昔の重い体と違い軽く、そして俊敏に動ける体。

そこに曲がりなりにも色々な本を読み漁った脳みそ

「この程度のボール受け止めてやるぜ!」

調子に乗りボールの前に出る

「お、おい万年そこは避けろ!」

先生は当てるつもりなどなく普通に逃げれば逸れるルートで投げてたようだ。

そんな先生の不安は訪れること無く紫雨音の腕にボールが吸収された

「よっしゃっ!取ったり!取ったり!」

「まじか、昔ドッチボールのキューなんて呼ばれてた私のボールを止めるヤツが居たなんて」

「安心しな、俺も昔ドッチボールの肉壁と呼ば、おっと。なんでもない」

ジリジリと距離を詰め合うふたり

「さぁ万年、ボールを渡すのだ」

「嫌だね、渡した瞬間に当てられるのは馬鹿でもわかる」

「ふっ、聡いのはいい。だが時に信じるのもありだと思うが」

「そんな性格してるから独身なんだよっ!ほら!婚期と一緒で逃げてくぞー」

ボールを真横に投げた

「あ、まって!私の婚期」

走り出す先生。ネタなのかマジなのかは分からない

「やったね!いえーい!」

姫とハイタッチを交わす。

「おうよ」

「毎度の事ながら思うがあの先生昔からアレなのか?」

「そうだよ。1年の時から担任だったけど」

「よく続いてんな」

「噂によると前の学校で立て篭り事件の被害者に、前の前の学校では目の前で生徒を亡くしたって聞きましたが」

何処で用意したのかペットボトルに水を入れて持ってきた美乃がそう告げた

「壮絶だな」

「そうね、なんか可哀想に思えてきた」

「ってか美乃なんで知ってんだ?」

「大人には大人のソースがあるのですよ」

「さすが!美乃ちゃん」

「おっと、そんな話してたらモンスターが来たぞ」

立ち篭る煙もなく、あるのは熱波を大地が反射して出来たカゲロウのみ

「やぁ、3人とも。元気かい?」

爽やかな笑みとは裏腹に少し凹むくらい強くボールを握った先生

「さっきね、校長先生に見つかって生徒が飛ばしたボールを拾ってましたって誤魔化したんだよ」

「いや、なんの申告だよ」

「そしたら確かにたまには先生自ら生徒たちの輪に入り遊ぶのもまた興だと」

「おいおい、姫!美乃!逃げるぞ!あの目は依頼を受けたアサシンだ!」

たかが10分の休みなのに永遠に続く時のように感じていた。


「えー、皆さん。酒肴先生が倒れたので、僕が変わりにやります。と言っても酒肴先生のクラスは保健の授業の範囲がもう終わっているみたいなのでレクみたいなことでもしますか」

代わりに来た殻瀬織(からせお )花生(はなお )先生がレクリエーションの提案をした。

このクラス授業大丈夫かってくらいやってねぇよ

「皆さんローマ字って分かりますよね?パソコンの授業で1年からやってますもんね」

最近の小学校怖っ、俺の時パソコンあったっけか?

「先生がローマ字にした物の名前を逆から日本語に起こしますので当てて下さい。メモしてやるのもありですよ」

「??」

「紫雨音ちゃんフリーズしてるよ」

「はっ?!」

「まぁ難しいから最初にお手本見せますね。例えばみんな大好きゴキブリはgokiburiと表記しますね?それを逆から読むとイルビコグになります。先生はこの逆になった文字を書きますので当ててみてください」

小学校低学年になにやらすんだよと思ったが意外とグループを形成して話し合ったりしていた。

大人が思考を遮断してるだけで思考能力は高いんだと1人虚しく共感者のいない納得をしていた。

「しーうねちゃん!あれ分かる?」

黒板にはオヂアクコフと書かれていた。

「ちょっと待てよ。書いてみるとodiakukohuだから、ウホコカイドウになるわけだ」

「そんなの聞いたことないよ?」

「そこでだ、Uの扱いについて考えた時、最後のUは多分消していい。そうするとホコカイドウ」

考察している間に手を挙げてウホコカイドウと言ってるヤツやフコクアヂオと言ってる奴が現れ始めた。

全てノーと言われている

「ホコカイドウも無いから、想定出来るとすれば。あれだな」

「紫雨音ちゃんわかったの?」

「あぁ、まぁ見てな」

「えっと、万年?か。ん、万年どうぞ」

「北海道!」

「素晴らしい正解だ」

横にHokkaidoと書いてどうしてオヂアクコフになったかの説明が入った。

「次は少し難しくするぞー」

イギフコツと先生が書いた。

「姫わかんないよー、紫雨音ちゃんパス」

「あぁ、解いてみるか。まずigihukotuとなる。ウトクヒギになる訳だ。またウは棄てていいとして、トクヒギか。北海道の流れから県名で来るとしたらトクヒギじゃおかしいから」

「紫雨音ちゃんが暗号を」

「そうだ、美乃。分かるか?」

俺と姫が頭を抱える所を微笑ましそうに見ていた美乃ならもう解いてるかもと一縷のとまでは行かないが可能性にかけて見た。

「解けてるよ。でも紫雨音ちゃんと姫が解けるまで待ってるわ」

「こ、これが大人のほーよー力とやら!」

「美乃に解けるなら俺にだって!」

ふっ、この程度。小学校レベルに合わせてただけで解けるさ。

トクヒギだが、県名とすると栃木だろうな。だが、クヒの謎を改名するまではまだ言わない!

「どうだー、みんな苦戦してるだろ!特別ヒントをやろう。県名だ」

北海道の時より手を挙げてる人が少なかったが先生のヒントで確信を得たのかみんな手を上げる。

答えは徳島や富山、全て的外れ

「kuhiだが、まてよ……ほんとにKか?って事は仮置きとしてCにするとcuhiになる。Uがまた湧いてきたと考えればチ、つまり!先生はい!」

「威勢がいいな、よーしなら万年」

「栃木!!」

「また正解だ!今回は解説入れても難しいかもしれないが、ここがこうで~」

「紫雨音ちゃんよくわかったね!さすが」

「ふふ、私が教えるまでもなかったね」

「ほんとに小学校か?って難易度なクイズだな」

「そうかな?」

「あぁ、少なくとも30年くらい、なんでもない」

「よーし、次は少し簡単にしてやろう」

エイムと黒板にかかれた。

1部のヤツらがアシストが云々と専門用語で語り始める。

「eimだから三重か」

「だね!」

結局チャイムが鳴るまで6問程解いて授業に幕がおりた。

放課中も盛況でそれを使って会話したりと、ある主ブームになっていた。


「えぇー、さっきはすいませんした。いやーはしゃぎすぎた!」

どうやらバカ担任は復活のご様子。

「んじゃ、授業すんぞー!今日は間違えやすい外貨との交換時に置けるなんとやらを説明するぞ」

黒板に日本とアメリカを書く先生。

「いいか?例えば今は1ドルあたり130円だ。これが1ドル80円になったら何処が得をするかって話だ」

''1ドルは130円、1ドルでリンゴが一つ買える。

1ドルは80円、1ドルでリンゴが一つ買える。''

「と、こうなるわけだ。見てわかる通りドルの価値が下がるわけだ」

「この状態は日本が得をするから円高という」

「逆を見てみよう。例えばAさんがアメリカで100ドル稼ぎました。日本円に直す時どちらが得をするか」

''1ドルは130円、100ドルで13000円

1ドルは80円、100ドルで8000円''

「こう見ると上の方が得だろ?ドルから円に変える時に得する状況は円安という。ここで重要になるのはA国から見た時、得するかしないかという限定を作る事だ。そうする事で分かりやすくどちらの通貨が安く、どちらが高いか分かるようになる」

「じゃぁ今から問題出すぞ、3問出すからな。先生が見回って分からない人は手伝うから手を挙げとけよー」

''Aさんは500ドルを5万円にしたいです。1ドルいくらの時に変えればいいでしょうか。また、円安か円高かを答えなさい※基本1ドル110円が相場とする''

「なんか、珍しくちゃんとやってんな」

「だねー、だけど姫には内容さっぱり!」

「まぁあれだろ。円高の100円だ」

「さすが紫雨音ちゃん」

''Aさんは6万円を180ドルに変えたいです。1ドルいくらの時に変えるといいでしょう。また円安か円高かを答えなさい※基本1ドル110円が相場とする''

「これ割り切れるか?ってか割り算とかやってるのかみんな」

「わりさん?あー、少しやったよ。よく分からなかったけど!」

「これは答え333.3…の円安だな」

「すごい!揃ってる」

「先生が意図的にしたのかどうか気になるが、適当だろうな」

''Aさんは600ドル、Bさんは59000円持っています。1ドル100円の時どちらの方がお金を持っていますか?''

「これは簡単だな、姫でも解けるぞ」

「そんなぁー、見捨てないでよ紫雨音ちゃん!」

「円に直すかドルに直すかだが」

「んー!ドルで」

「なら、59000をドルに直す時100割事になる。100割る時は後ろの丸を消すだけだ」

「あ、わかった!5900ドル!」

「おうおう、それじゃ1ドル10円になるぞ」

「えっと、うーん難しい!」

「しゃーねぇな。答えは590ドルだ。ほら、ここをこうして」

「あ!ほんとだ」

「だろ?」

「おー、万年割り算できるのか。流石だな」

「げっ、先生」

「げっ!じゃねぇーよ。いや待てよ、姫が解けなさすぎなだけか」

「違うよ!紫雨音ちゃんが賢いだけ」

「そうだったな、万年妙に賢いからな。そんな姫には宿題をたんまり出してやる」

「ひぇ!横暴ですよ!」

「はっはは、残念だったな姫」

「ん?なんだ万年も欲しいのか?そうかそうか。今回のテストは殆どこれだからな、出来ない人ようにたんまりと用意してるんだよ」

「い、いやいらないす」

「そうか欲しいか!欲しいか!ほらやるぞ」

悪魔が過ぎ去る。

ホントこいつ先生かよ

「災難だったね2人とも」

「美乃ちゃーん助けて」

「そういやお前やけに危機回避能力高いよな」

「2人が墓穴ほってるだけですよ」

「うぐっ」「ぼけつ?」

「まぁ自爆って事だよ……」

「頑張ってね2人とも」

「今日紫雨音ちゃんの家に遊びに行くから教えてもらおっと」

「だァァ!こうなりゃやってやんよ!あの─────────────────────」

わっつ!センシティブ!!

「万年、五月蝿いぞ!宿題2倍な!」

「うせやろぉ……」

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