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第11話前篇

季節は夏。強い日差しが容赦なく照りつけてくる。どこの高校も夏休みに入っており俺の高校も例外ではない。しかし、これといって何か予定があるわけではないので、することといえば仕事ぐらいなものだ。夏休みの課題みたいなものも出されたが夏休みに入る前にあらかた終わらせてしまった。うちの担任はこういったことにはえらく厳しい。宿題などの提出を忘れると…思い出すだけも恐ろしい。

まぁそんなわけで無駄に夏休みを消化している俺であった。今日も家でダラダラしていると、俺の携帯が鳴った。液晶画面を見るとユリアからだった。

「もしもし」

『もしもし、元気にしてる遊馬?』

「それなりに元気だぞ」

『そう、なら良かったわ。とこれで明日暇?』

「明日?たぶん暇だ。今のところ仕事も入ってないし」

あまりうれしいことではないけどな。

『だったら、明日一緒に出かけない?』

「なんだ?デートのお誘いか?」

『ふふっ、まぁそんなところよ。で、私のお誘いお受けしていただけるかしら?』

「喜んで、お供させていただきますよ」

『じゃあ、明日10時に駅で待ち合わせしましょ』

「了解」

こうして俺はユリアと出かけることになった。



俺は約束の時間の10分前に駅前に着いた。駅前は人が多くユリアを探すのに少し手間取った。やっとユリアを見つけたがその隣にはもう一人女の子がいた。よく見るとそれは桜だった。俺が近寄ると二人は俺に気がついた。

「おはよう…」

「おはようございます、遊馬さん」

あきらかにユリアのテンションが低い。なにかあったのか?

「おはよう、ユリア、桜。桜はどうしてここに?」

「ユリアさんに誘っていただいたんです」

「そ、そうよ、私が誘ったの。やっぱり人数が多い方が楽しいと思って」

桜は笑顔でこたえるが、ユリアの顔は真っ青だ。

「大丈夫かユリア?具合でも悪いのか?」

「そ、そんなことないわよ。さっ早く行きましょう!」

「?」


遊馬は知るよしもなかった。遊馬が来る前に、

「こんにちは、ユリアさん」

「桜なんでここに!?」

「私をたぶらかそうなんて考えない方がよろしいですよ」

「は、はい。申し訳ありませんでした!」

なんてやり取りがあったことを。


駅前を出た俺たちはまず映画館に行くことにした。なんでも携帯小説をもとにした恋愛映画が放映中らしく、ユリアはそれが見たいとのことだ。恋愛ものというのはあまり好きではないのだが、桜も見たいと言ったのでしぶしぶ従うことにした。

しぶしぶ見ることにしたものの、映画はなかなか感動的であった。恋愛ものが苦手な俺でもウルッときてしまうほどだ。ユリアと桜は本当に涙を流していたが。時刻はもう正午を過ぎており、俺たちは近くの店で昼食をとることにした。俺たちが入ったのは商店街にある落ち着いた雰囲気の洋食屋で、値段の割に量があり味も良かった。

「これからどうするんだ?」

俺がユリアに聞く。

「そうねぇ…」

ユリアが考えていると…


「きゃああああ!」

「逃げろぉ!」


店の外から悲鳴が聞こえた。

「なに!?」

ユリアの言葉を聞く前に俺は店の外に出た。すると、一組の男女が商店街の道の真ん中で対峙していた。男の方は長身長髪、黒い髪に黒いスーツという黒づくめ。女の方は黒いショートカット、制服の上に革のジャンパーという少し変わった格好。背丈的に高校生だろうか。これだけでは誰も悲鳴をあげないだろう。問題は女の手にしている物にある。彼女は両手に銃を持っていた。俺が状況を理解し終えると同時に彼女は男に向かって引き金を引いた。間違いなく急所を狙っていたが、男はそれを難なくかわす。女はそれに構うことなく引き金を引き続ける。しかし、彼女の放った弾丸は男に当たることはなかった。

「あの男、強い」

こういう事にはあまり関わらない方がいいんだけどな。俺がそんなことを考えていると女の両肩から血が飛んだ。男が撃った、それはわかる。しかしいつ銃を抜いたのかがわからない。

「今はそんなこと気にしてる場合じゃないか」

俺は行動を起こした。



「くっ」

相手がただ者じゃないことはわかっていたけどここまでとは。両肩を打ちなかれ銃を握ることができない。

「ダメじゃないかこんな人の多いところで銃なんて使ったら。危ないだろ?」

男が私に向かって言う。

「うるさい!人殺しのお前が何を言う!」

「人に銃を向けておいてその言い方はないだろう。君も似たようなものじゃないか」

男はゆっくりと銃を向ける。

「俺はなるべく仕事の時以外殺しはしないようにしているけど、銃を向けらて少しイラッときちゃったんだよね」

ここまでか…そう思った時。突然男が後ろに跳んだ。男のいたところに手裏剣が刺さっている。コンクリートの道路にブッサリと。私が驚いていると店の屋根の上から人が飛び降りてきた。般若の面をつけた男、私と同じ年くらいの少年だと思う。

「何のつもりだ?」

男が少年に言う。

「嫁入り前の女性の体に傷をつけるなど言語道断、私が成敗してくれよう」

そう言って少年は背中から刀を二本取り出し両手に構える。よくあんなものを背中に隠し持っていたものだ。

「それ、銃刀法違反だよ」

「貴様に言われる筋合いはない」

少年は男に斬りかかる。その動きは一瞬で素人には消えたように見えただろう。男の服が切れる。これを見て男は驚いている。

「ほう、俺に触れるとは」

「!」

少年が後ろに飛ぶと地面に弾丸が当たる。まただ、私には男が撃った瞬間がわからなかった。

「すごいな。俺の銃をかわす人間なんてめったにいないのに」

少年はひるまずにまた男との距離を詰める。今度は一撃ではなく両手の刀を連続してはなつ。男はそれをかわしながらも銃を撃つ。少年もそれをかわす。瞬きもすることを許さない攻防が繰り広げられる。

「ぐっ」

少年の刀を腹に受け男がくぐもった声を出す。峰打ちらしいが相当効いている。少年は追い打ちをかけるが男はそれをかわす。

「お前とやり合うのは部が悪いな」

そう言って男は何かを投げる。煙幕だ。あたり一面は煙で覆われる。煙が消える頃には男の姿はなく、私は気を失ってしまった。



「逃げられたか。こっちも危なかったな」

銃弾をかわすのは容易ではなく、1,2発かすって血がにじんでいる。

「今はあいつを追うよりもこの子の方を何とかしなきゃ」

血を流しすぎたのだろう、気を失って倒れている。俺は桜の方に顔を向ける。彼女もわかったようでユリアを連れてこの場から去る。俺も彼女を担いでこの場を後にした。





















どんどん女性キャラが増えていく気がする…。このままでいいのでしょうか?

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