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第8話中篇

「ユリア、起きろ。ユリア」

誰かが私を呼ぶ声が聞こえる。目を開けるとそこには私の父、ルドルフ・バルバートルの顔があった。

「お父…さん…?」

「ああ、大丈夫か?」

「うん…」

少し頭がボォっとするが体の方に異常はない。

「ここは?」

「わからない…どこかの倉庫のようだが」

あたりを見回してみると、たくさんのコンテナが置かれている。確かに倉庫のようだ。

「お父さんはどうしてここに?」

「車で移動している時に襲われたんだ。運転手は殺されてしまった」

「そんな・・・」

お父さんの運転手とは顔見知りだった。何度か話したこともある。とても明るくて面白い人だった。あの人が殺されただなんて。


「お嬢さんもお目覚めのようだな」


黒いスーツを着た男が私たちの方に歩いてきながら言った。男の後ろには数人の銃を持った男たちがいる。

「俺たちの事ずいぶん嗅ぎまわってたみたいじゃないか。バルバートル外交官」

「私たちの方から会いに行こうと思ってたんだがな」

「いや、こちらとしてもあなたに会うつもりはなかったんだがね。あなたがあまりにも頑張るもんだから、こちらから出向いたわけだよ」

「それは御丁寧にどうも」

お父さんは全く臆した様子はない。

「今日こうしてあんたに来てもらったのは、あんたが集めた俺たちの組織に関する情報すべてを消去またはこちらに渡してもらいたいからだ」

「…」

「こちらとしてはあまり面倒なことはしたくはないんでね。領事館に直接なんかするなんて事はしたくないんだよ」

「なるほど、だから私に情報の保管場所を言えってことかい?」

「そういうことだ。お決まりのセリフだがもし言わなかったらあんたら親子の命はない」

その言葉に私は怯えた。私も狙われているかもしれないという事はわかっていたつもりだ。だけど今とてつもなく怖い。

「娘だけでも助けてくれ…と言っても無駄なんだろうね」

「ああ、二人一緒だ。いいじゃないかもしもの時は一緒に女房のところに行けるぜ」

「!?」

「あんたの女房、違法な銃が原因で死んだそうじゃないか」

そう私の母、フローラ・バルバートルはフランスで事件に巻き込まれて亡くなった。そのときにお母さんの命を奪ったのは、違法に所持されていた銃だった。その後からだ、お父さんがこの仕事を始めたのは。お母さんのような人を少しでも減らせるようにと。

「さあ、バルバートルさん。教えてくださいよ」

「…」

お父さんは何も言わない。その様子を見て男は懐から銃を取り出し私の額に突き付ける。

「じゃあまずお嬢さんから…」

「私の服の内ポケットの中だ」

ついにお父さんは答えてしまった。男は内ポケットに手を入れ、何かを取り出した。それは一つのUSBメモリであった。男はそれをパソコンに挿し、中身を確認する。

「たしかに、これで間違いないようだ」

メモリをはずし懐にいれる。

「さてと、受け取るものは受け取ったし…消えてもらいますか」

その言葉を聞き、一斉に銃をかまえる男たち。なんとなくわかっていた展開だ。

「すまないユリア、こんなことに巻き込んでしまって」

「お父さん…」

「フローラに申し訳ないよ」

「…」

私は何も言う事が出来なかった。私はここで死ぬのか。




嫌だ…まだ死にたくない…




「じゃあな、お二人さん。あっちで家族そろって仲よくしてくれや」

男たちが引き金を引こうとする。





「三条君!!」








「呼んだ?」







「へ?」

つい間の抜けた声を出してしまう私。次の瞬間上の方から無数の手裏剣とクナイが降ってきた。その量は半端ではなくまさに雨のようだ。

「ぐあぁぁぁぁぁ」

「ぎゃぁぁぁぁぁ」

男たちの体のいたるところに手裏剣がささる。外れたものも地面に突き刺さっている。下はコンクリートなのに…。さらに驚いたことにあれだけの数の手裏剣を投げたのにすべて急所を外れていた。

「なんとか間に合ったな」

すたっと着地して学生服姿の三条君は言う。

「三条…君…?」

「なに?」

彼はいつもの調子で言う。

「どうしてここに?」

「校長に君のお父さんがさらわれたって聞いてさ、君もやばいと思って車のナンバー憶えてたから桜に調べてもらって追っかけてきたんだよ」

「車のナンバー?」

「ああ、なんか嫌な予感がしてね。いや〜良い予感は当たんないのに嫌な予感ばっか当たっちまうんだよ俺」

「そ…そう…」

私は顔を引きつらせながら言う。

「ところで怪我は?」

三条君は私たちに巻かれているガムテープを切りながら言う。

「大丈夫よ」

「ユリア…彼は一体…」

「えっと彼は…」

「なにをしている!!」

お父さんの質問に私が答えようとすると、男たちの仲間がこちらに向かってきた。

「その話は後で二人は後ろに…」

三条君はそう言って懐から何か取り出し、男たちに向かって投げる。すると…



ドガン!!



爆発した…




「…」

私は唖然として声をなくす、お父さんも驚いているようだ。

なおも三条君は懐のものを投げる。

ドガン! ドガン! ドガン!

煙が消える頃には誰も立っていなった。

「よしっ」

「よしっじゃなぁぁぁぁぁぁぁい!!」

思わず突っ込む私。

「なに今の!」

「手榴弾」

彼はサラッと答える。悪びれた様子はない。

「いまさらだけどあなた一体なんなの!?」

「忍者だよ」

「忍者が手榴弾なんて使うの!?」

「使うよ、便利だし。ていうか忍者ってことは気にしないのね」

「うるさい!人が死んだらどうすんの!?」

「大丈夫この手榴弾は特別製だから。滅多な事がない限り人は死なない…はず」

「自信なさげに言うなあぁぁぁぁ!!」

「そんなことより逃げるよ」

私の言葉を気にせずに言う。組織より彼の方が危ないと思うのは私だけ?そう思いながら彼についてお父さんと私は走り出す。




















なんかこの展開ベタですかね?なにかアドバイスがあればお願いします。

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