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ファントムレイド  作者: 高町 凪
エピローグ
17/17

これから

ファントムとⅩとの決戦が終息し、アライブ、暁の面々はひとまずの終息を迎えた。


一週間後、今回の戦いは『第二次ファントムレイド』と国が称し、この情報は瞬く間に世界に広がった。


ファントムはこれ以降、急速に出現数が減っていった。やはりⅩを倒した影響は大きかったのだろう。


そしてここ、葉織家で凜達はしばしの休息を満喫していた。


「ずずっ・・・・はぁ。やっぱり紅羽のお茶は美味しいなぁ」

「ふふっ、ありがとうございます。お菓子もあるのでどうぞ」

「ありがとう」


居間にて凜と紅羽がお茶を飲みながらゆったりしていた。


「それにしても、第二次ファントムレイド・・・ファントムが日本だけでなく、世界規模で出現していたなんて。Ⅹは世界にまで幅を広げて準備していたんですね」

「そうみたいだね。まあ、どうせ無理な話だったけどね、一人で世界をどうこうなんて」

「・・・凜様は、Ⅹのことやたらと毛嫌いしていますね。まあ好きな人なんていないでしょうけど」

「・・・・・・まあ、ね。あの時も言ったけど、Ⅹは精神的にまだ子供だったんだ。失敗して、裏切られて、殺されそうになって、復讐を誓って。でも殺されそうになった時点で、誰かに助けを求めるべきだった。人間全てが冷たいわけじゃない。誰かは助けてくれるかもしれない。・・・希望論だと言われればそうかもしれないけど、最後まで人を、一度自分が信じたものを最後まで信じることができなかった。だからあいつは子供なんだ」

「・・・・凜様」



(ああ、知っている。これは過去、アライブを抜ける前の凜様だ。Ⅹはあの時の凜様とよく似ていたのか。だから凜様は、あんなに・・・・。)


紅羽は過去の凜のことを思い出し、居た堪れない気持ちになった。


(でも、今は違う。あの時、私はただ付いて行くだけだったけど、今度は私が・・・)


「凜様・・・」

「うん?なに・・・・・え、紅羽?」


紅羽は凜をそっと抱きしめた。優しく、慈しむ様に頭を撫でながら。


「凜様、忘れないでください。今のあなたには、私がいます。みんながいます。凜様はひとりではありません。ですから・・・・」

「紅羽・・・・。うん、わかってる。ありがとう」

「あ・・・・・」


そんな紅羽を凜もそっと抱きしめ返す。途端に気恥ずかしくなった紅羽だが、同時に幸せも感じたため、二人はしばらくそのままでいた。


するとそこへ――――――。


「おーい、帰ったぜー、大将」

「ただいまだ、凜、紅羽」

「うきゃぁぁぁぁ!!??」


突然帰った樹と善治郎に驚いて奇声を上げた紅羽。凜は「あはは」と苦笑いしながら、二人に目を向けた。


「お帰り、二人とも。どうだった?」

「おう、特に問題はねえぜ! ファントムも少数だし、街の復興も割と進んでるみたいだ」

「それと近いうちに信たちがこちらに来るそうだ。色々と情報をまとめたいことがあるらしい」

「わかった」

「ん?あいつらはまだ帰ってないのか」

「あ、それならもうすぐ・・・・」


「「「ただいまー!!」」」


「と、帰ってきたみたいね」


アリア、茜、美雨が学校から帰ってきて、全員がそろった。


「お帰り、みんな」

「・・・ただいま」

「お兄ちゃん、話があるっていってたけど」

「今後の活動のことだっけ?」

「うん、とりあえず座りなよ」


そう言うとみんなが定位置に着く。


「それじゃ、今後の暁の活動について話すことがあるから、しっかり聞くように」


みんながうなずいたのを見て、凜は言葉を続ける。


「ファントムの出現数が減った今、正直アライブに任せればいい。なので俺たちは、とあることを調べることにする」

「とあること?」

「以前、俺がアライブに居たとき、極秘の機密資料を読み漁ったんだけど」

「ああ、前に言ってたやつね」

「そう、そん時、ある記録を見つけちゃったんだよね。かの者の力の再現を成功した。アビリティを人に譲渡することは現代技術においても可能である。ってね」

「それって・・・」

「うん、十中八九、Ⅹのことだね」

「そう、つまりⅩを裏切ったのはおそらくアライブの人間。そしてそいつはⅩの力を複製して、なにかを企んでいるんじゃないかって、俺は思ってる」

「・・・凜、それを調べるのは構わないが、危険が過ぎないか」

「確かにそうかもしれない。なにせバレればアライブに喧嘩売るってことになるからね」

「でもやるんですよね?」

「やる。これ以上、くだらないことで戦争を起こさせたくないからね」


決意に満ちた凜の表情をみて、みんながうなずく。


「・・・ありがとう。よし、それじゃこれを今後の方針とする。各自、無理のない範囲で励む様に!」

「「「「「「了解!!!!!」」」」」」

「では解散!」


Ⅹはいなくなった。しかし、かの者の脅威がなくなったわけじゃない。凜達暁はこれからさらに激しい戦いに身を投じていくこととなる。

ひとまずここで終了とします。

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