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『初恋』  作者: 榊原シオン
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恋に落ちて……

 俺は、一人気になる女性が居る。

 クラスメイトの茅野さん。


 気になるようになったキッカケはあれだ…。

 え〜と……。そう、あれだ!

 いつも一人で居るのが気になったんだ。


 彼女は美人の部類に入ると思う。ただ、彼女は自分から誰かに声を掛けるタイプではなかった。


 いつも一人、窓際の席で静かに本を読んでいた。




 気になるようになって改めて見ると、色々な事に気付く。

 本を持つ指が綺麗なんだな。とか、爪ちゃんと手入れしてるんだ。とか……。



 ただ、自分が恋に落ちた瞬間だけは、覚えてる。


 いつも通り、窓際の席で本を読む彼女。クラス替えしたばかりのまだちょっと肌寒い春の日の午後、少し開け放たれた窓から、そよ風より、ちょっと強い風が吹いたんだ。


 その風に、本に目を落としていた彼女が不意に視線を上げる。長い髪を綺麗な手で押さえ、遠くの空を眺める。

 その仕草が、その何気ない仕草から目を離せなくなっていた。


 そう、俺はもうその瞬間に恋に落ちていたんだ……。





 自慢じゃないが、俺は女性にモテる。告白されたのも一度や二度じゃない。

 ただ、誰かに告白したいと思ったのは初めてだった。

 どうしても、自分の気持ちを茅野さんに伝えたいと思ってしまった。


 だから、俺は頑張ったんだよ!


 茅野さんはクラスメイトとはあまり話さない。LINEでやりとりなんてしてるクラスメイトも居なかった。


 だから、仲の良い女友達にお願いして、彼女の中学時代の友人から、LINEのアドレスを聞き出して貰ったんだ。




 アドレスをGETしたのに、なかなか茅野さんにメッセージは送れなかった……。

 送ろうとする度に、心臓がここに居るぞ!って位、自己主張しやがるんだ! スマホを持つ手も震えやがる。


 何日も何日もそんな日が続いた。

 気が付くと、一学期は終わり、夏休みに入ってしまっていた。


 こんなはずじゃなかった!

 もっと、早く告白して、夏休みは茅野さんとデートしまくる予定だったんだ。


 だが、それが出来ずに、茅野さんに逢えない日々が続く……。





 長い長い夏休みが終わった。


 久しぶりに学校に来て、茅野さんの横顔を見ただけで、やっぱり好きだ!って気持ちが溢れてきた。


 だから、俺こと松井は、その夜、意を決して遂に茅野さんにメッセージを送ったんだ。


 ただ、一言。「好きです」と、だけ……。


 だが、未だに彼女から返信は来ない。




 秋の爽やかな風が、今日も彼女の髪を、優しく(なび)かせていた……。

初めて恋愛物を書いてみました。いかがだったでしょうか?

評価を入れて頂けると、嬉しいです。


作者は別タイトルで『狩人と銀色の花嫁』を連載中です。

ファンタジーではありますが、そちらも読んで頂けたら幸いです。


榊原シオン

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