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『初恋』  作者: 榊原シオン
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気が付くと……

 私は最近、気付くと一人の男子生徒を目で追ってしまっている。


 理由は分かっている。

 先日、不意にLINEに届いた『好きです』の一文字。


 彼は私のアドレスなんて知らないはず……。


 誰に聞いたの?

 なんで私なの?


 私の頭の中はその事で頭が一杯で、未だに返信は出来ていない。


 彼、松井くんはクラスの人気者だ。

 対照的に私はよく言って物静か、本が友達って位で仲の良い友達も居ない。


 彼は私のどこを気に入ってくれたの?


 私とは間反対の廊下側の席でクラスメイトと楽しく談笑する彼を一人見つめてしまう……。


 授業中、休み時間、気が付くと彼を見つめてしまっている自分がいる。


 ふいに届いたLINEのメッセージ

 あれが私の心を盗んでいってしまったの?


 自分で自分の気持ちが分からない。

 ただ、視線はいつも松井くんを追いかけてしまっていた……。


 時々、松井くんが私を見る時がある。

 休み時間、友達と談笑してる時にチラッと。


 私はその視線に気付くと、恥ずかしくっていつも目を背けてしまっていた……。


 その度に後悔する。

 松井くんを傷付けたのではないかと。


 私はこんな私が嫌だ。


 殻に閉じこもってばかりの私。

 人気者の松井くん。


 どう考えても、釣り合わないよね……。


 私が、松井くんの告白にYESと答えたら、周りの人はどう思う?

 そう、答えは分かってる…。


「松井、お前何の冗談なんだよ(笑)」


 きっと、私と彼が付き合っても誰も信じない。


 だから、私の答えは決まってる。


「松井くん、貴方はとても素敵な人。私なんかよりも、もっと素敵な人が居るよ」


 そう、心の中で呟く。

 今更、LINEには返信出来ない。


 私、茅野は彼に返信の手紙をしたためる事にする。


 私の心とは裏腹に、今日も秋の気持ちいい風が、窓から吹き抜けていった……。

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