第45話 力
「ユウマさん、説明してくれますか」
「あ、あれは、少し感情的になっててなぁ」
「どういうことですか」
凄く笑顔だが全然目は笑ってなかった、
「ゆ、夢だよ。少し酷い夢を見てな」
「夢ですか」
「ああ、ちょっとな」
俺は立ち上がるとセラも抱きしめた。
「本当に酷い夢だったから。皆を見て安心した」
「ユウマさん、これはずるいですよ」
「ごめんな、急に抱きしめて」
「もう、いいですよ。さあ食べましょう」
皆が席につくと、
『いただきます』
今日は魔物達の肉をステーキにしたものだった。
「これ、だれがつくったんだ」
「私だぞ」
「以外と料理上手いな」
「ユウマ、失礼だぞ」
「まあ、まあ、でもこれは上手いな」
今夜の食事はステーキだけでなく少ない素材でスープまで作っていた。
「ありがとう」
そう言って微笑むエリーの表情は本当に幸せそうだった。
夕食が終わり、各々床につくと俺は少し離れたところで、
「魔法は世の理をねじ曲げる。我はされども魔法を行使する。今一度我は魂に眠る力を解放する。我が魂に眠る意思は我とともに歩まんことを誓う。我が魂に眠る魔の意思よ、我に力を授けよ。〔潜在解放〕」
この技を使った瞬間、俺の魔力は底を尽きかけるがその威力は絶大だった。何故なら歴代の記憶がどんどんと俺に流れ込んでくる。ついでに記憶によると前前世の俺は神様まで上り詰めたようだ。
「さあ、試すか。燃える炎よ、敵を滅せよ。〔獄炎球〕」
俺が近くの岩に放つと岩は何も無かったかのように消滅した。
「や、やべえ」
俺はその時、この技はもう使うのは止めようと思った。
「おはようございます、ユウマさま。昨日は向こうの森で大きな音がしたんですが何か知りませんか」
「眠れなかったのか」
「いえ、大きな音でビックリしただけです」
「すまん、それ俺だ」
「ユウマさまでしたか。けどそんなのはお昼間にして下さいね」
「ああ、分かった。そう言えば皆ほどうしたんですか」
「セラちゃんは薪集め、エリーちゃんとサリーちゃんはこの回りの探索でユイちゃんは魔力の放流があったところの調査です」
「ああ、その魔力の放流も俺だ」
「本当ですか」
「ああ、ちょっとユイの所に行ってる」
「分かりました」
そう言って俺はこないだの所まで飛んでいった。
「おーい、ユイ」
「あっ、お兄ちゃん」
予想通り昨日俺が実験してた所にユイはいた。
「やっぱりここか、昨日の魔力の放流は俺の仕業だ」
「え、そうだったんですか」
「ああ、昨日試したいことがあって魔法を使ってたんだ。」
「そうだったんですか、じゃあ戻りましょう」
「そうだなユイ、俺につかまってろ」
「ん、どうしたんですか」
歩いて戻ろうとしたユイに俺につかまれと指示し、
「風よ運べ〔風魔法・エアフライ〕」
俺はユイと一緒に野営地まで飛んでいった。俺達が野営地に戻るともう皆が戻っていて、朝食を作っていた。それからは朝食を食べて、
「さあ行こうか」
『はい、』
俺達はそう言って森の中を進んで行った。




