第35話 セラとの関係
俺達はあのまま宿に戻って、夕飯を食べていた。
「ユウマさま、明日はどうするんですか」
「んー、そうだな。クエスト受けて、大体金貨50枚くらい稼いだらこの町を出ようと思う。」
ここで俺が金貨50枚と言ったのはこの町が小さかったからだ。
「はい、じゃあ二手に分かれてクエストを受けましょう。そうすれば早く稼げます。」
「分かった。なら明日は俺とドゴン、アイリスとユイ、エリーとセラでいいか。」
「はい、でもなぜドゴンさんなんですか」
「そう言えば言って無かったな。俺はあいつに場所を用意する変わりに俺達を少し手伝って貰おうとな。」
「そう言うことでしたか。では今日は早めに寝て、明日に備えましょう。」
「そう言うことなら、皆おやすみ。」
俺がそう言って階段を上ると、
「ユ、ユウマさん。あとでそちらに行ってもいいでしょうか」
やけに堅苦しい喋り方になっていたが、とりあえず、
「ああ、いいよ」
俺はそう言って部屋に戻っていった。
「セラちゃん、ファイト」
アイリスちゃんがそう言って背中を押してくるが、私は凄くドキドキしていた。
「い、行ってきます」
私はそう言って階段を上った。
コン、コン、
扉を叩く音がして、
「ユウマさん。入っていいですが」
「うん、いいぞ」
「失礼します」
そう言って入ってきたセラはあからさまに緊張していて、体も少し強張っていた。
「どうしたんですか」
「実はユウマさんに渡したいものがあって。」
「ん、」
セラはそう言って上着を脱ぐと、俺に抱きついてきた。
「貰ってほしいのは、私です」
そう言ったより力強く抱きしめてきたセラの体は緊張で少し震えていた。
「俺でいいのか」
「当たり前です」
「ふぁぁ」
俺は体を起こした。そして右側を見ると服ははだけているが、セラがすやすやと眠っていた。あと自分もはだけていることから察してほしい。俺がセラの寝顔を眺めていると、
「ん、ふぁぁ」
セラも目を覚まし、丁度目が合ってしまった。
「ひゃ」
セラはびっくりしたようで、ベッドから落ちそうになってしまい、咄嗟にセラを抱きしめた。
「おはようございます」
まだ少し顔を赤くし、そう呟くセラに、
「ああ、おはよう」
俺はそう言って頭を撫でた。
そんなこんなで朝を迎えた俺達だが、下に降りるとアイリスを筆頭に他の二人も一斉に視線を向けてきた。俺は嫌な予感がし、逃げようとするも、
「セラちゃん、ユウマさま。昨日は何してたんですか」
笑顔でも、目が全然笑ってないアイリスがそう問いかけてくるから俺に逃げ場は無かった。そのあとは大体察しがついていると思うが、アイリス達の質問という尋問にかけられた。




