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『あの頃じゃねえ』

思いだす 原風景 首絞めるママの手 顔はみえねえ 暗い部屋で 何も見えねえ 


 薄くなる意識 落ちる暗闇の底へ 落ちた先は死だぜ わかってた幼児の俺 


 ごめんね 謝るママ 身体しがみついたまま 泣きじゃくる 俺とママ でもまた締め付ける手


 無理心中 マジ死んじゃう 何度言われた 一緒に死のうか でも死 知ってたから断れた 手を引かれる そのまま水 沈むいく くすむ未来 冷たい足の先

 

 はじめて手振り解いた 愛してる 今でも でも俺は生きたかった いま思えば

何も知らないまま 死ぬのだけは嫌だった だから逃げだした それも昔 でも見えねえのは変わらねえ 


 何もねえ 昨日も明日もね 未だに手 取れねえ けれど仕方ねえ 


 これは強がり? ただの怖がり? それでも構わねえ ただ吐き出したい 詩に小説 ライム ただ書きたくてしょうがない うん それだけ だから笑われ さげすまれ されてもただ笑顔で手を挙げ 



 帰ってきたパパ 懲役何年? 確か八年? 罪状 知らねえ でも予想 してみれば 殺人未遂に 覚せい剤 

  

 殺したくなる今でも 死んだけど それでも 残された傷跡 身体に心 


 古傷 疼く 膿む心に忌む左胸のところ 引き換えに失った 大事な事と見つけたこと フラットに見れた他人と人の情 愛と情の中央 右往左往することの無意味を


 悪いことだけじゃねえ パパは俺の反面教師で駄目講師 こんな大人にはならねえ 思えて感謝だぜ でも教えてほしかった 本当の家庭 笑って酒飲んで 時には言い合って


 望むべきことはね なんて想像できねえ まさしく夢のまた夢 

   

 これは強がり? ただの怖がり? それでも構わねえ ただ吐き出したい 詩に小説 ライム ただ書きたくてしょうがない うん それだけ だから笑われ さげすまれ されてもただ笑顔で手を挙げ 


 親の手から離れ 一人住んで働いて みれば 状況 いまだ変わらねえ けれどもうあの頃じゃねえ 


 隣り合う死と生 それを書きなぐる詩として 小説ノベルとして述べる 書きつらねる それが生きる糧

 

 いつか売れて 死に絶えても 残る何か それが出来ると思いこんで思い込め


 これは強がり? ただの怖がり? それでも構わねえ ただ吐き出す 詩に小説 ライム ただ書きたくて殴り書く うん それだけ だから笑われ さげすまれ されてもただ笑顔で手を挙げ 本当の笑顔で手を挙げ やっと見つけた明日へ


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