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うちのコロ

私達と同じ様に、猫を飼った事がある人が、一人でも共感してもらえればと思い、書きました。

我が家では平凡な日々が送られていた

そこに

「うにゃあああおおおおおうううううぅぅぅん」

という、すぐに猫の鳴き声と分かる鳴き声が聞こえた


玄関に行ってみると

想像通り

猫が一匹 ちょこんといた

ヒマラヤンだった


何か欲しげである

でもこういった場合

何かをあげてしまった時点で

飼い猫同然という扱いになってしまい

餌代もばかにならない例も結構ある


しかし

「彼」は一向にたじろぐ気配もない

母が仕方なく

残りものだった魚の干物をやった


そうすると

かぶりつかんばかりに

ムシャムシャと食べている

よほど腹が減っていたのだろうか


そうして

一旦はその場から立ち去った


前もって言っておくが

私の実家は山の中腹にある関係上

山犬や野良猫がやたらと多い

「彼」もその類だったのかな?と思った


その数日後

「彼」はまた来た

その仕草からして

またしてもまた何か欲しそうにしている

こういうのは

一度やったらもうダメ


結局最終的には一カ月ほどかかり

我が家族の一員となった


「彼」はモリモリ餌を食べ

どんどん太っていった

その為「彼」のニックネームはいつしか

「コロコロ太っている」という意味で

「コロ」となった


しかし

「彼」には魔の手が忍び寄ろうとしていた


私の祖母が

体調不良で倒れ

介護を要する状態にまで陥ってしまったのだ


必然的に

「彼」の餌代は削られ

最終的には何カ月も前のものを

食わざるをえなくなっていた

「本人」は嫌がっていた風だったのだが

現実はそれを許さなかった


時折

「彼」は野ネズミを捕えてきて

ご褒美に新しい餌をもらいたい意思表示をしたのだが

私たち人間にははっきりいって

有難迷惑以前の問題だった


そんなこんなで

家族の「彼」に対する応対が

日に日に冷たくなっていた

それは現実的にどうする事も出来なかった


そしてある日

「彼」は最後のご褒美を貰おうとして野ネズミを捕え

我が家の玄関先まで来たところで

息絶えていた


今にしてみれば

人間の勝手で殺してしまった

可哀そうな事をしたと思っている

もし墓が分かるなら

今からでも

十数年たった今からでも

お詫びに行きたい

「彼」に「ありがとう」と「ごめんなさい」を

「コロ」の墓、実は無いんだそうです。適当に土葬されたそうで。親もその場所をあえて教えてくれないし、残念な気持ちははれません。

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― 新着の感想 ―
[一言]  コロ……(Д);;;;  ……はっ!! 初めまして、作品を拝読させていただきました!!←  エッセイ、ということでノンフィクションですね。ノンフィクションは書き上げたことがないので、この…
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