雨…イベント
柚葉に呼び出された放課後朝はカラと晴れていたのに……今はどしゃ降り状態。傘持って来てないよ。
こんな時に限って由々、風香、柚葉も用事かあっていないし。
こうなるなら、常日頃折り畳み傘でも用意してたらよかった。
「あれ、ハル傘をもって来てないのか?」
「あっ、シノくん……」
丁度よかった。シノくんなら傘を持って来てくれてると思うから入れてもらう。
そう思ってたけど、シノくんを目にしたら鞄以外荷物がない。
「シノくんも傘ないんだね」
「今日は大丈夫だろうと思ったんだがな。この有り様だ」
お手上げをして傘を持って持ってないアピールをしているのが、少し愉快だった。でも、意外かな…ってきり傘は置いてると思ってた。
「そうハルも傘がないんだな」
僕も人の事言えなかったな。
「ここに居ても仕方ないし…走る?」
「お前の家の距離だと濡れるだろが」
確かに家までの距離を考えてたら、かなり濡れるだろうね。あ~明日も学校だから、制服乾燥機に掛けないといけないな。
「ハル、俺の事信じられるか?」
「信じれるけど、急にどうしたの?」
「いや俺の住んでいる所が近いから、あまり濡れない上に傘も貸せるから」
あ~なるほど。うん?ちょっと待って、それってシノくんの家にお邪魔する訳!じゃあ、じゃあシノくんの両親に会うの!?茶菓子でも用意した方がいいかな!?
「シシ、シノくん僕茶菓子でも用意してたらよかった!?」
「何考えているか分からないけど、大体検討はつくから帰って来い」
「その場合は…ふつつかものとか言った方がいいよね」
「それは嫁入りの挨拶だろ!?」
よよ…お嫁!? じゃあ、僕が坂雪ハルとなるの!?早いよ、まだ付き合ってもないんだし…結婚したら坂雪ハルとなるんだね…でも悪くないかも。
「空回りし過ぎだ!」
「きゃん!」
うぅ、シノくんにチョップされた。痛くはないんだけど、チョップされた所を擦った。
「毎度毎度、その空回りと言うか考え過ぎはどうにか出来ないのか?」
「好きでやってる訳じゃないのに」
「故意でしてたら、旋毛を押すぞ」
ひぃ!思わず旋毛を手で覆って後ずさった。あれってモノ凄く痛い。 前に由々にされた時痛くて半泣きしたよ。その後は風香にその姿が可愛いと言って抱きつかれた。抜け出すのが大変だったな~。
「で、どうする?」
「どうするって?」
「家に来るか?」
僕の下した決断は……。
次回予告
ハル「空回りとかひどい」
風香「ハルやんはよくしてるよ~」
ハル「風香までひどいや」
風香「真実とは残酷だよね」
ハル「風香が難しい言葉を!」
風香「それバカにしてるよね!ハルやんの薄情者~」
ハル「薄情とは失礼な。次回予告『家と言えばね』」
風香「お腹空いたな」
ハル「マイペースだね」