デート……後を追う
由々行けつけのケーキバイキングで座る僕と正面にいるシノくん。周りはカップルや女子で楽しそうにケーキを食べている。
なんでこんな事になってるのかな?
さかのぼる事数十分。
僕はお母さんが働く図書館(アルバイトだった)から、前々から読みたかった本を持ってルンルンと帰っていた。早く帰って愛しの本読もうと思ってるとシノくんの姿が見えた。時間もあるし、声を掛けよう。
「こんにちは、シノくん」
「うぉ!?…ハルか……」
「ハルッスか……」
「あれ?柚葉もいたんだ…気が付かなかった」
シノくんの隣に柚葉もいた。気が付かなかったのも無理はないよね。今日の柚葉はお洒落をしていた。いつもなら機能性重視の服装だってから。
でも、シノくんと柚葉が一緒…その上柚葉はお洒落な服……もしかしてデート?
「ねぇ、デートしてるの?」
ズキンズキンと胸が痛い。
「デートじゃないッスよ」
「ででも、柚葉の服装……」
「あぁ、これッスか……ある意味での変装ッス。第一にシノくにぃとデートありえないッスよ。男だと思ってないッスから」
「それもそうかな……」
「いいんだけどな、男としてプライドが……」
項垂れるシノくんには悪いけど、僕は安心したよ……。いや、シノくんが誰と付き合うのは自由だよ。
「じゃあ、なんで?」
「あそこを見ろ」
シノくんが指さす方がを見ると由々がいた…そして隣にいるのは袖中くん……?
再びシノくんを見てら頷いた。やっぱり袖中くんなんだね。見ていてもお互い服装に気合いが入ってるな。それから察するに面倒事だね。
あっ、お店に入った……ケーキバイキングのね。
「ところで柚葉?」
「どうかしたッスか?」
「なんで僕の肩をしっかり握ってるのかな?」
「そりゃ、逃がさない為ッスよ……正直これから入る店が辛いッスよ!」
「僕だって嫌だよ!」
そうして押し問答で負けて、シノくんと二人で店に入った。
案内された席に座り、先に入ってるだろう由々と袖中くんを探した。
「あ~その…なんだ、すまない」
「もういいよ。本なら帰ってからでも読めるし、それ今楽しまなきゃ損だよ」
「それでいいか…」
由々たちを観察しつつ、ケーキを味わった。男の時だと甘いのは苦手だったけど、女の子になってからは美味しい。パクパクと食べる僕を眺めるシノくんの視線が気になった。
「シノくんは食べないの?」
「俺は甘いのは苦手なんだ。和菓子とかなら平気なんだな」
和菓子がいいって、まるで おじいちゃんみたい。
会話をしていて目的をすっかり忘れていた。
「あら、ハルたちじゃない?」
目標に声を掛けられるまでは………。
次回予告
柚葉「ハルたちは目的忘れてるッス!」
作者「それは仕方ないじゃない。だってコメディーなんだから!」
柚葉「忘れてたッス!」
作者「それより自分の良い人探せば?」
柚葉「咲にぃ、さえいれば」
作者「ブラコンだね~。次回予告『ダブルデート』」
柚葉「もはや、これほどとは」
作者「自分自身ないなとは思ってる」




