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僕ッ娘には訳がある!  作者: シノシノ
第三章 高校二年生
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黒峰さんとお茶

文化祭の熱も冷めて、僕ら二年生は進路を悩む時期がやってきた。そんな時、休日で本を読んで過ごしてると黒峰さんに「大事な話があるんだけど」と呼ばれた。本を読んで過ごす予定だったので、待ち合わせ場所である喫茶店に向かった。一体なにかな?

喫茶店には黒峰さんも着いており、テーブル席に座っていた。うん、早いね。僕もその反対の椅子に座り込んだ。


「折角の休日にすまないね」

「いえ、本を読んでいただけですから」


それにシノくんと結婚するなら義理の親にもなるのだから。

取り合えず、注文した飲み物が来るまで待っていた。


「こうやって飲み物もきたから、そろそろ話そうかな」

「そういえば、そうゆう話しをすると言ってましたね」


黒峰さんは注文したコーヒーを一口飲んだ。黒峰さんも緊張してるのかな?


「実はと言うとシノを説得して欲しいだ」

「説…得ですか?…………一体何をですか?」

「そうだよ、妻とは子供もいるんだけど、女の子でまだ12歳と小さい。だから僕の後は継げない……」


黒峰さんの言いたい事がわかるのが遅れた。その前にシノくん以外に子供いたんだね。


「だからシノに後を継いでもらいたいんだ。シノは断ると思うからハルさんからの説得ならいけると思う」

「で…でも、それは」

「ハルさんにだって損のある話しじゃないよ。シノが継いだら君が嫁いで黒峰グループの権力や財力が貰える…悪くないと思うよ」


この時、いつもニコニコしてる黒峰さんの笑顔が怖かった。でもそれはシノくんにとっては悪くないと思う……でも……。


「そんなお話しならお断りします」


それはシノくんが決める事で僕じゃない。シノくんの未来を決めるのが怖いとか責任から逃げたいとかじゃない…ただ他人が決めてはいけない………それだけの話し。


「そうか……理由を聞いてもいいかい?」

「周りから説得を頼むのは間違いです。シノくんがどんな未来を選んでも、僕はシノくんの傍で寄り添うつもりです。それにシノくんなら黒峰さんが真剣に話す方がシノくんも真剣に返してくれます」


自分でも驚くほど穏やかでそして決意を伺える声。それに満足なのか黒峰さんが笑顔から微笑みに変わった。


「変わらないだね」

「はい、それに僕は権力とかお金は興味ないですよ」

「二人として大きな道を出したんだけど、二人揃って同じ答えか」

「二人揃って?」

「もうシノにも同じ話しをして君と同じ答えを出した」


えぇ、シノくんに話しを通してたの!? だったらなんで僕にそんな話しをしたのかな?


「心配ないとは思ってたけど、黒峰の権力や財力目当てじゃないかと思う人たちがいるからね」


なんか遠い目をしてるんだけど、何か過去で大変な事があったのかな?


「ハルさんなら大丈夫だね。さてシノもそろそろ言い出す頃だろうから退散するね」

「ふぇ?」


黒峰さんが戻った笑顔で席を立って店を出ていく。黒峰さんの後ろの席にはいつも見ている後ろ姿があった。


「バレてたか」

「シノくん!?」

次回予告

黒峰「うん、予想通りだったよ」

千鶴「だから言ったのに」

黒峰「でもこれで縁戚とかに文句は言わないだろうね」

千鶴「ハルの実家を言ったら何も言わないだろうに」

黒峰「河瀬さんのじいさんの意志だから。シノも継げないと言ってるからまだまだ僕がしないとね」

千鶴「格好いい事言わない。次回予告『これからも』」

黒峰「だけど、大分前の伏線をこんなにあっさり終わらせてよかったのかな?」

千鶴「これはラブコメだから。あと作者はシリアスが苦手と」

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