転がり出す
到着した後なので今日はみんな休む事になった。移動時間が長かったから、慣れなかったら疲れてちゃうもんね。
男女別れて部屋に案内してもらって、早速のんびりとした。由々に至っては部屋に常備されてる緑茶を飲んでるし……。風香と柚葉は二人して何かしてる……何してるかは分からない。僕は読みかけの小説の続きを読もうと思った。
こうしてのんびりしているといつの間にか夜になった。
うーん、やっぱり本を読んでると時間を忘れちゃうね。夕食も食べて各人自由時間となった。
女子陣はお風呂に入りに行ったけど、僕はもう少しで読み終わるから先に行ってもらった。
「なんか最近本をまともに読めてないだよね……」
みんなとワイワイとしてる時間が多くなってきた。それはそれで楽しいしみんなといるのが嬉しかったから、いいのかな?
「これはこれとしてさっさと読んじゃお」
本の中に入っていく。
ポクポク……数十分で読み終わった。うん、最後のオチは予測出来なかったね……まさか、主人公があんな風に死ぬなんて………バナナの皮に滑って事故死とかありえないでしょ!作者は何を考えてこんな物語を作ったのかな!?
お風呂に向かおうとするとお手伝いさんに声を掛けられた。
「ハル様、お時間がありましたらこのお茶を旦那様の所へお願い出来ますか?」
「うん、いいよ」
まぁ、お茶を運ぶだけならいいかな。それほど時間掛かりそうになさそうだし。
お手伝いさんからお茶を入れたお盆を貰っておじいちゃん部屋に向かった。
「シノくんたちもお風呂に入ってるのかな」
そんな事を思いながらおじいちゃんの部屋の前に着き、襖を開けようと手を差し出した時に聞こえた。
「ほぉほぉ、中々手強いのぉ」
「父さんの方が強いです」
なんでシノくんがいるの!? そしてなんでシノくんとおじいちゃんが対局してるの!?
襖を開けるのも忘れて中の声に聞きに入ってる。
「ほうほう、なら一度対局してみたいのぉ」
「父さんなら喜んですると思います…俺だと相手にならないと」
黒峰さん……もしかして暇してるのかな? 一大企業の中でもトップなのに。始めて会った時も忙しそうに見えなかったし。
「なら、仲良くできそうじゃのう」
「その意味は深く問わないで置きます」
僕としてはその意味を知りたいだけど。
「なら直球で聞こうかの。ハルの事をどう思っているかのぉ?」
っ!? おおじいちゃん、 何聞いてるの!?
次回予告
黒峰「暇そうに見えるけど、ホントに忙しいよ」
作者「そうなんだと思うけどな」
黒峰「全くなんで暇そうに見えるだろうね」
作者「それはあれだろ。学校の校長いるだろ」
黒峰「まぁ、どこにでもいるよね」
作者「校長のしてる仕事がわからないというあれだろ」
黒峰「わかる例えだね。次回予告『シノくん』」




