『 せめて歩合制に 』
次々と画面に表示される数値。
見慣れた文字と数字が踊る。
「本当にこれで間違いないですか?」
「はい」
自信を持って返事をした。
いや、自信ありげに……かな。
そうしないと怪しまれてしまう。
「……私どもに嘘は通用しませんよ」
画面が切り替わり、数十話前の戦闘シーンが映し出された。
更に26話、65話、88話の映像まで。
ぐっ、これはまずい。
「戦った怪獣の公式戦闘力と比較した場合、計算上貴方の戦闘力は次のようになりました。どう思います?」
「そ、それは……あの……皆の夢や」
「夢や希望で怪獣は倒せません。誤魔化さないでくださいね」
あまりにも鋭い指摘に声が出ない。
今までは上手く誤魔化せていたのに、最近はチェックが厳しいなぁ。
「では、本当の戦闘力に見合った新たな勤務地を追って通達します。覚悟するように」
激戦区に転勤決定。
はぁ、カミさんと娘に文句言われちまいそうだ。