ふっ、今日も俺はかっこいいぜ・・・☆
誤りがありましたら、ご報告いただけるとうれしいです。
片手間に考えました。よろしければご覧ください。
これは左藤康介が女になる前の日常。
[一人称入りマース]
ピピピピッ、ピピピピッ、ピピ・・・ガシャン、パリーン
俺はいつものように煩く鳴る目覚まし時計を止める。最後に変な音がしたのは気のせいだ。
ベットをでてゆっくりと立ち上がる。近くに落ちてたダンベルを拾い、毎朝の日課である筋トレを開始。学校で待っている女達のためにも俺は完璧な肉体を作り上げなければならない・・・!見よ!この肉体美!
満足のいくまで筋トレを続けた俺は私室を出、階段を下りる。年季の入った我が家の階段は、ギシギシと不安げな音を立てながらも今日も役目を果たす。
真っ先に向かうは洗面所。まずは顔を磨き上げ、髪をセット。そして・・・
「ふっ、やっぱり今日も俺はかっこいいぜ・・・!」
また言ってしまった。国宝級の俺の容姿は誰が見ても完璧。まぁ言うまでもないな、当然のことだ。角度、表情を変えてさまざまなポーズをとる。俺に敵う男はいないぜ!
「おい馬鹿兄どいてよ。邪魔。」
むっ。世の女性が求めて止まないこの俺を目にしても動揺しない妹はやはりさすがだ。こいつも俺に似て美人だからな。はっはっは!俺に感謝するがいい!
俺は台所へと移動して料理に取り掛かる。できる男は完璧でなければならない。料理も例外ではないのだ。今日のメニューはビーフシチューとふかひれスープだ。ふふっ、さすがだろう。
「ちょっと!何よこのメニュー!汁物しかないじゃない!ちょっとは栄養バランス考えてよ馬鹿!」
そんなもの愛さえあれば問題ない。俺の手料理が食べれるのだから感謝しなさい妹よ。俺は腹減ってないので食べずに家を出る。さぁ、学校へ出発だ!待っていてくれ!俺の女神達よ!
俺の名は佐藤康介。明修高校に通う高校2年生だ。自他共に認めるイケてる容姿と、スーパーコンピューターとタイマンを張ることも夢ではない天才的な可能性を秘めた頭脳(今では無理)、さらにはあらゆるスポーツで他者を圧倒する運動センス。簡単に言うと世界一イイ男ってことだ。我ながらかっこよすぎるぜ・・・!
「おーい、康介ーーー。カッコつけた歩き方してないで早く来いよー!」
むっ!みんなが楽しみにしている俺の知性溢れる語りを邪魔するとはいい度胸だな。よし、ぬっ殺す。
ボコッべこっグシャべきっベシッごしゃっグシャッ、、、
よし。これでこいつも改心するだろう。
「・・・何てことするんだ!俺じゃなかったらお前警察に捕まってたぞ!」
おっ、初めて出てきたからわからないだろうがこいつの名前は面倒だから友人A。小学校からの腐れ縁だ。
おや、今気づいたのだが頬が腫れているではないか。どうしたのだろう。一つの可能性を挙げてみる。
「どうした、頬が腫れているぞ。彼女に振られたのか?」
「・・・」
何か言い辛そうにしている。ミスったな、本当に振られてしまっていたのか・・・。カッコいい男は気配りも大事にする。これ以上は聞かないよう気をつけよう。
「「・・・・・・・・・・」」
無言で歩き続ける俺達。傍から見れば主人公と取り巻きAってとこか。まぁ実際そうなんだが・・・。
視界には俺をもてなすように咲いた桜並木が見頃を迎えている。この桜も、俺を前にしては俺に花を添えるただの背景に過ぎない・・・。ああ、俺はなんて罪深い男なんだ・・・!
「おはようございまーす」
「はよーーっす」
校門が見えてきた。風紀委員の女生徒と、登校中の男子生徒が挨拶を交わしている。律儀なことだ。俺も優等生だから挨拶してやろう。
「おはようっ!今日も挨拶当番がんばってくれ。」
ふっ、我ながら爽やかなあいさつだ。これで風紀委員の女生徒も俺にメロメロだぜ・・・!でも残念だが君とは一緒になれない・・・。校舎内には俺の到着をいまかいまかと待っている女生徒達が首を長くして待っているんだ。俺は君一人の物にはなれないんだ・・・ごめんよ・・・・・・。
「・・・」ジロリ
嗚呼、悲しい。そんな潤んだ瞳で俺を見つめられても困るんだ。俺は君の気持ちに応える事はできない・・・。なぜならry
「待ってください。制服の着方が校則に違反しています。昼休みに指導があるので体育館に集まってください。あとここに名前の記入をお願いします。」
俺の気持ちが伝わったのかサインだけで我慢してくれるようだ。しかしサインの為だけにそのような見え透いた嘘をつくとはいけない娘だ。まぁいいだろう。この俺のサインがもらえるだなんてこの女生徒は幸せ者だな・・・。一生の宝物にしなさい。俺は胸を慈愛の心で満たし、自分の教室へと急いだ。
ガラッ
教室のドアを開け中へと入る。おや、みんな座っている。ついでに友人Aも座っていた。礼儀正しいクラスだな・・・。流れるような動作で自分の席へと移動し、すっ、と座って足を組む。嗚呼、何て長い足なんだ・・・。みんなの目は俺の美脚に釘付けだ。
「はーい。出席取りまーーす。相田~。安部~。~~~」
おや、先生はいつの間に教室へ入ってきていたのだろう。俺が入った後からドアが開いた音はしなかったはずなのだが・・・。まぁ気にしない。美女だから許す。
「~~~。佐藤~。佐藤康介!」
『!』
先生が俺の名を呼んでいる!何の用だろう。デートの誘いだったら断るしかできんな・・・。なぜならry
「はい。なんでしょう先生。」
「よし、いるな~。次~。志村~。田中~。~~~」
Oh...無視されてしまったようだ。まだ心の準備ができていなかったのかな?まぁいい。俺にはこれからやることがあるのだ。
「よし、これから睡眠学習を開始する。そこの美女よ、俺を午後3時30分に起こすんだ。代わりに俺と下校できる権利を与えよう。では頼んだぞ。」
「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」
時は流れて午後6時。
「む、午後6時か・・・。美女は起こしてくれなかったようだ。無理もない。俺のファンクラブから袋叩きにされてしまったのだろう。抜け駆けはいけないからな。」
俺は荷物を片付け下校を開始する。教室の中で夕日に照らされ一人佇む俺・・・かっこいい!とにかく急いで帰ろう。妹が待っている。
帰宅路をマッハで駆け抜けると俺の家。玄関を開けて中へと入る。ちっ、妹の靴に並んで、でかい革靴が置いてある。親父帰ってんのかよ。認めたくはないが親父は俺の血を引いているだけあってかっこよさで俺といい勝負ができる。だが最後に勝つのは俺だ!!
「おう康介帰ってきたか。早く飯作ってくれや。」
勝ったぜ!親父と違って俺は料理ができるんだよー、ばーかばーか。気分がいいから望みどおり俺が料理を作ってやろう!感謝するんだな。今晩のメニューはハンバーグとステーキだ。親父の大好物。踊り狂って喜ぶだろう。
「うぉぉぉぉおおおおおおお!!!康介が俺のために料理作ってくれたぞーーーーーーーーーーーー!!!!ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!ひゃっふーーーーーーーーーーーー!!!!」
「ちょっとっ!!肉しかないじゃない!!!」
うむ。喜んでくれてなにより。親父の後ろでツンデレな妹が何か言っているが知らん。俺は自らが作った料理に口をつける。さすが俺、おいしい。文武両道で容姿もよし、さらには家庭的。人のいい所をかき集めたような男。嗚呼、なんて罪深い男なんだ俺は・・・。
腹も膨れたので風呂へと入る。ふぅううううううう・・・。今日一日の労働で疲れた体を癒す、祝福の時間。さて、体も暖まったし髪を洗うか・・・。風呂場に備え付けられた鏡を覗き込み、ふと嘆く。
「ふっ、やっぱり俺はかっこいいぜ・・・!」
本日二回目、また言ってしまった。当然の事なのにな。おっと、本来の目的を忘れるところだった。さて髪を洗うか。
ザァァァァァーーーーーーーー(シャワーの音
体を洗うか。
ザァァァァァーーーーーーーー(シャワーの音
おい作者!手を抜くんじゃない!!もっと俺の肉体美を表現するんだ!!!
時は流れて夜11時。
よし、日記を書こう。えーと?’今日も俺はかっこよかった’っとこれでよし。
それは明日からも変わらない・・・そう・・・思っていた・・・この時までは・・・・・
グゥーー、スピーー、グゥーー、スピーー
~女神様side~
「あー暇だ。暇すぎる。気になるラノベも全部読んだし~。録画したアニメも全部観たし~。ひまひまひま~~~~。」
そんな女神の目に佐藤康介の日常風景が映る。
「あ。こいつ女にしたら面白そう♪どんな反応するんだろw」
女神様は手元のボタンに手を伸ばす。ポチッとな。
ピコンッ♪ 佐藤康介は俺様変態ナルシストから女の子にジョブチェンジした
~side out~
[作者の語入りマース]
ピピピピッ、ピピピピッ、ピピ・・・カシャ。
「はっはっはっ、昨日と同じ失敗は踏まんぞ!できる男は同じ間違いを繰り返さないのだ!」
作者)今日も絶好調な佐藤康介。いつものテンションで起床する。自分がもう男ではないとは夢にも思っていないらしい。だが、服の上からでもわかる胸の膨らみには流石にすぐ気づく康介。
「むっ、胸筋を鍛えすぎたか・・・。今日は筋トレを休もう。」
ナルシスト特有のポジティブ思考で事実を捻じ曲げる康介・・・、流石だ!
いやいや違う何考えてんだよ康介。お前の胸部に詰まっているのは筋肉じゃなくて男達の夢なんだぞ!早く気づけよっ。
筋トレを短縮した康介は私室を出、階段を下りる。トントンと軽快なリズムで音が鳴る。階段も女の子の足に踏まれてうれしそうだ。続いて真っ直ぐに洗面所へと向かう。さぁ、現実と向き合うのだ・・・!
いつものように顔を磨き上げ、髪をセットする康介。
「ふっ、今日もかっこいいぜ・・・!」
お前馬鹿だろ。せっかく気づく機会をセッティングしてやったんだから無駄にするなよ。できる男は間違いを繰り返さなかったんじゃなかったのか?もう男じゃないが。
『ぎゅるるるるるる』
腹が鳴る。だが空腹ではない。
(とっ、とととトイレッ!)
ははははははっ。流石にパンツを脱げば気づくだろう。さぁ、今度こそ現実と向き合うのだ・・・!
猛ダッシュでトイレへ駆け込む康介。女の子のすることじゃないぞ早く気付けや。躊躇うことなくパンツを下ろす。そして気づく。
「むっむむ息子がいない?!?!」
あれっ、ちょっとニュアンスが違うぞ?普通は『息子がない』ではないのか・・・?
「息子よーでてきておくれー!どこへ行ってしまったんだ・・・。お前と俺は一心同体!感覚を共有する唯一無二の親子愛で結ばれていたのではなかったのか・・・?お前がいないと俺は生きていけないんだ!!!後生だぁっ、帰ってきてくれぇぇーーーー・・・。グスッグスン」
家の中を息子を探して走り回る康介。
同一生物なんだから一心同体なのは当然だろう。しかも普通は息子と離れた時点で痛みで死んでいるものなんだぞ・・・康介よ。あと息子に足は付いていない。勝手にどこかへ行くものではないのだよ・・・?
康介の前途多難な女の子生活は始まったばかりだ。いや、まだ始まってもいない。これはプロローグの更に前のお話。
〔 ふっ、今日も俺はかっこいいぜ・・・☆ 完。〕
どうでしょうか。評価をよろしくおねがいします。