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プロローグ:『いいね』と私たち
『いいね』は、現代人に必要不可欠な栄養素である。
十分な『いいね』を摂取できていれば、人は自己肯定感と承認欲求が満たされ、幸福に包まれる。
しかし、『いいね』が不足すると、人は自己肯定が困難になり、イライラしたり、感情的になったりする。
さらには、『いいね』を手に入れるため、ネット上などで不健全なパフォーマンスに走る者も現れる。
健全な社会生活を営む上で、『いいね』はもはや欠かすことができない。
以降の物語は、昨今の『いいね』不足に見舞われる日本において、とある奇妙な経験をした男の話である。




