表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

98/431

第95話 突撃隣の夕御飯?じゃない訪問!

◆テータニア皇国▪平民街バーチ自宅

カーナ視点


はいはい場面変わって平民街、とある住宅前に来ています。

住宅って言っても、小さな小さな建て売り物件。日本のウサギ小屋より簡素な小屋ですかね。

それでテバサキに倒され、瀕死の懺悔バーチさんにせがまれた私は、彼に最後の頼みを託され、病の弟が住んでいるという自宅にたどり着いたところでした。


「懺悔バーチさん、安らかにお眠り下さい」

「あの、まだ、生きてるんで……」

「しぶといわね」

「カーナ様、あんまりです」

「それで?」

「こ、ここに弟がいまして……」

「ふむふむ、ところでこの家、貸家なの?」

「?貸家、ですが……あの、今それは重要でしょうか??」

「成る程。つまりヒデブアベシさんは、30歳以上で社会人なのに1LDK以下の借家暮らし。だから【ウサギ小屋おじさん】なのね」


「ウサギ小屋??の、意味が分かりません。それに私の名前はヒデブアベシ?ではなく、バーチですが……」

「ゴメン、最近はウサギの方がデカイ家に住んでたわ。通称【雪ウサギ御殿】と言ってビール販売で荒稼ぎした28号の家だけど、300坪の豪邸でプール、駄犬(ヒューリュリ)付きで」

「あの、話が見えないので……それより、弟の病は本当に治るんでしょうか……その、心配で……」

「あら、まだ私を信じられないの?まったく、このヒデブアベシさんたら!」

「バーチです。カーナ様」

「そんなんだから、頭にコブを七つもこさえるのよ。でもアンタ、器用よね。コブが雪ダルマ式に連なってるなんて、ほとんど漫画でしょ?顔近づけないで。笑っちゃうから」

「カーナ様のコッコドゥがやったんじゃないですか、痛っ!まだ痛いです……」



七つのコブのある男、バーチはそう言って頭のコブをさすっていました。

テバサキが胸を膨らませて花マルを誇示しています。

あのマークは、すっかり(テバサキ)のお気に入りになりました。

めでたし、めでたし。



「勝手に話が終わった事になってますが……」

「そうね、肝心な事を忘れていたわ」

「肝心な事、ですか?」

「私の力、毒には効かないのよ。てへっ」



思わず照れてウインクしちゃいました。


ソーなんです。(ミサイル団だっけ?)

うっかり失念してまして、確かに私の銀鱗粉はテリアさんを救いましたが、それは体力と傷の回復だったんです。

最終的に彼女を毒から救ったのはイケメンのアルタクスさん。

(イケメンです、《《イケメン》》。ココ重要。試験には出ません)

彼が持っていた解毒薬をテリアさんに飲ませ、彼女を毒から助けたんでした。(40話参照)



「え、ええーっ?!そんな、今更そんな事を言われるんですか!!」

「しょうがないじゃない。随分前の事で、一回しか使った事なかったスキルだったんだから、って悪かったわよ?ちょっ、それ以上近づいたらテバサキがっ?!」


懺悔バーチさん、私の《告白》に我を忘れて迫ってきます。

テバサキがまたケンシロウ顔になってます。

私はなんとか二人をなだめ、バーチさんにコブが増えるのを防ぐ事が出来ました。

感謝してよね、バーチ(七つのコブのある男)さん。


「じゃあ、私はどうしたら……」

「待って。効くかも知れないから。少なくとも体力は回復してあげられる。上手くすればそのまま全快するかもよ」

「効かないかも知れないんですよね」

「…………」

「…………」

「ああーっ!ホルス、兄を許してくれ!」

「こらっ、勝手に諦めて恨めしそうに演技するな?!」


まるでこの世の終りな如く、崩れ落ちるバーチさん。

私の良心を目一杯いたぶります。

いやいやアピール過ぎるから!

マジに心臓痛いから!


とは言え、確かに治せるかもって淡い期待を抱かせておいてヤッパリ間違い治せませんは、上げて下げての詐欺まがい。

バーチさんの迫力の演技に返す言葉もありません。


「何て事だ、私は再び詐欺にあってしまったのですね。オルデアン様の捜索を後回しにしてまで弟を助けて貰おうとした私に、スプリングエフェメラル様が直々に罰をお与えになったと、あああ、なんて罪深い!」

「アンタがそれを言う?私を詐欺師扱いして!?いいじゃない、やってヤルわよ!必ず治してご覧にいれますわ。見てらっしゃい!」

「本当ですか?!有り難う御座います!」


この!

懺悔バーチさんなくせに、涙目キラキラまるで子犬です。

可愛いじゃねーか。


因みにオルデアンちゃん達の捜索を後回しにしたのは私の意向。

私がバーチさんから懺悔を聞いた時点で、すでに1日以上経っていたし、誘拐をしたという訳だから、オルデアンちゃん達の安全は直ぐは確保されていると考えての事です。


それよりも流されたテリアさん達の方が心配なんだけど、バーチさんが街の憲兵団に連絡してあると言ってたし、仮に川で彼女達を発見したとしても、10センチ足らずの私に何かが出来る訳もありません。


以上の理由で私は、所在の分かるバーチさんの弟を優先したのでした。



コホンッ

「とにかく今は弟ちゃんに最善をつくすわ。まずは弟ちゃんを見せて、バーチさん」


ちょっと咳払いしバーチさんに頑張るアピールしはがら主旨を伝えた私。

バーチさんは頷きつつ自宅ドアノブに手を掛けます。



ガチャリッ


「分かりました、どうぞ中に。ホルス、兄ちゃんが帰ったぞ」



さて、私に治せるかどうか。

一肌も二肌も脱ぐつもりで家のドアをくぐる私。

後にも引けないこの状況。



次回にこうご期待です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ