表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/427

第42話 イケメンの使い方

◆菜の花畑(林?)

カーナ▪アイーハ視点


ふぃーっ、ようやく聴覚が戻って参りました。耳鳴りって厄介ですよね。やっぱり耳が、当たり前に聞こえる事には安堵しか有りません。

さて、再び【草葉の陰】から二人を観察、あ、死んでません。念のため。


ふむ、ふむ、オルデアンちゃんはアチコチ見回し、私を捜しておりましたが、何かに気づいてしゃがんだようです。一緒に見回していたイケメンさんも、慌てて座り込みました?

テリアさんが目覚めたのかしら?

もうちょっと、近くに行かないと駄目ですね。けど、飛んでいくのには抵抗があります。菜の花の林を進みましょうか。


(あるじ)~っ』

「ふぇ?!」


『もう、許して、欲しい、のだ。この体制は、もう、……恥ずかしいの、だ……』


ああ、ヒューリュリ様の声が頭に響きます。


あっちゃあ、すっかりヒューリュリ様の事、忘れてました。あの○ン○ンの体制のまま、フリーズしたままでした。最近このパターン、多いですね。ちょっと自己嫌悪です。ちょっとだけ、ね。

ところで、この頭の中に聞こえるヒューリュリ様の声なんですが、前にヒューリュリ様に聞いた話では、従魔と主人の間では念話(ねんわ)って言って、テレパシーみたいな力が使えるんですって。今、ヒューリュリ様の声が頭の中で聞こえるのは、そういう事らしいのです。


「ヒューリュリ様。もう、あのイケメン、もとい、三人は襲わないと誓えますか?オーケー?」

『誓うのだ。と、いうより(われ)(あるじ)従魔(じゅうま)。命令頂ければ従っていたのだ』


「命令?」

『従魔は(あるじ)の命令に逆らえない。必ず、従うようになっているのだ』


え、そうなの?

なら、あのイケメンを従魔していいかしら。

なにしろ、女手しかないでしょう?子供(オルデアン)のお世話が大変なのよ。

それでね、毎日のおさんどんをお願いして、家の掃除、お風呂の沸かし、庭の手入れを頼めないかしら。あとね、最近、肩が凝って困ってるの。冷え症のせいかしら。

ほら、冷え症って、こんな症状があるのよ、大変でしょ。

▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩

手足が冷たい、温めてもなかなか温まらない

あかぎれ・しびれ・しもやけ

関節痛・腰痛・頭痛・肩こり

ほてり・のぼせるような感覚(冷えのぼせ)

気温が高い日でも汗をかかない、身体が冷たい

寝起きが悪い、寝坊しがち

▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩▩

だからね。

かわりに何でもやって貰えるイケメンが必要なのよ。

え?ヒューリュリ様?

駄目よ、あんなの。番犬にしかならないわ。え、可哀想(かわいそう)?んん、確かにそうだけど、困る事があるのよ。


さっき言った冷え症の症状で【寝起きが悪い】があるでしょう?朝、起こして貰うのに、あなたならどちらを選ぶ?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


◇イケメンの場合

イケメンの人差し指が、私の頬っぺたを優しく押します。

「ん…」

「やあ、起きたかい?おはよう、僕の可愛い人」

「あと……少し……眠いの」

「困った人だ。ほら、清々(すがすが)しい気持ちのいい朝だよ」

「起、こし、て」

「……仕方ないな、ほら、顔を上げ」

ちゅっ

「な?!」

「うふっ、真っ赤になってる、可愛い!」

「……まったく、君は。僕の心臓がもたないじゃないか。困ったちゃんだ。僕の可愛い人」

「あ、いい匂い?」

「君の為に、美味しいモーニングコーヒーを入れておいたよ」

「嬉しい、有り難う」

「どういたしまして、僕の可愛い人」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


◇ヒューリュリ様の場合

肉球の足が頬っぺたに、ペタ。

「ひゃう!?」

『ガウガウ、起きるのだ』

「肉球が冷たいわぁ、ビックリして目がさめちゃたーっ。臭!?ちょっと、ヒューリュリ様!臭いんだけど!?」

『ガウガウ、済まん、さっき近くの電柱で用を足したのだ』

「ぎゃーーーーーーーっ?!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ね、想像しただけで、すぐ分かるでしょ?

やっぱり、イケメンの方が絶対お得よ!しかも、従魔にしちゃえば、どんなにイケメンでも大丈夫。

え?何が大丈夫って?

そりゃ、あそこまでイケメンだと、浮気が心配じゃないですか。でも、従魔にしちゃえば絶対に裏切らないでしょ。

ふっ、ふっ、ふっ、私だけが自由に出来るイケメン!私だけに尽くすイケメン!私だけを全て優先してくれるイケメン!私の為に家事をやって貰えるイケメン!将来、子供が生まれたら、子育てしてくれるイクメン!頭が良くて、医師免許持ちのイケメン!一千億円企業の社長なイケメン!どんなイケメンでも、私の従魔にしてしまえば、そのイケメンは思いのままよーっ!世界のイケメンは私のものよ、おーほ、ほ、ほ、ほ、ほ。


『……(あるじ)、何やら良からぬ事を考えているようだが、人間を従魔にする事は出来ないぞ』

「へっ!?」


『従魔に出来るのは、昔から魔獣と聖獣と決まっている。人間にはテイマーの能力は効かないのだ』



なんですと!?

がーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!


皆さま、わたくし、カーナのお話しを見に来てくれて、ありがとうございます。

今後も、私の独りよがりな、恥ずかしい私生活を公開して参りますので、何卒、今後も御贔屓(ごひきき)の上、応援お願い致します。

なお、お星さまを沢山付けて頂けますと、私の生活も充実いたしますので、宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ