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第424話 城の迷宮6(迷宮の先)

◆無限廊下?

カーナ視点


「カーナ様!」

「わ!?」



シャキーンッ



アルタクスさんの声かけに素直に反応したら、私の頭の上を長槍が掠めていきました。

やべぇ、危うくハゲるところだわ!

例の槍トラップでした。

どうやら人影を見逃したようです。

再び始まった障子戸槍トラップゲーム。

障子戸→人影→槍トラップ。

うん、ワンパターン。


ご丁寧に人影お知らせ付き槍トラップ。

ノリはアトラクションゲームの感覚でしかありません。

こんなのに引っ掛かったら末代迄の恥やね。

(今、引っ掛かりそうになったけどな)

ああ、なんかめんどくさ。



ドンッ

((だから私、呪いの痕跡、追えるって、言った))

「ぎゃああ!?またドアップするの止めレ。アンタ自身が呪いそのものでしょうが!」



いや、イドちゃん。

さっきのは聞いてたけどアナタのドアップが怖くて無意識にスルーしてしまっただけです。

私は意図して無視してませんから!



((う、うらめしい))

「止めレ!だから怖いって」



イドちゃんは腰まで伸びる艶ツヤ前髪で顔を隠すのが好きなようです。

前見えねーとあぶねーからなっ!

ん?艶ツヤ??



「イドちゃん、リンスしてんの?」

((し、してます。それも、海洋深層水使った、値段、高いヤツ))

「マジで!?何処で売ってるの?私も欲しい!」

((あ、でも、精霊様限定、なんで、精霊にしか売って、貰えない、んです))

「ガーン?!会員制なんてズルい!」

((だ、だけど、精霊になれば、いいんですよ?))

「精霊になる?精霊って簡単に成れるの?」

((お亡くなりになって、百年くらい、幽霊ヤッて、誰かを呪えば、だいたい成れます、よ))

「怖すぎてやべぇからいいわ」

「カーナぁ、話が逸れてるんだよぅ」

「あ」



錬金ちゃんに指摘されてウッカリしてました。

今は呪いの痕跡を辿る方が先です。

前髪こえーけど、ここはイドちゃんに聞くしかないですか。

こえーけど。



「じゃじゃあ、呪いの痕跡は何処に続いてるのイドちゃん?」

((コッチて、す))ガラッ

「イドちゃん!?」



イドちゃんは迷わず槍トラップお知らせ人影が映った障子戸を掴みソレを開けました。

当然ながら彼女は槍で串刺しになりましたが、串刺し磔にされながらもブルブルと震えながら障子戸の先を指差しました。

どうやらイドちゃんの趣味趣向にハマったようで、前髪で顔は見えませんが嬉しさに震えているようです。

まったく悪霊にしか見えませんが、精霊?として昇華したわけですから、これでも呪い殺される事は無いのでしょう。

うん、今のイドちゃんは最恐だわ。



((こう、やって、障子戸に影が出たら、その障子戸が、呪いの、サインです。あとは、こうして、それを辿れば、呪いの、大元に、辿り着きます。さ、あ、カーナ様、も、一緒に、やってみましょう))

「イドちゃん、まだ精霊に昇華して無いよね?悪霊だよね?」



はい、サラッと殺りにくるイドちゃんは天然の悪霊です。

勘弁して下さい。

こうして私達はイドちゃんの道しるべにより、順調に城の迷宮を攻略するのでした。

こえーよ、イドちゃん。



❇❇❇❇



グォンッグォンッグォンッグォンッグォンッ



イドちゃんの献身的な串刺し⋯⋯じゃなく、その貴重な道しるべで順調に突き進んだ私達。

まさか槍トラップが攻略ポイントだなんて、どこの誰が気づくでしょう。

流石、イドちゃんは最恐です。


それで、ついに城の中心部のような場所に到達しました。

だけど私達はトラウマになりました。

ええ、完ぺきに。


え?何故って分かりませんか?

アルタクスさんはその強靭な精神力でイドちゃんの串刺しイベントに耐性があったようですが、さすがに私やイケメン予備軍たちはトラウマが深くなりました。

マジ精神削れるわ!


で、中心部は何やらまたファンタジーに似合わぬメカニック。

私達が突き進んだ先は巨大なホールになっていて、その中央にはパイプが縦横無尽に巻き付けてある、まるで原子炉のような構造の何かの装置。

何なのよコレ??



「カーナ様、これは?」

「うん、私も分かんない。何かの稼働中な機械としか」

「カーナ様、キカイとは??」

「アルタクスさん、途中で鋼鉄製のゴーレム達に会ったでしょう。多分これもその部類のオーパーツだわ」

「?????」



ごめん、アルタクスさん。

中世の科学知識しかない皆さんにはオーパーツも分からなかったよね。

なんて説明すればいいんだろ?



「成る程、つまり人知を超えた魔法という事でしょうか」

「そ、そんな感じです、アルタクスさん。とにかく迂闊に近づいては危ないんで、このまま辺りを探りましょう」

「はい、分かりました」



うん、何でも魔法で片付けられるこの世界の常識は私の説明に都合が良かったです。

いつもこれで行きましょう。


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