第423話 城の迷宮5(呪いの痕跡?)
◆城内無限廊下?
カーナ視点
うーん、今の黒アゲハさんの論理からすれば、私の普段の行いが嫌いだから睨んでらっしゃると?
それはブーメランだと思いますが、それを言い出したらキリが無いので、ここは私が折れてやりましょう。
「それでその呪い、どうすれば解けるのかな?」
「馬鹿め。呪いというものの根本も知らず、簡単に解ける方法があると思っているのか」
「ぬぬ、ならアンタは呪いの根本が分かるというの?」
「当然だろう。私の知識はこの世界の隅々まで知りつくしている。更に異界の地までもな」
「じゃあ、呪いを解くにはどうすればいい?」
「ふん、無知なヤツめ。呪いを解くには、呪いを掛けた術者に解かせるか、呪いを掛けた大元を経てばいいのだ」
「大元?」
「呪いの元凶か、呪いを掛けた術者の事だ」
「具体的には?」
「呪いの媒体を破壊か術者を殺す事。それが一番簡単な方法だがな」
「あー、術者を殺すのは却下したいなぁ」
「だから貴様は馬鹿なのだ。攻撃してくる者達まで心配してどうする。そんなものは放っておけばいいのだ」
「それは駄目。彼らはオルデアンちゃん達に繋がる情報を持っている。それを聞き出さないと駄目なのよ」
「オルデアン?あの小娘の事か。そんなものは放っておけ。アレこそ世界の呪いの元凶になりかねん」
「はぁ?どういう事よ!」
「ふん、私はここまで言ったぞ。あとは自分で考えるんだな」
そう言った途端、あさっての方角を見てダンマリを決め込む黒アゲハ。
おい?まだ先の話がある段階で突き放すのはヤメロや。
答えの無い謎々が残って頭がモンモンしちゃうだけとか、何の解決にもなりません。
「このケチンボーっ!」
「五月蝿い」
やっぱりコイツは嫌いです。
向こうも嫌ってますが、どんなに黒アゲハが私との距離を近くにしようと未来永劫、分かりあえる気がシマ線?いや、気がしません。
はあ、ぶっ飛ばしたい。
「カーナ様、とにかく連中は拘束してありますから、これ以上何か起きる事は無いでしょう。ですがこんな状態ですから情報を聞き出すのは困難なようです。彼らはこのままココに置いておくしかありません」
「アルタクスさん大丈夫です。錬金ちゃん」
「はいよぅ」グワアアアッ
「?!」
ばくんっ
錬金ちゃんは私の合図と共に黒装束達を飲み込んでいきました。
うん、無限収納してると分かっていても、いつ見てもスライムが食事をしてるようにしか見えません。
やっぱりえげつないわ。
「カーナ様、錬金さまに食べさせたのですか?」
「アルタクスさん、誤解してると思うけど、あれは錬金ちゃんの捕食活動じゃなく、無限収納に収めただけだからね?」
「無限収納⋯⋯あれには生き物は入らないと聞いていましたが」
「それは私の場合です。錬金ちゃんのは特別性で、生き物も入って中では時間停止で保管なの」
「そうだったんですね⋯⋯⋯」
「えっへん、ボク偉い?」
「偉い偉い、錬金ちゃんは偉いわよ」
「ボク、褒めはられちゃったよぅ」
とにかく今更の錬金ちゃん能力をアルタクスさんにお伝えし、黒装束達の安全は確保する事が出来ました。
そして錬金ちゃんは喜んでクルクルと飛び回ってました。
うん、ワンコが雪の中で喜んで走り回るさまに似てますかね。
そーいえばワンコなヒューリュリ様は今頃どーしてるのかしら。
ちゃんとギンギラ丁髷おっさん達に介護されてる?
アルタクス「では先に進みます。全員出発!」
イケメン予備軍「「「「「は!」」」」」
はい、ではアルタクスさんの号令の元、再び無限廊下?を歩き出す事となりました。
うーん、一応天守閣を目指す形だけど、無限廊下は相変わらず霞がかかるくらい先が見えません。
このままでは今迄となんら変わらないよね?
どうしたものか。
ひゅ〜っ
((あの、私、呪いの痕跡、追えます、けど))
「うわっ!?また出たよ、背後から出た!!」
はい再びの登場。
番町皿屋敷的な?元女子高生井戸精霊のイドちゃん(長いって)が現れました。
ギンギラ丁髷おっさん達やハムスターのララちゃん君と同じように、勝手に背後精霊してる困ったチャンな彼女です。
そしてご多分に洩れずドアップで私に迫ります。
止めレ!!
あ、ララちゃん君、まだ戻ってなくね?
ちゃんと手を洗ってくるのかなぁ。




