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第409話 ダンジョン砂漠15(再合流?)

◆ダンジョン砂漠上空

カーナ視点


「は〜??積乱雲がスゲーし、カミナリがヤバい事になりそう。早くこの場所を離れたいけどアルタクスさん達はまだ安全圏じゃないし、どうしたものかなぁ」



民芸品達は私の素早さに追いつけないと見て、何か新しい事を始めたみたいです。

だけどそれが、デッカイ積乱雲を作る事なんてどんな意味があると言うのでしょうか。



バリバリバリバリッ

バリバリバリバリバリバリッ



「あっと!おっとと?!」



やべぇ、ボーッと雲見てたら、いつの間にかカミナリが私を取り囲むように迫ってました。

どうやら雷撃をパワーアップする為に積乱雲を作ったようです。

あと雷撃の精度とプラズマのコントロール、そして射程距離が格段に長くなりました。

恐らくですが積乱雲を蓄電池のようにして、プラズマの安定化を測ったのでしょう。

ちょっと面倒くさいですね。



「でも、だいぶアルタクスさん達から遠ざかったし、ここはいったいどの辺りなの?」



随分遠くに来たもんだ?

少し気温も下がり目だし、もしかしたらまた別のステージに来てしまったのかしら?

と、下方をみれば、何か見た事があるような建築物???



「何アレ?あ、何か前世の何かで見た記憶が⋯⋯高校の日本史の授業かな??」



そう、その砂漠にアンバランスな建物は、この世界観にもアンバランスなもの。

間違いなくアレは、いわゆるお城。

それも石垣にお掘りに天守閣⋯⋯⋯。

それは間違いなく、日本にある古城に違いなかったのでした。



「訳わかんないわ。何でやねんって叫びたい!」



え、いつの間にか別の異世界に来てた?

でも、コレまで通ってきたダンジョンステージにはニセ京都タワーやスキーのゲレンデ、ピラミッドとか地球にある施設や世界遺産がありました。


このダンジョンは元々、幻覚とゴーストゾンビ・エキストラ達による仮想現実ダンジョンとも云えるもの。

侵入者の強い想いを具現化し、惑わしながらゴーストゾンビに取り込む【人間ホイホイ】のような仕組みがあります。

ならアレも幻覚の一つに過ぎないのでしょうか。


でも、乙姫様の世界(第175話参照)は現実のようだったし、黒アゲハのコントロールルームから飛ばされたこの(砂漠)や少し前の(薄暗い平原)にある空間の広がりは限りなく現実に近くて、とても幻覚には思えません。

幻覚と現実が入り混じったカオス。

それが、このダンジョンの本質なのではないでしょうか。

そう考えると色々と辻褄が合いそうです。


ならばゴーストゾンビや通常のゾンビ達も本物だし、この対峙してる民芸品達も本物?

私達は途中から本物の異世界に入り込んでいませんか???



「なら、あの城はいったい何を意味してるの?アレも私の無意識から作り上げられた幻?それとも現実?」



ヤッパリ考え過ぎは駄目ですね。

頭フリーズしてヒューズが飛びます。

まあ、適当の行き当たりばったりがベストですか。

と、ふと背後を振り返ると、積乱雲を形成した木彫り龍達とその真下に集まる漆黒メカニクス・スネーク(昭和民芸ヘビ笛)達は集まったまま塊になろうとしています。


私を追うのを止めた?

どういう事?

或いは私が居るところは、彼らにとって進入禁止な不味い場所とか??



「もしかしたら、彼らに聖域のような犯せない空間があり、それがあの城の一帯という事?」



と、別方向に顔をむければ、此方に向かってくる一つの砂けむりを発見?!

よく見たら回り込んだアルタクスさん達でした。


ヒューリュリ様の風魔法で速度を上げたのか、物凄いスピードで私の真下まで進んで来ます。

ヘビ達も居ないようだし、ここは先に合流を済ます事と致しましょう。



ヒューン⋯⋯。

「ほい、砂漠に着陸と。ゴホンッげほん??」



アルタクスさん達の少し手前に垂直着陸。

噴射の砂ほこりにちょっと辟易。

そしたらアルタクスさん達も気づいて近くに走って参りました。

え?自動車並みに早くない?!



「カーナ様、ご無事で!」

「アルタクスさん、皆んなも無事で良かった!凄いスピードね!?」

「ヒューリュリ様と連携して全体を風魔法で包み移動したのです。本来はこんな力技は出来ませんが錬金様に魔力増大のポーションを頂き、我らも風魔法を使いスピードを上げる事が出来ました」

「そうか。錬金ちゃんは錬金術が使えたんだもんね。流石だわ」



と、アルタクスさんと話てたら、錬金ちゃんが羽根スライムなのにピノキオの鼻みたいなのを伸ばしながら飛んできました。

鼻高々?!

あと、ヒューリュリ様も走って来ました。

もちろんイケメン予備軍もです。

これで全員集合ですね。



「カーナぁ、朝飯前だよぅ」

「聞こえてたんだ」

『我の貢献も褒めるのだ。ヘビ達の追跡も振り切り大活躍したのだ』

「錬金ちゃんはいいとして、ヒューリュリ様は自分で大活躍を称えるのはおかしくない?」

『大活躍は大活躍。(あるじ)は素直に我の大活躍を褒めるのだ』

「大活躍の押し売りは迷惑なんだけど?!」



ヒューリュリ様は胸を張り、めっちゃシッポ振って顎を上げ私に迫ってきてました。

完全に褒めてワンコになってない?

仕方が無いなぁ。



「はい、いい子いい子。よく出来ました。ハナマルキをあげよう」



頭を撫で撫でしてやりました。

何故かウットリするヒューリュリ様。

デカい犬が子犬の振りしてるみたい。

キモッ!



『ハナマルキとは何なのだ???』

「味噌汁?」

『?????』


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