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第407話 ダンジョン砂漠13(発進!)

◆ダンジョン砂漠

カーナ視点


ズゴゴゴゴッ


さて、黒アゲハに対する昭和民芸の、その全てのヘイトを引き受けた様な最悪な状況。

上空に集まる龍の木製玩具と地中から頭をもたげる昭和民芸ヘビ笛は、目視できる範囲だけでも百はくだらないでしょう。

いやいや、コレ殆ど詰んでない?!



「とにかくララちゃん君が頼り。ララちゃん君、精霊一体化スピリット・オブ・インテグレーションよ!」



と、ララちゃん君に振り返ると、ララちゃん君が居ません。

は?

私の背後精霊、何処行った!?



「ララちゃん君?!」

「カーナぁ、さっきララちゃん君はカーナぁの背中、離れて消えちゃったよぉ」

「錬金ちゃん?ララちゃん君が消えたの??」

「おしっこしたくなって、あと疲れたので精霊界で一休みするって」

「精霊って、おしっこするん?じゃなく!精霊界ってところに帰っちゃった?!」



はあ!?

こんなヤバい時に居なくなるんかい!

いや、無理して背中におしっこされるのも嫌だけどさ。



「カーナ様、完全に囲まれてしまいました!」

「アルタクスさん、皆んな、取り敢えず集まっって!」



あとは私のスキル《小さな箱庭グリーン・サンクチュアリ》にある弱物理結界で防御しつつ、結局その間に私のパワードスーツに着替えるしかないけど!

いや蒸れるから嫌なんだけど!!



「スキル《小さな箱庭グリーン・サンクチュアリ》!錬金ちゃん、パワードスーツ放出で!」

「カーナぁ、了解。オゲーっ」


ガラガラカランッ



なんとか皆んなを集めて《小さな箱庭グリーン・サンクチュアリ》のスキルを使ったけど、コレ基本的に単なる温室だから物理結界は濃密な空気壁でしかありません。

まあ、見せかけの結界としては使えるので、昭和民芸達が躊躇してる間に私がパワードスーツに着替える時間は稼げるでしょう。


という事で、アルタクスさん達にガードしてもらい、パワードスーツに着替え始めた私。

ん?

なんかパワードスーツがネットリしています。

まさか錬金ちゃんの唾液付き?

着替えたくねーっ!



「はあ、ついに着替えちゃった。そんじゃ、いってきます」



へんなベトつきを無かった事にして、何とか素早く着替えを完了した私。

もちろん蒸着宣言で瞬時に着替えを終わらせました。

一瞬で着替えたなら今までの前置きは何だよって?

いやいや保管してたのは錬金ちゃんで、彼?が吐き出さないと蒸着は作動しないから。

なので、しっかりスーツの状態を確認する時間をとれたので前置きが長くなっただけです。


因みに私のパワードスーツ(識別名フェアリーウォリアー)は白銀の鎧。

頭から被る兜には、カブト虫みたいな角があって艶々でカッコいい。

コミケなら遠目にも白銀映えで絶対に目立つ事間違いなし。

いや、コスプレの話はどうでもいいんだがね。



「それじゃ皆んな、私が包囲を崩したら一気にこの場所から脱出して!」

「待って下さい、カーナ様!!」

「アルタクスさん?」



私がスネーク達の群れに突入しようとしたら、アルタクスさんに呼び止められました。

え、何で?



「カーナ様が強い事は分かっています。ですが敢えて言わせて下さい。どうか無事に私達の元に戻って下さい。それが我ら一同の切なる願いです」

「はい、アルタクスさん達の気持ち賜りました。お任せ下さい。【私は強いので】(パワードスーツがね)大丈夫です。でも心配してくれて嬉しいです」



か弱い妖精少女から、すっかり【強い女】認定になった今日この頃。

アルタクスさんの心配と背後で同意してるイケメン予備軍が何だかとても新鮮です。

私はまだ心配される存在なのね。

マジに嬉しい!



「カーナぁ、顔が緩んてヨダレが垂れてるよぅ」

『はあ、(あるじ)は相変わらず煩悩の塊なのだ』



錬金ちゃん、無駄に私を観察しない。

駄犬は早くアル中治せや。



キュイイーーーーーーーーーンッ

ヒュゥーーーーーーーーーーーーーーーーンッ



甲高い噴射音が響き渡り全身に力が漲ります。

右腕を真っ直ぐ伸ばして手のひらはグー。

左手は胸元に同じくグー。

真上に顔を向け空を見上げ飛ぶ態勢は完ぺきに。

背中のショルダーバーナーに光が灯り、スーツにパワーが行き渡ると私はふわりと浮きました。

発進準備が完了です。



「カーナ、行きマース!」


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