第404話 ダンジョン砂漠10(新たな力)
◆ダンジョン砂漠
カーナ視点
「キュイキュイキュイキュイキュイキュイキュイキュイキュイキュイキュイーッ」
ズがガガーンッ
無数に繰り出される肉球は速すぎで、残像しか捉えられません。
破壊されて吹き飛んでいくのは昭和民芸?に似た漆黒メカニクススネーク達。
それを成したのは私の腕力?
いえいえ私は新たな力を得て、たった今その力を振るったという事実でした。
なんとゆう万能感。
まるでスーパーマンになってしまった気分です。
これも全てララちゃん君の力です。
「キュキュイイ《アタシの事はスタープラララちゃんと呼んで》」
「いろいろパクリネタぽくってラララちゃんになってしまってるけど?!」
一人時間差で砂漠に飛ばされた挙句、私を含む皆にその存在を忘れさられて私の半透明背後霊になってしまったララちゃん君。
(作者もな!)
ですがそれとは引き換えに、ララちゃん君と私には新たな力が宿りました。
それが精霊一体化です。
なんでしょう?
理由は分かりませんが、精霊ララちゃん君が背後精霊となってから新たなスキル、精霊一体化が発動しました。
つまり私(私達?)は新しい力に目覚た、という事なのでしょう。
それで、このスピリット・オブ・インテグレーション。
中々に使い道があります。
基本的にはララちゃん君が私の背後霊のまま、私の魔力を使い物理で相手を殴り飛ばすだけのシンプルなもの。
ところがララちゃん君曰く、私の魔力は無尽蔵なんだとか。
おやや??
ちょっと待って。
前に錬金ちゃんに言われたのは、私には魔力がまったく無いという話だったのではって錬金ちゃんに振ると?
「基本的に今もカーナぁからは魔力を感じられないよぅ。だけど前にも言ったけど、カーナぁは創造魔法を無意識に使ってる。創造魔法は発動に莫大な魔力を使わないと発動しないよぅ。つまりカーナぁは普段は魔力が無いけど、必要に応じて何処からか魔力を持ってきてるんだよぅ。つまり《必要な時に必要な魔力を必要な分だけお取り寄せ》って事なんだなぁ」
「何、そのトヨタ方式な魔力?!」
いやいや自動車メーカーの経営方針みたいな事言われても、無意識にやってんだから何の実感もありません。
ただ一つだけ云える事は、もう蒸れて厄介なパワードスーツは着ないでスネーク達に対処出来るようになった事。
あのパワードスーツは強力だけどハッキリ言って着ぐるみ状態。
炎天下砂漠に着ぐるみは熱中症でお亡くなりです。死にたくねーっ!
何でエアコンとか付いて無いのよってパワードスーツ取説見たら、宇宙戦用だから想定して無いんだと??
宇宙戦用だったんかいぃ!!
てな訳で、夜間でも昼間でも昭和民芸ヘビ笛の突発攻撃に難なく対処する事が出来るようになりました。
結局ララちゃん君が頼りですが、その元になる魔力は私が提供しております。
つまり私が皆を守っているのです。
アルタクスさんやイケメン予備軍は私が守るのよ!オーホホホ。
意味(アルタクスさんとイケメンは私の物)
そうして突き進んだ砂漠地帯。
アチコチに段々増えてきたゴーレムの残骸を不気味に思いながらも、誰よりも先に漆黒メカニクススネークやサンドワーム達を物理で吹き飛ばす私とララちゃん君。
殆どゴリラ化してんじゃね?!
ズがガガーンッ
ドッカーンッ
「アルタクスさん、大丈夫でしたか?」
「はい、カーナ様のお陰で助かりました」
「キュイキュイキュイ《私の活躍でもあるのです》!」
「ララちゃん君、それは私が分かってるから」
ここ迄くると、漆黒メカニクススネークやサンドワームの襲撃が半端ない数になりました。
パワードスーツをいちいち着込んでたら全然間に合わない状態。
ここはララちゃん君背後霊がいて本当に大助かり。
何しろ私達は二人で一人のバロム・1。
私が眠ったままでもララちゃん君が対応可能。
その逆、ララちゃん君がお休みでも私がララちゃん君の力を使えるというイタレリーなスパゲッティ状態。
最高じゃん!
『ふむ、最近主が強過ぎなのでする事が無いのだ。有り難い事なのだ』
「いやヒューリュリ様、一応従魔なんだから少しは仕事をしない?主におんぶに抱っこの従魔っておかしいでしょ!」
『一応おんぶに抱っこではない。普段は主を我がおんぶしているのだからな。それに我は年長なのだ。若モンが動いて当然なのだ』
といいつつ赤い顔で、今度は妖精印の日本酒《妖精殺し》一升瓶を巾着から取り出すヒューリュリ様。
はいぃ???
妖精印はいつの間にか日本酒を作ってた?
28号は何処までいくつもりなの?!
彼の野望は底なしのようです。
恐るべし28号!!




