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第39話 (再会)

◆カーナ視点


直ぐに【白鳥の湖】をやって、【小さな箱庭グリーン▪サンクチュアリ】をオルデアンちゃんと倒れている女性のところまで広げました。

これで体力だけは改善できる訳ですので、少しは時間が稼げる筈です。



「み、御使(みつか)い様、テリアが熱いです。テリアが、テリアが、うわああん!」


「オルデアンちゃん、落ち着いて!」


やっぱり、体力回復だけじゃ駄目ですか。

どうすれば……あとは私の銀の羽根、銀鱗粉ですが確か、体力と傷の回復だけだった筈。

毒の解毒は出来ない可能性があります。

けれど他に思いつきません。

やるだけやってみましょうか。


私は空中に舞い上がり、くるくる踊りを踊ります。

『空よ、風よ、輝いて、命の花を咲かせます。弱りし者にその愛を、傷つきし者に祝福を、ティターニアの盟約により、世界の力を今ここに!ヒーリング!』



リイイィーンッ、リイイィーンッ



私の銀の羽根が輝いて、銀鱗粉が舞い散ります。

テリアさんとオルデアンちゃんのところまで、くるくるくるくる舞い散ります。

ほら、ほら、ほら、テリアさんの腕の怪我、あっという間に消えていく。

これが私の銀の羽根、その銀鱗粉の力です。




「っ、テリア、テリアの怪我が消えた?御使(みつか)い様、有り難う御座います!」


オルデアンちゃんに感謝されました。

ふう、これ結構疲れるんですね。

踊りのせいかと思いましたが、其だけでは無いようです。


さて、テリアさんはどうでしょうか。これで身体が治ってくれればいいのですが。



「ごほ、ごほ、かはっ、うあ」


「テ、テリア、い、いやああ?!」


っ?!

地面が赤く染まりました。

テリアさんが血反吐を吐いたせいです。

これは……間違いなく毒のせい。

私の銀鱗粉では、やはり、毒には効果がありませんでした。

体力と傷は回復したのに、毒が、テリアさんの命を奪い去ろうとしております。


いったい、どうすれば!?






ザッ、ザッ、ザッ



は?!

人の気配です。

まさか、さっきの盗賊団ではないでしょうね!?



ザスッ


「オ、オルデアン様、何処(いずこ)に居られますか!?」



こ、これは!?

林の(あいだ)からイケメンです。

めちゃくちゃ凄いイケメンです。

黒髪、青目のイケメン、と言う種族に出逢いました。

肩を押さえて、ややポンコツ感が母性愛をそそります。

顔偏差値、三百パーセント!!?

これなら、さっきの男前ワイルド盗賊なんか目じゃありませんよ。

これは貴重です。

じゅるっ。

すぐに網で捕まえて監禁………は?!

い、今、私は何を考えていたのでしょうか?

ああ、記憶にございません。

善処いたします。

勝手に秘書がやった事です。

忖度(そんたく)で勝手に……。

などと、バカやっている場合ではありません。

人の生き死にがかかっているのです。

こんな時にイケメンが現れたくらいで我を失うなど、情けないです。


ですが銀鱗粉も使った私に打てる手は、もうありません。



「アルタクス!!」


「な!?姫?近くにいるのですか?お姿が見えません。ずっとお捜し申し上げでおりました。姫!どちらにお出でですか!」


うーん、オルデアンちゃんの知り合いでしたか。

オルデアンちゃんが叫び、イケメンが反応しました。

後で、オルデアンちゃんに紹介して頂きましょう。

是非ともお近づきに……じゃなかった。

私が了承しないと、あの方は此方を認識する事も、入ってくる事も出来ないのでした。



では、さっそく承認を

『貴様、人間!何故ここに居る?!』


「くっ、白い悪魔!」



シュパパパパッ

ザンッ、ザンッ、ザン!



ああ、あああ!?

突然ヒューリュリ様が現れて、魔法をイケメンに放ちました!

イケメンの近くの木々が真っ二つです。

イケメンが上手く避けたので、イケメンの美貌は保たれました。

ですが、イケメンが怪我でもしたらどうするんですかヒューリュリ様!!

貴重なイケメン資源が失われるところです。あ、でも、戦っている姿もカッコいいわぁ!


「アルタクス!?御使(みつか)い様、ヒュー様をお止め下さい。アルタクスは私の従者なんです!!」


は?!いけない。

オルデアンちゃんに言われるまで、イケメンに見とれてました。

オルデアンちゃん、ヒュー様?なんかカッコいいですね。

けど、イケメンを襲う者は敵です!

許すマジ、ヒューリュリ様!

もはや、アレをヤるしかないでしょう!

私は息を吸い込み、一気に大気を奮わせます。

言いますよ!


「○ン○ン!!!」


『ぐわっ、な、なんだ!?身体が勝手に立ち上がって、ぶわあああ???○ン○ン!?な、あ、(あるじ)?何だか情けないぞ!?止め、』


「○ン○ン!○ン○ン!○ン○ン!○ン○ン!○ン○ン!○ン○ン!○ン○ン!○ン○ン!○ン○ン!○ン○ン!○ン○ン!」


(あるじ)ーーーーーーーっ!?』



ふう、とうとうヒューリュリ様は《《あの》》体勢のまま泣き出しました。

ちょっぴり、お仕置きが過ぎました?

でも!

()()なイケメンを狙ったんだから、この位いいですよね。

()()ですからね。

()()。(三回言った)


「うぐっ、し、白い悪魔!?なんだ、あの体勢は?新しい魔法を放つつもりか!」


あちゃー、イケメンが大きな勘違いをしております。

ヒューリュリ様も《《あの》》体勢のままイケメンの攻撃を受けるのは不本意でしょう。

ではではイケメンよ、お出でませ!


「イケメン、承認!」




「は???!、オルデアン様が突然、私の前に?!オルデアン様!」


「アルタクス!アルタクス!アルタクス、会いたかった、アルタクス!」


バッ


「オルデアン様!」

「アルタクスーっ!良かった、アルタクスが無事で本当に良かった!」



おお、感動の再会です。

二人は駆け寄り、しっかりとお互いを抱きしめました。



こうして二人は、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。



……って、終わってどうすんの!


皆さま、わたくし、カーナのお話しを見に来てくれて、ありがとうございます。

今後も、私の独りよがりな、恥ずかしい私生活を公開して参りますので、何卒、今後も御贔屓(ごひきき)の上、応援お願い致します。

なお、お星さまを沢山付けて頂けますと、私の生活も充実いたしますので、宜しくお願い致します。

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