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第393話 ダンジョン砂漠(夜間キャラバン)

◆ダンジョン砂漠?

カーナ視点


ザックザックザックザックッ


月明かりの中、私達のキャラバンは砂漠の中を進んでます。

まさに月の砂漠です。

だけど、この景色もダンジョン内だから本物じゃない?

まあ、今更どーでもいいけど。



「こんな事なら、ペリ馬鳥達でも連れてくれば良かった。そうすれば少しは雰囲気があったのに」

(あるじ)は我に乗っているのだ。大して変わりはなかろう?』

「私はね、雰囲気で言ってたの!月の砂漠なら普通はラクダでしょう。本当はペリ馬鳥でも無いんだからね」

『ラクダとは何だ?(あるじ)は何が不満なのだ』

「はあ、だから雰囲気だって。そんな事より、その隠れ飲んでる妖精ビールは止めなさい。大体、不謹慎でしょ。私達はオルデアンちゃん達の救出の為にココにいるのよ。ヒューリュリ様は皆んなの気持ちが分からないの?」



ヒューリュリ様は最近、妖精ビールをこっそりと飲む癖がつきました。

前に私が巾着を取り上げた事を警戒してるのか、マジック巾着に直接ストローを挿して、器用に吸い上げているのです。

巾着の中には妖精ビールの樽がまだ36樽も入っていて、冷蔵用の雪までも入れてあります。

ヒューリュリ様は、その冷たいビールを独り占めしつつ私の苦言にも対応するという、トンデモな駄犬生活を送っているのでした。

あと、ビールをストローで飲むんじゃねー!?



(あるじ)とはいえど、これだけは我に干渉しないでほしい。晩酌は我の唯一の楽しみなのだ』

「聖獣フェンリルの癖に仕事に疲れたアル中オッサンみたいな事言ってるよ?!」



せっかく人が現実逃避で砂漠の景色を堪能してたのにビール腹フェンリルに絡まれた挙句、アル中宣言聞かされやがりました。

どーでもいいけどビールをストローで飲むなや!



そんな事もあり、現在アルタクスさん胸ポケットに出戻り中。

やっぱりここが私の定位置で決まりです。



「あ、流れ星!」

「不思議ですね。私達はダンジョンの中にいるはずですが、こうして夜空を見る事が出来るのです。この同じ夜空を、オルデアン様達も何処かで見れていたりするのでしょうか」

「大丈夫です。きっとオルデアンちゃん、織姫ちゃんも砂漠の何処かで見てますよ。アルタクスさん、必ず二人を救出しましょう」

「はい」



砂漠の地平線に落ちる無数の流れ星。

これはロマンチックな夜なんですね。

今夜はアルタクスさんを独り占めでした。


ただ依然としてオルデアンちゃん達に繋がる情報がありません。

空を見上げるアルタクスさんは何処となく不安げで、当然ながら星空を楽しむ余裕は無い様です。

当たり前っちゃ当たり前。

致し方ありませんよね。


結局、彼の胸ポケットで一人ロマンスを妄想する私です。

残念。




❇❇❇❇❇




ジリジリジリジリジリッ

ジュウッ


「ぎゃあああ、私の羽根から煙が!」

「カーナぁ、水だよぅ」ドバッ

「ぶふぅ?!」バシュウッ



朝起きたら私の羽根が火事でした。

直ぐ様錬金ちゃんが水を生成して難を逃れましたが、私は下着の中まで水浸しです。

オーノー!!


私達は昼間は移動しません。

前に言いましたが、砂漠を進むキャラバンは暑い日中を避けて夜間に砂漠を渡ります。

体力温存と砂漠の寒暖差を利用した昔の人々の合理的な砂漠踏破理論です。


それに習い私達も、昼間は暑い太陽をやり過ごします。

やり過ごすんですが、この砂漠で太陽を遮るものはずっと点在するゴーレムの残骸ばかり。

はい?

いや、どんだけ破壊されてんだよゴーレム軍団!

数えたわけじゃないけど、ここまで見た残骸はザッと数百。

いや、実際にはその数倍は残骸になってるかも知れません。


なので、合理的にゴーレムの残骸を日陰に休んでいたんです。

そうした中で起きた私の悲劇。

私が寝てる間に、壊れたゴーレムのモノアイが割れてレンズが集光器効果を生み出したようで、偶然にも私の羽根にビームしてたみたいです。

お陰で羽根半分が黒焦げで真っ黒。

まるで黒アゲハの羽根が片方付いてるみたいになってしまいました。

冗談じゃねーよ!?



「うわああ、どうしよう?!あ、私は治癒が使えるんだった。え、でも私の治癒で治るのかな?」



私の銀の羽根には、治癒効果のある《銀鱗粉》を作り出す能力があります。

ここまで皆さんのすり傷を難なく治して、それなりに実績も積みました。

ならば自給自足で治るのでは?

と、眺める自身の羽根。

真っ黒だな。



「うーん、ここまで真っ黒に焦げた羽根、流石に《すり傷》みたいに簡単には治らない?」



とにかく、ここはトライさん。

適当踊りでやりましょう。

家庭教師の話ではありません。



「治る、治る、羽根さん治ーる、おいでませー」


ぶわあぁっ



はい、適当踊りで誤魔化し踊り。

無傷の片羽根から銀鱗粉が舞い散ります。

するとあらあら、なんて不思議。

黒焦げ羽根はキラキラ光り、みるみるうちに元通り。


私はカーナ。

カーナ・アイーハ。

これが所謂、《自給自足治癒》で御座います。


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