第385話 ダンジョン???3
◆ダンジョン???
カーナ視点
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登場人物紹介(再確認)
ララちゃん君▶元はグルちゃんのランドセル内に住み、ぐーぐる矢印ナビを担当していた彼女のペット。(ハムスター雄でトランスジェンダー)
グルちゃんがミミランド入園チェックでランドセルを取り上げられた時、警備員宅に保管されていたランドセルから脱出。
人間並み大きさを得てカーナ達のメンバーに加わる。
大手プランドメーカーのバック好き??
その後オルデアンちゃん達が誘拐犯達に再誘拐された際、一緒に拉致され現在に至る。
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「キュイ、キュイ、キュイィ、キュイキュイ?」
えーこれはどういう状況なんでしょう?
オルデアンちゃん達と一緒に拉致されたはずのグルちゃんペット、ハムスターのララちゃん君が幻のメス犬舞妓さん達に混じり、何故かヒューリュリ様を接待しております。
おまけに舞妓さん姿でメス犬達と和気あいあい?
そして何も気づかず、お酌を受けてるヒューリュリ様。
一人?のメス犬舞妓さんの帯を引っ張り解いて、あ〜れ〜とクルクル回しています。
気分がいいのか、すっかり酔っ払いセクハラオヤジ犬になってしまったヒューリュリ様。
かなり恥ずかしいので今後は距離を置きたいと思います。
それより……
「何故にララちゃん君がここに居るの?!」
私は、名残り惜しいですがアルタクスさんポケットを離れ、ヒューリュリ様お酌中のララちゃん君に事情を聞こうとその側まで行きました。
幻メス犬舞妓さんA((フェンリル様、お注ぎしてよろしいですか?))
幻メス犬舞妓さんB((お大臣さま、美味しい御料理はいかがですか?))
ララちゃん君「キュイキュイキュイイイ?《旦那様、もう一杯いかがですか?》」
『おお、何か知らんが良きにはからえなのだ』
すっかりプヨプヨのお腹を抱え、幻メス犬舞妓さんを侍る駄犬のヒューリュリ様。
表情は緩みまくりで、もはやフェンリルの精悍さはありません。
飲めや歌えやで最早ただの酔っ払い犬です。
ヒューリュリ様?そのメス犬舞妓さんは幻です。
あとニューハーフなハムスターも混ざってるよ?
って言ってやりましたが、今のヒューリュリ様には届きません。
仕方ないので放って置いて、私はララちゃん君に声をかけました。
「ララちゃん君!」
「キュイキュイキュキュ《あ、カーナさん、お久しぶりなのです。ちょっと待ってなのです。只今御犬様にお酒を注いでるのです》」
「いや、そうじゃないでしょ?!グルちゃん達と一緒じゃなかったの?」
「キュイキュイキュイ《何かケモノは邪魔だって言われ、この場所に要らない物として落とされちゃったのです》」
「人間には言葉が通じないからかな?大変だったんだ……だけど、こんな氷の世界でよく生きていられたね。どうしてたの?」
「キュイィキュイキュイキュイ《穴を掘って暖かくなるのを待ってました。アタシはハムスターだから土の中に穴を掘るのは得意なんです。そしたら地面が暖かくなったんで出てきたのです》」
「私の《小さな箱庭グリーン・サンクチュアリ》に反応して出てこれたんだね。何にしても無事で良かった。ララちゃん君に何かあったらグルちゃんに顔向け出来ないから」
「キュイキュイキュイィィキュイ《はい、ありがとうなのです》」
やっぱりハムスター毛皮のモフモフは手触りがいいです。
人間サイズだから私のベッドにピッタリなどと思いましたが、それはアルタクスさんポケットを裏切る行為になりますから、ララちゃん君に飛びつきたい欲望はギリ抑えました。
あぶねー
「それでララちゃん君、誘拐犯達の行方は分かったりする?」
「キュキュイキュキュイ《分かるのです》」
「え、本当に?!」
「キュキュイキュキュイ《はい、アタシは落とされたけど、誘拐犯達が向かった先は見ていたのです》」
何と、ララちゃん君は誘拐犯達が向かった先を見ていたそうです。
ならば私達は誘拐犯に辿り着く重要な情報を得た事になります。
ドドン
「ララちゃん君、ならば誘拐犯達は何処に向かったというの?!」
私の言葉にゆっくり頷いたララちゃん君。
彼は後ろを向き直ると、その先を指さしてこう言いました。
「キュキュイキュイキュイキュキュイキュイ《誘拐犯とグルちゃん達はこの方向に向かって行ったのです》」




