第379話 ダンジョン新神殿3
ダンジョン新神殿
カーナ視点
そうしてアルタクスさんとポケットの私は先陣を切り、第一関門であるタールマン達を再び退けながら神殿内になだれ込みました。
当然ながら第2関門の黒ウサギマフィアは居ませんでした。
全員質の悪い新興宗教に引っ掛かってチワワ黒ウサギになってますから、トカレフに狙われる事は無いでしょう。
ザッザッザッザッザッザッザッザッ
ゾロゾロゾロゾロゾロゾロッ
神殿に入って比較的長い通路が続きます。
偽神殿では直ぐに広間になってたようですが、コチラでは祭壇まで距離があるようです。
やはりニセモノ神殿は色々と端折って作られていたようで、せっかく金かけて?レプリカ神殿作るんだったら細部まで再現しろや、です。
しかし、私達も歩き方に情緒が無いですね。
アルタクスさんに皆ゾロゾロと縦列で付いて行くだけです。
まあ、前衛がアルタクスさんと私。
2番手がヒューリュリ様で錬金ちゃんがドローン警戒してますから、この布陣にイケメン予備軍としては致し方無いところ。
これで待機組がついて来てたら、殆どギリシャのパルテノン神殿観光ツアーです。
いや緊張感無さ過ぎになっちゃいますね。
「あれが祭壇ね……」
さて、祭壇まで辿り着きました。
ここはレプリカそっくりです。
いやレプリカがそっくりだったが正解ですか。
が、特段変わった様子はありませんね。
え?
何も変わった様子が無いのは結構な事ですが、オルデアンちゃん達の行方に繋がる情報が欲しい私達にとっては、それはそれで問題です。
「カーナ様、この神殿が建立されたままの状態なら、この祭壇の地下に御神体があるはずです」
「御神体?それがダンジョンコア」
「はい。そして皇国全体を覆っている結界を作り出している力の源です」
これ程の異空間ダンジョンを作り出すダンジョンコア。
更に皇国の国全体を覆う結界を維持しているという途方もないエネルギー源。
そんな力があるとしたら原発何基分になるのか。
核融合とかそんな具合とか?
そんなマッドサイエンティスト、巨大エネルギーがこの下にあると言われたけど残念ながら私には何にも感じません。
うーん、前世で《トイレの花子さんを見た》と、クラスの友人達が騒いでいたトイレに、三十分以上長居して何の気配も感じられなかった私です。
え?私は凄い鈍感??
ガコンッ
「?!」
「カーナ様、こちらがダンジョンコア、皇国の結界を作り出す核がある入口になります。今から核の状態を確認していきますので」
私が鈍感に悩んでいたら、アルタクスさんが祭壇手前の何かを動かし、すると床に入口が現れました。
これがダンジョンコアに続く秘密通路って事?
なら、そこまで行けば鈍感な私でも、何か感じとる事が出来るかも知れません。
「分かりました。私も行きます」
『我も行こう』
『ボクも行くよぅ』
「は?」
どうやらヒューリュリ様と錬金ちゃんも同行のようで、イケメン予備軍が入口の警護となりました。
特にアルタクスさんからは何もなく、4人で秘密の通路に入ります。
ボッボッボッボボボーボボボーッ
カーナ「階段降りたら松明が自動点灯した?」
アルタクス「魔法松明です」
錬金ちゃん「カーナぁ、魔導具だよぅ」
ヒューリュリ『このくらいは一般的な生活魔法のレベルだな』
カーナ「し、知ってたわよ、それくらい!」
あう、私が無知みたいにされました。
いや魔導具何て知りませんが、魔法有りの世界だから照明器具もあるでしょう。
だけど私が驚いたのは、魔導具なのに松明かよってギャップに驚いただけです。
アトラクションとしては普通かも知れませんが。
アトラクション?
カーナ「またここはアトラクションなの?」
アルタクス「カーナ様、アトラクションとは??」
錬金ちゃん「そんな訳無いよぅ」
ヒューリュリ『主はまた発想が飛躍しているのだ』
相変わらず失礼が極まれりなヒューリュリ様。
駄犬の言い草にいちいち反応する私ではありません。
とにかく前に進んでいる私達です。




