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第377話 ダンジョン新神殿

◆ダンジョン新神殿

カーナ視点


「カーナぁ、着いたみたいだよぅ」

「うい?」



錬金ちゃんから到着のご連絡頂きましたが、世界が回っていて辺りの状況が分かりません。

飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで、回って回って回って回わるーっ。


やべぇ、また込み上げてきました。

アルタクスさんに軽蔑されたくないので、白い毛皮に隠れて吐きます。

オエー。



『シクシクシクシク』

「はて?何処かでヒューリュリ様が泣いています。でも、いつもの事なので気にしません」

(あるじ)、あんまりなのだ』



えーそれから点呼。

大所帯だけにこれは絶対に必要です。

ひとーり、ふたーり、さんにーん、よー……。



『アホか?!見て分かんねーのか、全員揃ってるじゃねーか。頭の悪い(あるじ)だな!』

「うっさいわね、糞ペンギン!念の為よ、念の為!」



レオナルドにアホ呼ばわりの挙句、頭悪い(あるじ)認定されました。

コレの何処に(あるじ)を敬う要素があると言うのでしょうか。

やっぱり従魔ってヒモとか、ニートとかの類いに相違ありません。

従魔戦隊フザケンジャネー。



「で、ここは何処になるの?」



やっと落ち着いて辺りを確認してみたら、さっきの神殿の外と大差のない景色?

あれれ??

改めて今、私達がいる場所は前回の神殿外に出戻ったような所、小高い丘があって先の盆地中心に全く同じような神殿があります。

何なのよ、この状況は??



「私達、あんな嫌な転移体験したのに結果は神殿の外に出ただけだった?何の拷問よ!」

『いや、転移に特に弱かったのは(あるじ)ぐらいだったと思うぞ。さっきの《アホ》はその後遺症だろう?病院を探そう』

「チキショーなペンギンはどっか行けや?!」



人を患者扱いするレオナルドは失礼極まりないと思います。

やはり(あるじ)にたいする尊敬も何もありません。

コイツを従魔してる私のメリットは何?

誰か教えて下さい。



「カーナ様、あの神殿は前と違います」

「アルタクスさん?」



そこに間違いを指摘するかの如く、私の認識を否定するアルタクスさん。

と、云う事はつまり?



「あれは間違いなく私どもテータニア皇国で祭事を執り行う為に建立した《ダンジョン内神殿》に違いないようです。その証拠に、あの神殿は皇都内ダンジョン前に建てられた神殿と対を成すもの。外観がほぼ同一になっているはずです」



ごめんなさい、アルタクスさん。

確かにその神殿は記憶にあるけど、不謹慎にも黒装束達に突っ込む為の足場にしてたから殆ど全景を見てないんです。(第104話辺りを参照)

次回は皇国観光でじっくり見ますので、私の単独ガイドに付いて下さい。



「では新しいステージに来たという事で、色々と警戒は必要ですよね?」

「そうです。神殿は本物の様ですが神殿の周辺は違っています。未知の危険を考慮に入れるべきでしょう」

「それで、ここは何処なんでしょう?」

「分かりません。ただ、先程の偽神殿と地続きなのではないでしょうか。辺りの景色からすると、薄暗い平原の何処かと考えるのが妥当かと」

「そうですよね」



確かに転移で移動したはずですが、回りの景色に大差はありません。

つまり薄暗い平原の中であり、地平線に落ちる沢山の歯車は現在進行系で起きています。


なんでしょう。

私達は《薄暗い平原》ステージに何かと因縁があるようです。

この《薄暗い平原》はダンジョンの重要なステージなのかも知れません。



「とにかく次の行動に移りましょう。これから神殿に向かいますが、ここは全員で向かうより少数精鋭で向かうべきと考えます。カーナ様はどうですか?」

「アルタクスさんの意向に全面的に同意です。神殿内に黒装束の一味がいる前提なら侍女さん達などの非戦闘員はアルタクスさん達の大きな足かせになってしまいますから。私の方もテバサキ一家や木偶の坊な従魔は置いていきたいと思います」



ハッキリ言って《一家》になってるテバサキ家は連れて行っても無意味だし、怪鳥ペリーはデカ過ぎでレオナルドは煩いだけ。



いやこの際、全員従魔契約解消でもよくね?


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