第374話 ダンジョン神殿(偽神殿5)
◆ダンジョン神殿
カーナ視点
バフーンッ
「は?!」
思わず私は自分の目を擦りました。
これはどういう事でしょうか?
黒ウサギ達がトンデモない事になってます。
確かにヒューリュリ様が云う通り、これはもう呪いに違いありません。
やべぇや!
「メイさん、メイさん、ちょっと質問があるんですが」
「はいはいカーナ様、どうしました?」
メイさんは他のイケメン予備軍と同じように、自分のペリ馬鳥に荷物を載せ手綱の調整をしておりました。
胸にいたはずのチワワは姿が見えません。
トイレにでも行ったのでしょうか?
何処に行ったか気になりますが今は好都合です。
ちょっとお邪魔しますよ、メイさん。
「黒ウサギ達を説得したの、その胸にいたチワワじゃなく、雪ウサギがやったんですよね?!」
「はい、そうです」
「ん?」
モゾモゾッ
がポッ
「ひぇっ!?」
「カーナ様、テトです」
分かってますけど居たんかーい?!
私がメイさんと話していると、メイさんの胸の辺りがモゾモゾして、いきなりチワワが顔だけを出しました。
相変わらず焦点が定まらない虚ろな目で、何処を見ているのか皆目見当もつきません。
しかも出てくるノリが殆どエイリアン的ホラー。
その出方はヤメロや?!
心臓に悪過ぎで今にも口から口じゃなく、胃袋が出るところだったよ!
メイさんもよく、その変態変顔チワワ雪ウサを胸の間で飼ってますよね?
勘弁して下さい。
「カーナ様、どうしました?」
「いや、そのチワワにメッチャ引いてるのが分かってない?!いや今はどーでもいいか。えー説得の際、何か変わった事はありませんでしたか?」
「変わった事ですか?」
私の質問に顎に手をやるメイさんとチワワ変顔雪ウサギ。
いやチワワ、実質アンタに聞いてるんだが?
「さあ?特に変わった事は無かったですね」
『ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク』
「そう…………ですか。もう結構です……」
「?」
チワワな雪ウサギの念仏が始まった時点で、私は質問を終わしてメイさんから距離を取りました。
何かヤバい波動を感じたからです。
「は?!」
『ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク』
その時でした。
私の周りが一気に暗くなり、目の前に荘厳な寺院が現れたのです。
そしてその背景を飾るのは巨大な万華鏡。
それが回転しなが無限の奥行きの中で、その一つ一つの重なり合う鏡の反射にチワワ変態変顔雪ウサギの顔。
さらにそれが昇華され、やがて現れるのは更に巨大な大曼荼羅。
「へあ???!」
『ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク………』
めくるめく重厚荘厳な仏の曼荼羅。
そこにおわすは巨大に肥大したチワワ大仏。
ああ、何と神々しい事か。
これは祈らずにはいられません。
『ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク、ゴクラク………………
あ?




